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GDPは国の経済活動の状況を見ることができる指標です。とはいえ、GDPの詳しい意味やFXでの使い方について分からない人もいるのではないでしょうか?
本記事では、名目GDPと実質GDPの違いやFXでの使い方を詳しく解説します。経済指標発表時にトレードしている人は、ぜひ参考にしてください。
GDPは、Gross Domestic Productの略称で国内総生産とも呼ばれています。GDPとは、一定期間内に国内で算出された付加価値の総額を表すものです。1934年に米国の経済学者サイモン・クズネッツにより開発されました。
GDPを出すためには、個人や法人が商品やサービスを世の中に出した付加価値の合計額に加えて、政府が使ったお金と輸出額から輸入額を差し引いた貿易収入の合計額を足します。
GDPにより国内でどのくらいの儲けが発生したか分かるため、国の経済活動の状況を見るのに最適な数値といえます。
また、GDPの伸び率は経済成長率を示すので、プラス成長すれば経済が伸びている、逆にマイナス成長した場合は経済が後退していると判断できるでしょう。
GDPには名目GDPと実質GDPの2種類があります。両者の特徴や違いについて詳しく解説します。
名目GDP
名目GDPは、その年の市場価格で生産された全ての商品やサービスの合計値を表すGDPです。
つまり、最終的に提供した商品やサービスの価格から原材料や光熱費といった費用を控除するとGDPを求めることができます。
例えば、ケーキ店の例で説明してみましょう。ケーキの材料を1個1,000円で仕入れて3,500円で売った場合、付加価値は2,500円となります。
3,500円-1,000円=2,500円
仮に年間1万個販売した場合の付加価値合計(名目GDP)は、2,500万円となります。
2,500円×1万個=2,500万円
このようにケーキ店の場合は、ケーキの価格を全て合計すると名目GDPを計算可能です。
そして、名目GDPでは物価の変動が反映される点に注意が必要です。
例えば、2年目にケーキの価格を1個3,500円から4,000円に値上げしたにもかかわらず、売れ行きが好調で年間2万個を販売できたと仮定します。
名目GDPは、1年目と同じように計算します。
付加価値:4,000円-1,000円=3,000円
付加価値合計:3,000円×2万個=6,000万円
よって、2年目の名目GDPは6,000万円となります。
実質GDP
実質GDPとは名目GDPから物価の変動による影響を差し引いたものです。
この説明だけではわかりにくいので、先ほどのケーキ店の例で解説します。
2年目にケーキ店は、ケーキの価格を1個3,500円から4,000円に値上げして、販売個数も1万個から2万個に増加しました。
実質GDPを出す場合、物価の変動すなわちこのケースでは値上げ分の500円は計算に含めません。
つまり、2年目のケーキ店の実質GDPを計算すると以下のようになります。
付加価値:3,500円-1,000円=2,500円
付加価値合計:2,500円×2万個=5,000万円
実質GDPの金額では値上げした分を計算に含まないため、名目GDPの6,000万円よりも1,000万円も低い水準となりました。
このように物価の変動を反映した数値が名目GDP、物価の変動を反映しない数値が実質GDPとなります。
実質GDPは、経済成長率を見る際に活用できます。というのも、名目GDPは金額ベースの数値を見ますが、実質GDPでは消費量を見るためです。
先ほどのケーキ店の例を出すと、名目GDPはケーキの価格を重視していますが、実質GDPはケーキがいくら売れたかを重視していることが分かります。
とはいえ、毎回名目GDPと実質GDPを比較するのは時間がかかる作業です。そこで、経済成長率を見たい場合は、GDPデフレーターと呼ばれる数値も見るようにしましょう。
GDPデフレーターは、名目GDP÷実質GDPで算出できます。
したがって、ケーキ屋の2年目のGDPデフレーターを計算すると以下のようになります。
6,000万円÷5,000万円=1.2
GDPデフレーターが1以上ならインフレ、1以下ならデフレと判断可能です。
FXの相場では、一般的にインフレなら円安、デフレなら円高に進みやすい傾向があるため、GDPデフレーターの数値を見て円安・円高のどっちに動きやすいか予測できるでしょう。
GDPは、一定の周期毎に各国の省庁が発表しています。日本であれば内閣府、米国なら商務省経済分析局が発表しており、FXのニュースとして取り上げられます。
ここからは、米国のGDPと日本のGDPの推移について見ていきましょう。
米国のGDPの推移
以下は1948年〜2024年7月の米国のGDPの推移です。
出典:Tradingview
直近10年で最もGDPが高かったのは、2021年4月の12%、最もGDPが低かったのは2020年4月の−7.5%でした。
さらに遡ってみると、2008年にもGDPがマイナス成長になっています。好景気になれば、GDPが3%以上で推移するのに対して、景気が急速に悪化すると、-2.5%を下回ることがわかるでしょう。
直近の米国のGDPは一時期よりも成長率が低い傾向があります。
日本のGDPの推移
以下は1981年〜2024年7月の日本のGDPの推移です。
出典:Tradingview
直近10年で最もGDPが高かったのは、2021年4月の8%、最もGDPが低かったのは2020年4月の−9.7%でした。
好景気であれば、2.5%以上で推移しやすく、不景気になると-2.5%を下回ることもあります。
直近の日本のGDPを見ると、プラス成長からマイナス成長に転落していることが分かります。プラス成長に回復するか、さらにマイナス成長に傾くのかに注目しましょう。
FXや株のトレードでGDPを見る際は、どのような要因により変動するか確認しておきましょう。
