決算前に株価が下がる理由はなぜ？ 好決算で売られすぎた銘柄のその後も解説 

結論からいえば、決算前に株価が売られる理由は利益確定売りや地合いの悪さがあります。そして、決算前に株価が下がった際にどのように対応するか知っておくことも重要です。

本記事では、決算前や決算後に株価が売られる理由、決算後の株価の値動きなどについて詳しく解説します。決算前に株価が下がってどう対応すべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

決算前になると株価が下がることがあります。株を売買する際、決算発表は企業の業績を公開する重要なイベントのため、決算発表後ならまだしも決算前に株価が下がることについて不思議に感じる人もいるでしょう。

決算発表前に株価が下がる原因は主に4つあります。

1. 利益確定売り
2. 地合いが悪い
3. 決算発表前のポジション整理
4. 大口の投資家による決算前のふるい落とし

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

1.利益確定売り

1つ目は利益確定売りです。

利益確定売りとは、株価の上昇を受けて投資家が利益を確定させるために株を売却することです。

決算発表前に株価が上昇した際にそのまま株を保有し続けた場合、決算発表の結果が悪ければ、株価が下がってしまう可能性があります。

そこで、決算前に確実に利益を確保するために売却する投資家もいます。

2.地合いが悪い

2つ目は、地合いが悪いです。

地合いが悪い場合、決算の発表を待たずに株価が下がることも珍しくありません。

地合いとは、株式市場全体や業界全体の状態のことを指します。取引が活発で株価が上昇傾向にあれば「地合いが良い」、反対に取引があまり行われずに株価も下落傾向にある場合は「地合いが悪い」と言います。

株式市場や業界全体の景気が悪化すると、ほかの企業の株式と同様に株価が下落しやすくなるのです。

3.決算発表前のポジション整理

1つ目は利益確定売りです。

利益確定売りとは、株価の上昇を受けて投資家が利益を確定させるために株を売却することです。

決算発表前に株価が上昇した際にそのまま株を保有し続けた場合、決算発表の結果が悪ければ、株価が下がってしまう可能性があります。

そこで、決算前に確実に利益を確保するために売却する投資家もいます。

2.地合いが悪い

2つ目は、地合いが悪いです。

地合いが悪い場合、決算の発表を待たずに株価が下がることも珍しくありません。

地合いとは、株式市場全体や業界全体の状態のことを指します。取引が活発で株価が上昇傾向にあれば「地合いが良い」、反対に取引があまり行われずに株価も下落傾向にある場合は「地合いが悪い」と言います。

株式市場や業界全体の景気が悪化すると、ほかの企業の株式と同様に株価が下落しやすくなるのです。

3.決算発表前のポジション整理

4つ目は大口の投資家による決算前のふるい落としです。

大口の投資家が現在の株価でそのまま株を購入せずに、決算前に株価をふるい落とす理由は、安く株を購入してたくさんの利益を得るためです。

大口の投資家が株価を下げた後、もともと株を保有していた個人投資家は、損失の拡大を防ぐために持っている株を売却しようとします。

個人投資家の売りが殺到して株価が十分に下がれば、大口の投資家は安く株を購入できるようになります。

さらに決算を迎えて良い結果が発表された場合、たくさんの株を保有している大口の投資家は多くの利益を得られるでしょう。

決算後に株価が下がることは珍しくありません。決算後に株価が下がる理由を挙げると以下の5つがあります。

1. 業績が期待されたよりも良くなかった
2. 特定の事業部門の業績が悪化した
3. 好業績が織り込み済みだった
4. 予想よりも決算が悪かったことによる失望売り
5. 多くの個人投資家がモメンタム系の手法を好むため

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

1.業績が期待されたよりも良くなかった

好業績でも売上や利益率などが期待を下回った場合や期待していた業績予想の上方修正がなかった場合は、株価が下がることがあります。

その理由は、主に2つあります。

期待を裏切られたと投資家が感じた

売上や利益率の伸びの鈍化により将来の成長に懐疑的になった

投資家は過去や現在の業績だけでなく、将来性も判断して株を買う傾向があるため、将来的な成長に陰りが生じた場合、株を売却しようとするのです。

2.特定の事業部門の業績が悪化した
投資家は、決算において会社自体の業績だけでなく、特定の事業部門の業績が悪化した場合も株を売却しようとすることがあります。

なぜなら、その会社の将来性に対して不安を感じるので、投資を続けても多くの利益を期待できないと感じるからです。

例えば、近年注目されている半導体企業のエヌビディア（NVIDIA）は、2024年5月〜7月期の決算発表で、売上が1年間で2倍以上になるなど業績は引き続き強い結果だったにも関わらず、株価が6％も下落しました。

