重要なお知らせ!
当社では、お客様が当社ウェブサイト上で最高の体験を得られるようにクッキーを使用しています。
お客様は、「同意する」をクリックすることにより、当社の クッキーに関する方針
「原油価格と金価格は関係があるの?」「原油と金の価格に相関関係があるか知りたい」と考えていませんか?
長い間、原油価格と金価格には相関がありましたが、近年はこの傾向が崩れています。また、2025年以降、原油価格と金価格がどうなるか注目している人もいるでしょう。本記事では、原油価格と金価格の関係性や今後の見通しについて詳しく解説します。
昔から原油価格と金価格には関係性があるといわれていました。その背景には主に以下の2つがあります。
それぞれの点について順番に見ていきましょう。
原油や金の取引は、ほとんどがドル建てで行われるため、ドルの強弱が原油価格や金価格に影響を与えることがあります。
ドル安になった場合、海外の投資家は金と原油を安く買えるため、需要が増加します。一方で、ドル高になると、海外の投資家から見て割高に感じるため、需要が減少することが多いです。
社会情勢が不安定になると、原油価格と金価格の両方に大きな影響があります。
中東などの原油産出国で紛争や政治的不安定が生じると、原油の供給に不安が生じ、原油価格が上昇しやすくなります。不安定な情勢下により投資家が原油先物市場で投機的な取引を行う結果、値動きが大きくなることもあるでしょう。
また、通貨価値が不安定になることで投資家はリスクを回避するため、安全資産とされる金への需要が高まります。
これまで原油価格と金価格が相関する動きを多く見られていました。
原油価格と金価格が同じような動きをした過去の事例を挙げると、主に以下の4つがあります。
それぞれの事例について順番に見ていきましょう。
1つ目は1970年代〜1980年にかけて発生したオイルショックです。
1970年代前半の原油の価格は2〜3ドル前後でしたが、OPEC(石油輸出国機構)が原油価格を11.65ドルまで引き上げたことが原因で、世界的なエネルギー危機が発生しました。原油価格の急騰に伴い、投資家はインフレヘッジとして金に注目し、金価格も1グラムあたり825円から1,710円まで急騰しています。
また、OPECが原油価格を引き上げた第二次オイルショック(1979年~1980年)やイラン革命・イラン・イラク戦争の始まりにより、原油価格は14ドル前後から30ドル以上まで高騰しています。
金についても1979年から1980年にかけて金価格は235ドル前後から一時872ドルまで上昇しました。
2つ目の事例は湾岸戦争(1990年-1991年)です。
クウェート侵攻のあった1990年8月には、原油価格が数ヵ月前の1バレルあたり15ドル前後から25ドルへ、その後35ドルまで上昇しました。金についても数ヵ月前は350ドル台後半でしたがクウェート侵攻時は395ドルまで上昇しています。
ただし、クウェート侵攻後に金の価格は395ドルから下落し始め、イラク戦争勃発時は385ドル、1991年6月頃には360ドルを割りました。原油については、クウェート侵攻後も上昇し続けていたものの、下落に転じイラク戦争勃発時には25ドルを割っています。
この事例からは、戦争の予兆が起きたイラクのクウェート侵攻のタイミングでは金と原油の価格はどちらも上昇したものの、侵攻後にはタイミングの違いはあれどちらも下落に転じていることがわかります。
3つ目の事例は2008年の金融危機です。
原油価格は2008年7月11日に史上最高値である1バレルあたり147.2ドルをつけましたが、金価格についても2008年3月の時点で1オンス1,000ドルを超えていました。
しかし、2008年12月に原油価格は30ドル台、同年11月には金価格も700ドル台まで下落しています。
リーマンブラザーズが破綻したことが9月であることを考えると、金も原油も金融危機による世界経済の急激な冷え込みがいち早く価格に反映されたといえるでしょう。
4つ目は中東の政情不安と主要先進国の量的緩和政策です。