GDPの変動要因は以下の3つです。
経済活動の状態
人口の増減
物価の変動
それぞれの要因について順番に見ていきましょう。
1.経済活動の状態
GDPは経済活動の状態の影響を受けます。
経済活動が活発化すればGDPは増加しますが、逆に経済活動が停滞するとGDPは減少します。
GDPは、新しいテクノロジーの誕生により特定の産業が大きく成長した場合に大きく伸びやすいでしょう。
加えて、米国ではブラックフライデー(11月第4木曜日の感謝祭の翌日)からクリスマスにかけて毎年GDPが高くなる傾向があります。
というのも、米国のGDP(国内総生産)の約7割を個人消費が占めているのに加えて、米国の年末商戦は小売企業の年間売上高の3割~4割を占めるといわれているからです。
景気の善し悪しにより経済活動の状態が変われば、GDPの数値にも表れます。
2.人口の増減
1人あたりGDPに大きく影響を与えるのが人口の増減です。
一般的に人口が増えればGDPも増えやすくなります。なぜなら、人口が多い国ほど、生産活動に従事する人の増加により経済活動が活発になりやすいからです。
その反対に人口が減少すればGDPも下がりやすくなります。
特に、日本のように少子高齢化が進む国では、今後GDPが減少していく可能性が高いでしょう。
3.物価の変動
物価の変動がGDPに影響を与えることがあります。
その理由は、インフレや為替レートの変動、原材料価格の変化により物価が上昇した場合、モノやサービスの価格が値上がりしやすくなるためです。
ただし、物価の上昇により影響を受けるのは、名目GDPのみです。名目GDPの数値が上昇しただけでは、経済成長したとはいえません。
物価の上昇率を差し引いた実質GDPの数値を見て、経済成長しているか判断しましょう。
GDPをFXトレードで活用する際には、以下のポイントが重要です。
GDPの結果を予想や前回の結果と比べる
FX相場では名目GDPよりも実質GDPが重視される
GDPの発表時間を知っておく
速報値を重視して判断する
GDPは雇用統計やCPIほど値動きがない
それぞれのポイントについて順番に見ていきましょう。
1.GDPの結果を予想や前回の結果と比べる
GDPの結果を確認する際は、結果そのものも重要ですが、予想や前回の結果と比べましょう。
というのも、多くの投資家は、予想や前回の結果と比べた上で、売買判断を行うからです。
一般的にGDPの結果は、以下のように動く傾向があります。
GDPの結果 | ドル円の値動きの傾向 |
予想よりも良い数値だった | ドル高円安 |
予想よりも悪い数値だった | ドル安円高 |
前回よりも良い数値だった | ドル高円安 |
前回よりも悪い数値だった | ドル安円高 |
GDPの発表前に、予想や前回の結果も見ておきましょう。
2.FX相場では名目GDPよりも実質GDPが重視される
FX相場では名目GDPよりも実質GDPが重視される点は覚えておきましょう。
したがって、GDPが発表された際に見るべき項目は、実質GDPやGDPデフレーターです。
GDPの結果により売買をする際は、実質GDPを予測しましょう。
3.GDPの発表時間を知っておく
GDPは、速報値、改定値、確報値が一定の周期ごとに発表されます。
例えば、2024年の米国の第2四半期(4月〜6月分)の実質GDPの発表時間を例に挙げると、速報値が7月25日21時30分、改定値が8月29日21時30分、確報値は9月26日21時30分(いずれも日本時間)が発表時間です。
なお、夏時間の発表時間は21時30分ですが、冬時間になると22時30分に変わります。
4.速報値を重視して判断する
米国の場合、GDPは速報値・改定値、改定値の順番で発表されますが、このうち重視するのは速報値です。
GDPは、そもそも過去の経済活動の数字であるため、マーケットを予測する指標には向いていません。
よって、一番早い時期に発表される速報値を重視するようにしましょう。
5.GDPは雇用統計やCPIほど値動きがない
GDPはマーケットの予測ができる指標ではないので、雇用統計やCPIほど動きません。
実際に米国の実質GDPの結果と発表30分後までのドル円の最大値幅を見てみましょう。
米GDP発表日 | 実質GDPの結果(かっこは予想) | 発表30分後までのドル円の最大値幅 |
2024年7月(速報値) | 2.8%(2.0%) | 1円の円安 |
2024年6月(確報値) | 1.5%(1.4%) | 0.2円の円高 |
2024年5月(改定値) | 1.3%(1.3%) | 0.3円の円高 |
2024年4月(速報値) | 1.6%(2.5%) | 0.4円の円高 |
2024年3月(確報値) | 3.4%(3.2%) | 0.2円の円安 |
2024年2月(改定値) | 3.2%(3.3%) | 0.2円の円安 |
2024年1月(速報値) | 3.3%(2.0%) | 0.7円の円高 |
ほとんどの場合、0.2〜0.4円ほどしか動かないため、GDPの結果を予想して大きな利益を得るのは簡単ではありません。
景気の先行きを示す住宅着工件数や中古住宅販売件数、個人消費の先行きを示す消費者信頼感指数、注目度が高い雇用統計に比べると重要度は下がります。
ただし、速報値の結果が著しく良かったもしくは悪かった場合は、そこそこ大きな値動きが発生することがあるので、デイトレードやスキャルピングなら十分な利益を得られるかもしれません。
GDPは過去の経済状況を表した経済指標のため、FXの取引では、速報値を重視して見るようにしましょう。
また、名目GDPよりも実質GDPのほうが重要です。経済成長率が前年同時期や前月と比較してどうなったかを見るようにします。
ただし、GDPの発表があっても、そこまで大きな値動きにならないことも多々あります。
あくまでも参考程度に確認するだけで良いでしょう。
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