銅の取引方法とは？ 特徴や手法、今後の見通しを解説

銅は、年々需要が高まっている金属のため、将来性を期待して購入したい人もいるのではないでしょうか？

また興味はあっても、どのような取引方法を選択すべきか悩んでいる人もいるかもしれません。

本記事では、銅の概要や価格に影響を与える要因、主な取引方法をご紹介します。銅取引を始める予定の人は、ぜひ参考にしてください。

銅は、赤褐色色の金属です。電気伝導性と熱伝導性が高い、金や銀よりも安価で手に入るといった特徴があることから、電気の配線や電気通信関連などのインフラ整備に多く使われています。

そのため、銅価格は世界の景気動向を示すドクター・カッパーと呼ばれているほど注目度の高い金属です。

近年では、太陽光発電、風力発電、EV車、AIなどにも銅が大量に使われるようになりました。

例えば、EV車に使われるモーター・バッテリー・配線には、エンジン車の4倍にあたる80～90kg、EV車の急速充電器には1台あたり8kgの銅が使用されています。

欧州連合が2035年までにエンジン車の新車の販売禁止を打ち出していることや米国のカリフォルニア州では全ての新車をEVや燃料電池車にすることを目標に掲げるなどしていることから、多くの国や企業は銅を確保しようとする動きを見せています。

また、日本も世界6位の年間採掘量を誇るアフリカ南部ザンビアのセンチネル銅鉱に視察をしたことがあります。

このように、銅は世界的にも注目されている金属です。

FORTUNE BUSINESS INSIGHTSによれば、世界の銅採掘市場規模は、2024年の92億 6,000万米ドルから2032 年までに118 億 6,000 万米ドルに成長すると予測されています。

2023年時点での銅の世界生産シェアは、以下の通りです。

また、米国地質調査所が公表したデータでは、2023年の生産シェアはチリが23％、コンゴが11％、ペルーが12％、中国が8％、米国が5％の順番に続いています。

ただし、近年銅の産出量トップを走ってきたチリは、鉱石品位の低下や干ばつなどの影響で生産量が減少傾向にあります。

チリ銅委員会（コチルコ）が発表した2023年1～12月のチリの銅生産量は、525万1,000トンで、前年比1.4％の減少でした。

一方で、ペルーの2023年の銅生産量は、エネルギー鉱山省の発表によれば前年比12.7％増の270万トン超となっています。

また、2024年時点で銅生産世界最大手の企業は、チリ銅公団（コデルコ）です。ほかに米国のフリーポート・マクモラン社、オーストラリアのBHPグループなどが銅生産大手企業として知られています。

銅価格に影響を与える要因を挙げると、以下の5つがあります。

1. 銅の供給状況
2. 銅の在庫量
3. 世界の経済状況
4. 代替金属の供給やコスト
5. ドルの値動き

銅を取引するなら、銅価格に影響を与える要因を理解しておくことは重要です。それぞれの要因が銅価格に与える影響について詳しく見ていきましょう。
1.銅の供給状況
銅の供給状況は、同価格に大きな影響を与えます。

労働者によるストライキや自然災害、政情不安などが起きると、銅の産出量が大きく下がる可能性があります。

新たな鉱山の開発や拡張には多額の費用がかかるため、供給をすぐに増やすのは困難です。

銅の需要が増加している状況で供給不足になった場合は、銅価格が上昇する可能性があります。
2.銅の在庫量
銅の在庫量は、銅の価格に大きな影響を与えます。在庫が充分にあれば、需要増加にも対応できるため、銅価格の上昇は緩やかになるでしょう。

しかし、銅の在庫量が少なくなった場合、少しの需要増加でも銅価格は上昇しやすくなります。

ブルームバーグで2024年7月11日7時53分に配信された報道によると、10日にロンドン金属取引所（LME）の指定倉庫の銅在庫が19万5475トンと2021年10月以来の高水準を記録したことで、銅相場も上昇しました。

このように銅を取引するなら在庫量も確認しておきましょう。
3.世界の経済状況
世界の経済状況も銅価格に大きな影響を与えます。というのも、経済の好不調と銅の需要には相関関係があるからです。

世界的に好景気の場合、銅を多く使用する産業が活発化するので、銅価格が上がりやすくなります。

その一方で世界的に不景気になると、銅の使用量が減少するため、銅価格も下がりやすくなるでしょう。

実際、以下は銅CFDの価格ですが、信用バブルの時期は銅価格が上がっていますが、リーマンショックやコロナショックなど世界的に経済が冷え込んだ時期は銅価格も下落傾向にあることが分かります。

