NZD/USD、世界的な不透明感の中、弱気トレンドへ

NZD/USDは9月下旬以降、「デッドクロス」やモメンタム指標の低下といったテクニカルシグナルに後押しされ、弱気基調で推移している。 この傾向は、世界貿易のダイナミクスの変化や、RBNZと連邦準備制度理事会（FRB）の金融政策への対応の相違など、幅広い経済の不確実性を反映している。これらの要因が相俟って、通貨ペアの複雑な見通しを形成している。

水曜日 2:30 (GMT+2) – オーストラリア: GDP 前期比 (AUD)
水曜日 15:15 (GMT+2) – 米国: ADP非農業部門雇用者数変化 (USD)
水曜日 17:30 (GMT+2) – 米国: ISMサービス業PMI (USD)
木曜日 15:30 (GMT+2) – 米国: 失業保険申請件数 (USD)
金曜日 15:30 (GMT+2) – カナダ: 雇用変化 (CAD)
金曜日 15:30 (GMT+2) – 米国: 非農業部門雇用者数変化 (USD)

9月30日に0.63775の高値をつけて以来、ニュージーランドドル（NZD）は米ドル（USD）に対して大幅な下落を経験している。この下落は、弱気モメンタムの持続を示唆するテクニカル指標の組み合わせに影響されている。特に、ローソク足の反転パターンである流れ星出現は、買い手が上昇トレンドを維持できないことを示し、下落トレンドの始まりを示唆した。
弱気の見通しを裏付ける重要なテクニカル指標である20日および50日の指数平滑移動平均線（EMA）を割り込んだことで、下落は一段と強まった。さらに、短期の20日EMAが長期の50日EMAを下回るクロスオーバーは「デッドクロス」パターンを形成し、マイナスのモメンタムをさらに強めた。モメンタムオシレーターと相対力指数（RSI）はともに、それぞれの基準値である100と50を下回り、下降トレンドを裏付けている。

買い手が相場を掌握した場合、トレーダーは以下の4つの潜在的な抵抗線に焦点を移す可能性がある：
0.59277: 最初の価格目標は、11月29日にマークされたスイング高値に対応する0.59277となる。
0.60178: 2つ目の抵抗線は、標準的なピボット・ポイントの方法論を用いて推定された週足のレジスタンス（R2）と、高値0.63775から安値0.57959までに引いたフィボナッチリトレースメントの38.2%に一致する0.60178と定義される。
0.60864: 3つ目の価格目標は、標準的なピボットポイントの手法で算出した週足のレジスタンス（R3）と一致する0.60864となる。
0.61550: 追加の価格目標は、高値0.63775から安値0.57959までに引いたフィボナッチリトレースメントの61.8%を反映する0.61550に設定される。

売り手が相場の主導権を維持する場合、トレーダーは以下の4つの主要な支持線に注目する可能性がある：
0.57959: 最初の支持線は、11月26日にマークされたスイング安値を表す0.57959に設定されている。
0.57459: 2つ目の支持線は、標準的なピボットポイントの手法を用いた週足のサポート（S2）と一致する0.57459にある。
0.56959: 3つ目の下値目標は、標準的なピボットポイント法を用いて算出した週足のサポート（S3）に一致する0.56959である。
0.55826: スイング安値0.57959からスイング高値0.59277までに引いたフィボナッチエクステンションの261.8%を反映する0.55826がさらなる下値目標となる。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によって報じられた通り、ニュージーランド準備銀行（RBNZ）は、米中貿易戦争を含む世界的な貿易の混乱の可能性に備えている。ドナルド・トランプ次期米大統領の関税提案を受けて、インフレと経済変動の懸念が高まっている。
RBNZのクリスチャン・ホークスビー副総裁は、今後のショックにうまく対処するためにインフレを安定させることの重要性を強調した。中央銀行は最近、成長を支えるために金利を引き下げたが、インフレの急上昇、貿易の混乱、金融不安などのリスクを注意深く監視し、経済を守ることを目標としている。
一方、米国の10月の求人数は774万人と予想を上回ったが、雇用者数は南東部での労働争議や暴風雨の影響で531万人に減少した。失業者数に対する求人数の比率は1.1に上昇し、2022年の高水準からの労働市場のシフトを反映した。
レイオフは減少し、希望退職者は333万人に増加。しかし、非農業部門雇用者数の伸びはわずか12,000人で、2020年12月以来の低水準となった。
米連邦準備制度理事会（FRB）はこれらの動向を注意深く監視しており、潜在的な労働市場の弱点に対処するため、今月末に金利を引き下げるだろうと予想されている。

NZD/USD相場は、「デッドクロス」のようなテクニカルパターンとマクロ経済の不確実性に影響され、弱気のモメンタムが持続しており、引き続き圧力を受けている。主要な抵抗線と支持線が市場のピボットとなる可能性を浮き彫りにする一方、貿易政策の変化、RBNZの戦略、米国の労働市場のダイナミクスといったグローバルな要因が、見通しに複雑さを加えている。今後の値動きを形成する可能性のあるインパクトの大きい経済イベントが控えているため、トレーダーは引き続き警戒する必要がある。