その理由は、エヌビディアの売上の8割以上を占めるデータセンター事業の四半期成長が+16.4%と、前四半期の+22.6%に比べて大きく鈍化したからです。

このように会社の業績が良くても事業の核となる部門の内容が良くなければ、株価が下落する恐れがあります

3.好業績が織り込み済みだった

決算が好業績でも株価が下がる織り込み済みの状態になることは珍しくありません。

このような現象は、好業績が既に予想されていて、決算発表がほぼ予想された売上や利益率と変わらなかった場合に起きます。

投資家は決算の発表前から好業績を期待して株を買ったものの、予想とたいして変わらなければ、十分上昇したと判断して株の利益を確保する動きを見せるのです。

4.予想よりも決算が悪かったことによる失望売り

決算が市場の予想を下回った場合、投資家が失望感から株を売却する失望売りにつながることがあります。

投資家が失望売りをする理由は、決算前に業績に高い期待を持っていたにもかかわらず、

決算発表でその期待が裏切られると、将来の成長性や収益性に対する信頼が揺らぐからです。

また、決算の悪化により株価が下落した後も株を保有し続けていると、損失が拡大する恐れがあります。

その結果、決算が悪ければ、発表後すぐに株価が下落しやすくなります。

5.多くの個人投資家がモメンタム系の手法を好むため<

多くの個人投資家は勢いのある銘柄を買うことで短期的な利益を狙うモメンタム系の手法を好みます。

決算が近づくと特定の銘柄に人気が集中して株価が上昇することがあります。しかし、決算発表が期待外れだった場合、一斉に売りが出されることが多いので、株価が急落するケースが珍しくありません。

株を長期間保有していてそのまま持ち続けて良いか、決算で下がる銘柄を購入して損をしたくない人もいるでしょう。

そこで、ここからは決算後に株価が下がる傾向のある銘柄の特徴を2つ紹介します。

1. 信用買い残が多い銘柄
2. 決算発表前の株価と25日移動平均線の乖離率を見る

それぞれの銘柄の特徴を順番に見ていきましょう。

1.信用買い残が多い銘柄

発行済み株数の10%を超えるような信用買い残がある銘柄は、以下のような理由から決算が良くても売られる可能性があります。

• 需給バランスが崩れやすくなる
• 信用買いの株が将来的に売られる可能性がある
• 多くの投資家が株価の上昇を期待している

信用買い残が多いと、崩れた需給バランスの解消に時間がかかるので、株価が上昇しにくくなります。

さらに、信用買い残が多いことは、将来的にその株が売られる可能性があることを視野に入れなくてはなりません。また、信用買い残が多い銘柄は、投資家が将来の株価上昇を期待していることが多いです。

よって、決算の結果が悪いと、失望感から急激に売られることがあります。

2.決算発表前の株価と25日移動平均線の乖離率を見る

決算発表前の株価と25日移動平均線の乖離率を見るようにしましょう。

乖離率とは、株価が移動平均線からどれだけ離れているかを示す指標のことです。

通常、株価が移動平均線より大幅に上回っている場合、投資家の期待が高まっていることを示唆します。

ただし、乖離率が高い（15%以上）場合、好決算が既に織り込まれている可能性を視野に入れなければなりません。

というのも、投資家はすでに好決算を予想して株を買い進めている可能性があるので、決算が良くても株価が上昇する余地がない可能性があるからです。

また、投資家は好決算を確認した後に利益を確保しようとした場合、株価が下がっていきます。

株価と25日移動平均線の乖離率が15％を超える株を売買する際は、慎重に検討しましょう。

ここからは、決算前後の取引でよくある疑問に回答します。決算前後に株を売買しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

好決算で売られた銘柄はその後も下落しますか？

好決算で売られた銘柄でも、株価が低迷するケースと株価が回復するケースがあります。

株価が低迷するケースは、決算が予想を下回った場合や将来の業績悪化が予想される場合です。また、業界全体の景気が悪化している場合や、金利の変動によることもあります。

一方で、利益確定売りによる下落や市場全体が上昇トレンドの場合、中長期的に成長する見込みがあると投資家に判断された場合は、決算で売られた後に株価が回復することもあります。

株を決算前に仕込むのと決算後に買うのはどっちが良いですか？

株を決算前に仕込むのと決算後に買うのはどちらも一長一短があります。

決算前に株を仕込む場合、決算が良好であれば株価が急騰しますが、反対に決算が悪ければ株価が急落します。

決算後に買う場合、市場の反応を見てから購入できるので安全に投資ができます。しかし、株価が急騰した後に購入することになるので、利益確定売りによる株価の下落に巻き込まれる恐れがあるでしょう。

どちらもメリット・デメリットがあるので、ご自身のリスク許容度や投資スタイルに応じて対応を検討しましょう。

決算前に株価が上がることがあるのはなぜですか？

決算前に株価が上がることがある理由は、企業の業績が改善しているという情報や噂が市場に流れたことをきっかけに投資家が株を購入することがあるからです。

また、多くのアナリストが楽観的な予想をしている場合も、良い決算を期待した投資家によって株が買われることがあります。

決算が悪いのに株価が上がることはありますか？

短期的には業績が悪化していても長期的な成長見通しが評価されている場合は株価が上がる可能性があるでしょう。

また、エネルギー価格の変動や金融政策の変化により収益が増えた場合も株価が上がる可能性があります。

株価と業績は関係ないというのは本当ですか？

株価と企業の業績は関係ないとまではいえません。しかし、業績が悪くても株価が高い会社や業績が良くても株価が低迷する会社もあります。

その理由は、株価が企業の業績だけでなく、投資家の期待、業界の景気、金利などさまざまな要因によって決まるからです。また、投資家が持っている情報が必ずしも正確ではないこともあるので、株価が実態よりも高く評価されたり低く評価されたりすることも珍しくありません。

決算前から株価が下がる場合、利益確定売りや地合いの悪さなどの理由があります。また、決算が投資家の期待を裏切る内容だった場合は、株価が下落しやすくなります。

初めから長期で株を保有する予定がない場合は、損失のリスクを抑えるために決算前にポジションを減らしておきましょう。

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