EUR/USDの上げトレンドは継続も、勢いが衰えつつある

概要

EUR/USDが主要なテクニカル水準を上回って推移し、中央銀行が慎重な姿勢を維持する中、市場参加者は値動きと今後の経済指標の発表に引き続き注意を払う。全体的なトレンドは上昇傾向を示しているが、モメンタムの弱含みの兆候から、一時的な停滞や調整の可能性が浮上している。従来通り、トレーダーは柔軟性を保ち、テクニカル的展開とマクロ経済の動向を注意深く監視する必要がある。

影響の大きい経済イベント

木曜日 1:45 (GMT+3) – ニュージーランド: GDP 前期比 (NZD)

木曜日 4:30 (GMT+3) – オーストラリア: 雇用変化 (AUD)

木曜日 10:30 (GMT+3) – スイス: SNB政策金利 (CHF)

木曜日 14:00 (GMT+3) – 英国: 公式銀行金利 (GBP)

金曜日 9:00 (GMT+3) – 英国: 小売売上 前月比 (GBP)

チャート分析

1月13日に1.01768でサイクル安値を付けた後、EUR/USDは14%以上上昇し、年初来高値の1.16303に達した。最初の反転は、既存の下降トレンドを崩し、上昇転換の基盤を築いた典型的なフェイラースイングパターンによって示された。

その後、20日指数平滑移動平均線（EMA）が50日EMAを上回る「ゴールデンクロス」の形成が、中期的なトレンド転換のさらなる確認となった。このクロスオーバーは、トレンドフォロー戦略において一般的にポジティブなシグナルとして解釈されている。

テクニカル面は、依然として上昇傾向を後押しする状況だ。モメンタムオシレーターは100のラインを上回って高水準を維持しており、相対力指数（RSI）も中立の50を上回って推移しており、いずれも強気な投資意欲が持続していることを示している。

ただし、価格とモメンタムオシレーターの間でネガティブなダイバージェンスが発生している点は注目する必要がある。この乖離は、上昇トレンドの根本的な強さが弱まっている可能性を示唆しており、今後の取引セッションにおいて調整局面や反落のリスクが高まる可能性があまる

主要な抵抗線

買い手が市場を支配し続ける場合、トレーダーは次の4つの潜在的な抵抗線に焦点を移す可能性がある：

1.16303: 最初の抵抗線は、6月12日の日足高値と一致する1.16303である

1.17550: 2つ目の価格目標は、1.14178から1.12094までに引いたフィボナッチ・エクステンションの261.8%に相当する1.17550に設定される

1.19178: 3つ目の価格目標は、標準的なピボットポイント手法を用いて算出された週足の抵抗線（R3）を表す1.19178に設定される。

1.20922: 追加の価格目標は、1.14178から1.12094までに引いたフィボナッチ・エクステンションの423.6%に相当する1.20922と推定される。

主要な支持線

売り手が市場を支配した場合、トレーダーは次の4つの重要な支持線に注目する可能性がある：

1.14178: 最初の支持線は、5月26日の高値を表す1.14178である

1.12094: 2つ目の支持線は、5月29日に付けた安値と一致する1.12094に位置する。

1.10646: 3つ目の下値目標は、5月12日に記録された安値に対応する1.10646に設定される。

1.09538: 追加の下値目標は、3月18日に記録された日足高値を反映する1.09538に見られる。

ファンダメンタル

連邦準備制度理事会（FRB）は、堅調な経済成長、強い労働市場、依然として高いインフレ率を理由に、連邦基金金利を4.25%～4.50%で据え置いた。見通しに関する不確実性は軽減されたものの、依然として高い水準にある。FRBは、最大雇用と2%のインフレ率という二重の使命への取り組みを再確認した。委員会は、バランスシートの縮小を継続し、今後の金利決定の指針とするため、入ってくるデータを監視していく。すべての委員が政策姿勢に賛成票を投じた。

一方、ECBは、インフレ率と経済予測の改善を理由に、6月に25ベーシスポイントの利下げを実施した。インフレ率は、以前の予測から下方修正され、2025年に2%の目標に達し、2027年までその水準で推移すると予想されている。

結論

週が進むにつれ、主要通貨ペアの値動きは明確なシグナルを継続して示している。主要な領域においてテクニカル的展開が進行中で、特にEUR/USDは持続的な上昇トレンドを受けて注目されている。トレーダーはチャート構造、トレンドシグナル、および市場の両側における潜在的な注目水準に引き続き注目している