2024年7月12日 | FXGT.com
2020年以来初の前月比マイナスインフレ指標に市場は反応
- 米国の最新インフレデータ:6月の消費者物価指数(CPI)は、ヘッドライン・インフレ率が前年同月比3.0%と予想の3.1%を下回り、5月の3.3%から低下した。コア・インフレ率は前年同月比3.4%で安定した。前月比インフレ率は-0.1%のマイナスとなり、予想の0.1%上昇とは対照的であった。2024年6月の前月比インフレ率がマイナスとなったのは、2020年5月以来のことである。
- 分析と示唆:CPIインフレ率は3か月連続で低下した。このCPIインフレ率の低下傾向は、労働市場の冷え込みと相まって、FRBに利下げを早急に検討するよう圧力をかけている。にもかかわらず、パウエルFRB議長は、利下げを行う前に、インフレ率が目標である2%に向かっていることを示す、より実質的な証拠が必要であると繰り返した。
- 利下げ確率:9月の利下げに対する市場の期待は、最新のCPIデータを受けて急上昇した。CMEのFedWatchツールは、9月の利下げ確率を前日の73%から92%に引き上げている。パウエル議長は、経済の混乱を避けるため、政策決定におけるタイミングの重要性を強調した。市場の楽観論にもかかわらず、FRBは慎重な姿勢を崩しておらず、今後の決定はこれから出てくる経済データに大きく依存している。
- 市場の反応:
- 米国株式市場:S&P500やナスダックなどの主要株価指数は、CPI(消費者物価指数)発表後に最高値を更新した。しかし、利益確定売りが相次ぎ、ハイテク株離れが加速した。持続的な成長に対する懸念や、セクターの業績がまちまちだったことも下げの一因となった。
- 米ドル:ドルインデックス(DXY)は104.40まで下落し、6月上旬以来の安値となった。利下げ観測が高まる中、ドルの魅力が低下したことを反映している。
- ゴールド:ゴールド価格は、FRBの利下げ期待とドル安に牽引され、1オンスあたり2,400ドルを超えて急騰した。
- USD/JPYとEUR/USD:為替介入への思惑から円は対ドルで急騰し、ユーロは1.0880ドルと6月上旬以来の高値まで上昇した。この動きは、米国の最新のインフレデータとFRBの見通しに対する為替市場の幅広い調整を反映している。
- 今後の米国データ:トレーダーと投資家は、インフレ動向についてさらなる洞察を提供するPPIデータを注視している。PPIデータは、ミシガン大学消費者景況感調査とともに、市場の期待や今後のFRBの政策決定に影響を与える可能性がある。
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