4.代替金属の供給やコスト
銅の代替金属であるアルミニウムの供給やコストも銅価格に影響を与えます。

なぜなら、銅価格が高騰した場合、企業の担当者はコストを削減するために銅よりも安価で購入できるアルミニウムの導入を検討し始めるからです。

その結果、銅の需要減少を招くため、銅価格が下がる可能性があります。
5.ドルの値動き
銅は、ドルの逆相関の関係にある金属です。その理由は、銅の決済にドルが使われることが多いからです。

ドルが上昇した場合、他の通貨を利用している投資家は、銅を買うのに多くのお金を支払わなければならなくなるので、需要が低下しやすくなります。

反対にドルが下落した場合、他の通貨を利用している投資家は、少ない費用で銅を購入できるようになるので、需要が増加しやすくなります。

そのため、銅価格の上昇につながるのです。

銅を取引する方法は5つあります。

1. 銅関連銘柄
2. ETF
3. CFD取引
4. 先物取引
5. オプション取引

それぞれの取引方法の特徴について順番に見ていきましょう。
1.銅関連銘柄
銅に関連する銘柄を購入すれば、利益を得られる可能性があります。銅関連銘柄は、証券会社や一部の海外FX業者で購入可能です。

代表的な銅関連銘柄を挙げると、以下の通りです。

• 住友金属鉱山
• 三菱マテリアル
• 三井金属

また、外国株の取引が可能な証券会社であれば、BHPビリトンやサザン・コッパーといった株式を購入できるでしょう。

2.ETF

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略称で、日本語では上場投資信託のことです。

一般的な投資信託とは異なり、取引所に上昇しているので、開場している時間ならリアルタイムに売買ができます。

ETFは、証券会社や一部の海外FX業者で取引可能です。

代表的な銅ETFを挙げると「WisdomTree 銅上場投資信託」があります。

3.CFD取引

CFD取引は、差金決済取引と呼ばれている方法です。

現物の受け渡しをせずに購入時と売却時の差額だけでやり取りする取引のことです。

CFD取引をする際には、担保となる証拠金を用意する必要があります。ただし、レバレッジをかけることで、少額からの取引もできます。

また、買いだけでなく売りから入ることもできるので、銅価格の下落局面でも利益を狙えるでしょう。

CFD取引をしたい場合は、証券会社やFX業者の口座が必要です。

4.先物取引

先物取引とは、あらかじめ将来の決められた期日に取引時に決めた価格で売買することを約束して行う取引方法です。

例えば、5月31日に満期日が10月31日の銅先物を1gあたり1,500円で100g（購入合計額は15万円）購入したケースで考えてみましょう。

そして満期日である10月31日になったら、当初の約束通り15万円の価格で銅を購入します。

満期日の時点で銅の価格が1gあたり2,000円に値上がりしていた場合、差額の500円が利益となります。

（2,000円-1,500円）×1g=500円の利益

一方で、満期日の時点で銅の価格が1gあたり1,200円に値下がりしていた場合、差額の300円が損失となるので注意が必要です。

（1,200円-1,500円）×1g=300円の損失

先物取引では、満期日前に売却することはできますが、満期日になったら必ず決済をしなければなりません。

したがって、長期の投資には向いていない方法です。

5.オプション取引

オプション取引とは、あらかじめ将来の決められた期日に指定した価格で商品を買ったり売ったりする権利を売買することです。

したがって、10月1日に銅を3万円で購入する権利を買うといったような契約をします。

オプション取引をする場合、買い手の損失は限定される一方で、売り手の損失には上限がない点です。

オプションを売った場合、投資した金額以上に損失が発生する恐れがあるので注意が必要です。

ただし、先物取引よりも短期間に大きな資産を得られることもあります。

銅の需要は高く将来的にも値上がりする可能性がある H2

銅の需要は高く、市場規模が2032 年までに118 億 6,000 万米ドルに成長する予測がある

ため、将来的に値上がりする可能性があります。

現在の銅価格下落傾向にありますが、4,000ドル付近にトレンドラインのサポートがあります。

トレンドラインを押し目に大きく上昇していく可能性があるでしょう

銅を取引するならCFD取引がおすすめ！

銅は太陽光発電、風力発電、EV車、AIなどにも多く使われていることから、将来的に需要がさらに増える可能性があります。

銅の取引方法はいくつかありますが、おすすめはCFD取引です。CFD取引なら売りから入れる、レバレッジをきかせることで少額から多くの利益を狙えるといったメリットがあります。

CFD取引を始めたい場合は、証券会社やFX業者の口座を開設しましょう。

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