GBP/USDは慎重な姿勢を維持しつつ上昇を継続

GBP/USD は、好調なモメンタムインジケーターと中期的な強気パターンに支えられ、テクニカル面でも好材料に恵まれた環境の中で取引が続いている。しかし、モメンタムオシレーターにおける負の乖離など、潜在的な疲弊の兆しが見られるため、当面は慎重な見方が必要とみられる。英国と米国の金融政策は引き続き引き締め基調にあるため、重要な支持線と抵抗線周辺の今後の値動きが、本通貨ペアが上昇を継続するか、あるいは調整局面に入るかを決定する重要な要素となるだろう。トレーダーは、次の方向性バイアスが形成される中で、マクロ経済指標の動向とテクニカルサインに注意深く監視する必要がある。

影響の大きい経済イベント

金曜日 9:00 (GMT+3) – 英国: 小売売上 前月比 (GBP)

チャート分析

1月13日に1.20987でサイクル安値を付けた後、GBP/USDは安値から高値まで12%以上上昇し、年初来の高値である1.36315を記録した。この反転は、前後の下落トレンドを崩す典型的なフェイラースイングパターンによって引き起こされ、上昇トレンドへの転換の始まりを暗示した。

この方向転換の確証は、20日指数平滑移動平均線（EMA）が50日EMAを上回る「ゴールデンクロス」の形成によりもたらされた。この現象は、トレンド追従モデルにおいて通常、建設的な中期的なシグナルとして解釈される。

テクニカルインジケーターは引き続き強気バイアスを後押ししている。モメンタムオシレーターは100のしきい値を上回って高水準を維持しており、相対力指数（RSI）も50の中立線を上回って堅調に推移しており、いずれも上昇傾向が持続することを示唆している。

ただし、価格とモメンタムオシレーターの間で発生している負の乖離は、注意深く監視する必要がある。この乖離は、上昇の背後にある内部の弱さを反映している可能性があり、短期的に調整局面や修正的な下落のリスクを高める可能性がある。

主要な抵抗線

買い手が市場を支配し続ける場合、トレーダーは次の4つの潜在的な抵抗線に焦点を移す可能性がある：

1.35528: 最初の抵抗線は、標準的な手法を用いて計算された週足のピボットポイント（PP）と一致する1.35528 である

1.36315: 2つ目の価格目標は、6月13日に記録された日足高値を表す1.36315に設定される。

1.37289: 3つ目の価格目標は、標準的なピボットポイント手法を用いて算出された週足の抵抗線（R2）を表す1.37289に設定される。

1.38263: 追加の価格目標は、標準的なピボットポイント手法を用いて推定された週足の抵抗線（R3）と一致する1.38263と推定される。

主要な支持線

売り手が市場を支配した場合、トレーダーは次の4つの重要な支持線に注目する可能性がある：

1.33819: 最初の支持線は、6月19日の安値の1.33819である。

1.31390: 2つ目の支持線は、6月12日に記録した安値と一致する1.31390に位置している。

1.30135: 3つ目の下値目標は、3月20日に記録された日足高値に相当する1.30135に設定される。

1.26804: 追加の下値目標は、1.20987から1.36315までに引いたフィボナッチ・リトレースメントの61.8%に相当する1.26804付近に見られる。

ファンダメンタル

イングランド銀行の金融政策委員会（MPC）は6月、金利を4.25％に据え置くことを決定した。この決定には6人が賛成し、3人が0.25％の引き下げを支持した。過去2年間で物価上昇率は大幅に低下したが、2025年後半にかけて3.4％前後で推移すると見込まれており、依然として2％の目標を上回っている。

イギリスの経済成長は依然として鈍化しており、雇用市場にも緩やかな兆候が見られる。賃金上昇率は鈍化しており、これが時間をかけてインフレ率の低下に寄与する可能性がある。ただし、リスクは依然として存在しており、特に世界的なエネルギー価格の上昇と地政学的な緊張が懸念されている。

銀行は、当面は金利を高い水準に維持し、物価上昇率が継続的に低下するよう努める方針す。今後の金利変更は、経済と物価の動向次第となる。

2025年6月19日、連邦準備制度理事会（FRB）は、主要政策金利を4.25%から4.5%の範囲で据え置くことを決定した。米国経済は堅調なペースで成長を続けており、雇用市場は低失業率を維持する強い状態が続いている。物価上昇率は依然としてやや高水準だが、徐々に改善傾向にある。

経済見通しに関する不確実性は緩和されたものの、連邦準備制度理事会（FRB）は依然として慎重な姿勢を維持し、入ってくるデータを注意深く監視している。FRBは、政府債券と住宅ローン担保証券の保有高を継続的に削減する方針であり、必要に応じて政策を調整し、低インフレと最大雇用という目標を支援していく予定だ。

結論

GBP/USD は、テクニカルおよびファンダメンタルの動向が引き続きこの通貨ペアを後押ししており、1 月の安値から上昇基調を延長していることから、最近の相場で注目されている。英国と米国の金融政策は引き続き引き締め基調であるため、トレーダーたちは、か値動きら、上昇モメンタムの衰えや継続の兆候がないか注意深く見守っている。重要な支持線と抵抗線が作用する中、モメンタムインジケーターと中央銀行のシグナルが、次の方向性を決定する要因となるだろう。