2011年初めにチュニジアから始まった民主化運動が中東・北アフリカ諸国に波及し、原油相場に大きな影響を与えました。特にリビアでの政情不安激化は石油供給途絶懸念を高め、2011年2月22日の米国原油先物市場でWTI原油価格が1バレルあたり93.57ドルまで上昇しました。
金価格についても同時期から徐々に価格が上昇しており、9月には当時の史上最高値である1バレル1,800ドル台をつけます。
また、同時期に原油や金が上昇した理由として、主要先進国による量的緩和政策の影響もありました。
量的緩和政策により金利が低くなったことで、金や原油を安く買えるようになり、需要が増加したため、どちらも上昇しています。
もともと原油価格と金価格は相関関係にあるといわれており、原油が上昇すれば金も上昇、原油が下落すれば金も下落することが多くありました。
しかし、2014年以降は原油価格と金価格が相関しないケースが増えています。
それぞれのケースについて順番に見ていきましょう。
2014年6月に1バレルあたり105ドルを超えていた原油価格でしたが、2016年2月には30ドル前後まで落ち込みました。
原油価格の急落要因は、2014年10月に米国の大規模な金融緩和が終了し、原油需要の減少が懸念されたこと、米国でのシェール革命により原油供給が増加したことです。
一方、金価格の値動きは原油価格とは異なっています。原油価格と同じように下落はしていたものの、何度か大きく上昇する局面もありました。
原油価格の急落が「世界経済に悪影響を与えるリスク」として捉えられたことで、安全資産である金への需要が増加したためと考えられます。
イランは2016年に経済制裁が解除された後、原油生産が再開され、国際市場への供給が増加したため、原油価格は一時下落に転じました。
2016年1月にはWTI原油が1バレル26ドル台まで下落し、2008年のリーマン・ショック以来の最安値を更新しました。
一方、金価格は原油価格とは明らかに異なる値動きを示しており、地政学的リスクやインフレへの期待などもあり、イランへの経済制裁解除後から大きく上昇しました。
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済活動の停滞で、原油価格は歴史的な低水準に落ち込みました。WTI原油価格は一時的にマイナス価格を記録するという前例のない事態が発生しています。
出典:日本経済新聞|2020年4月27日14時30分配信
一方、金価格は「有事の金」としての需要が高まり、急上昇しました。経済が不安定になったことで、多くの投資家は安全資産である金に資金を移したからです。
その結果、同年8月には金価格は当時の過去最高値を更新しました。
2025年の原油価格については、供給過剰の影響を受けて下落する予測が多いようです。
一部のアナリストは、原油価格について米国経済の減速や、OPECプラスによる減産縮小の延期といった要因により、1バレルあたり50ドルまで下落する可能性があると見ています。
一方で金価格については、トランプ政権の政策や地政学的リスクの影響で金は「安全資産」としての需要が高まると見込まれており、引き続き高値圏での推移が予想されているようです。
実際、2023年以降は大きな上昇が続いており、2025年2月10日は2,920ドルを超えています。
専門家のなかには、2025年に金価格が1トロイオンスあたり3,500ドルに達する予測している人もいます。
原油価格と金価格の関係は、長年相関性が高いとされてきましたが、近年ではその関係性が変化しつつあります。ドルの強弱や社会情勢の不安定化が両者に影響を与える一方で、2014年以降は相関しないケースも増加しています。2025年以降の見通しでは、原油価格の下落と金価格の上昇が予測されていますが、世界経済の動向や地政学的リスクなど、様々な要因が価格に影響を与える可能性があります。投資家は、これらの複雑な要因を考慮しつつ、慎重に市場動向を見極める必要があるでしょう。
FXGT.comでは、WTI原油やゴールドのレバレッジ取引が可能です。国内のCFD業者より高いレバレッジで取引できるので、ぜひ、この機会に口座開設してみてください。