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スイスフラン円(CHFJPY)は2026年、史上最高値の水準で推移しています。「なぜスイスフランが高すぎるのか」「今後スイスフランがどう動くのか」といった疑問を持っている人も多いでしょう。
本記事ではスイスフラン高の背景や2026年の見通し、スイスフラン取引の注意点を解説します。
近年のスイスフラン高を受け、水準が高すぎると感じる投資家も増えています。
スイスフラン円(CHFJPY)は2026年4月21日に204円台に到達し、史上最高値を更新しました。
2000年頃には1スイスフランが60円台で推移していた時期もあったことを踏まえると、四半世紀で約3倍以上に上昇しました。
2026年に入ってからの値動きを振り返ると、1月時点では196~198円前後だったスイスフラン円は、2月に200円台を突破し、4月には204円台の最高値に達しました。

2026年6月24日時点では200円を割れているものの、依然として歴史的な高値圏にあり、スイスフランが高すぎると感じる人も少なくないでしょう。
また、スイスフラン円だけでなく、ユーロスイスフラン(EURCHF)も1ユーロあたり0.92スイスフランと高い水準です。

そして、米ドルスイスフラン(USDCHF)も0.81スイスフラン前後であり、フランは主要通貨に対して相対的に強い水準で推移しています。

スイスフランが高すぎるのは、スイスフラン高には複数の要因があります。主に以下の3つの理由があります。
それぞれの背景を見ていきましょう。
スイスフランが高すぎる1つ目の理由は、有事の安全資産として世界的に選ばれやすいからです。
スイスは1815年のウィーン会議で永世中立が国際的に承認され、その後も中立政策を維持しています。また、スイス連邦財務省が発表したスイスの財政状況 2023~2024年によれば、財政収支は債務ブレーキ制度(2003年導入)により構造的な均衡が義務付けられており、IMF定義による一般政府グロス債務のGDP比は2024年時点で40.5%となっています。
さらに、格付け会社S&Pは2026年6月時点でスイスをAAAと格付けしており、見通しは安定的です。
こうした健全な財政基盤が、中東情勢の緊迫化など世界的なリスク回避局面でフランへの資金流入を促しています。
2025年から2026年にかけては中東情勢の不安定さが続いており、2026年6月18日のスイス国立銀行の声明においても「中東情勢が依然として不安定である」ことが上昇圧力の一因として言及されています。
スイスフランが高すぎる2つ目の理由は、財政懸念から米ドルへの信認が揺らぎ、金(ゴールド)と並んでスイスフランもドル離れの受け皿として選ばれやすくなっているからです。
2025年以降、米国の連邦債務残高は対GDP比120%を超え、2024会計年度には利払い費が国防裁量的支出を上回っているというデータもあります。
そして、こういった背景は相場にも現れており、金相場が2025年に大幅上昇を記録したタイミングと、スイスフランの上昇が同じようなタイミングで発生しています。

スイスフランが高すぎる3つ目の理由は、スイスフランが買われていること以外に日本円が他の主要通貨に対して売られていることがあります。
日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%へ、2026年6月には31年ぶりに1.0%へと引き上げました。しかし、日本の財政拡張懸念やキャリートレードのための通貨として使われ続けており、対フランでの円売り圧力は根強い状況です。
スイスの政策金利のほうが低いにもかかわらず円が売られている理由は、市場が金利差よりもファンダメンタルズの差を重視しているためです。
スイスは財政健全性が高く貿易黒字も安定している一方、日本は財政拡張への懸念や慢性的な貿易赤字を抱えています。加えて、地政学リスクが高まる局面ではスイスへの資金流入が起こりやすい点も、円売り圧力の一因です。
また、2025年以降はトランプ政権の関税政策を受けたドルへの不安と世界的なリスク回避の高まりにより、安全資産としてのスイスフランの需要がさらに強まり、スイスフラン円が大きく上昇しました。
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スイスフランが歴史的な価格帯と言われながらも上昇が続く背景として、スイス国立銀行(SNB)の金融政策の限界と介入姿勢を理解しておくことが重要です。
スイス国立銀行は金融政策会合を開く回数が年4回(3・6・9・12月)しかない世界でも珍しい中央銀行のため、一度の会合が市場に与える影響が大きい傾向があります。
スイスの政策金利は2024年3月から6会合にわたって連続して引き下げられ、2025年6月会合でゼロ金利に到達しました。
利下げをしたにも関わらず、フラン高は収まらないことから、スイス国立銀行はさらなる手段として為替介入を行う可能性に言及しています。
ただし、マイナス金利の再導入については完全に否定はされていないものの、実際に行われる可能性は高くないと見られています。
なお、スイス国立銀行は2022~2023年には高インフレを抑制するためフランを買い支える逆方向の介入も実施しています。
スイスフランへの投資を検討する場合は、スイス国立銀行の政策金利を踏まえて判断する必要があるでしょう。

2026年のスイスフランについて、主要機関の予想は、おおむね「対ユーロではフラン軟化」「対円では高止まり」という見方に分かれています。
Investing.comが2025年12月19日午前4時56分に報じたところによると、UBSはEUR/CHFを0.94前後で維持すると予測しています。
また、investingliveが2025年11月26日7時49分に報じた内容においては、JPモルガンは2026年第1四半期に0.95、年末にかけて0.96へとユーロ高・フラン安が進むと見込んでいます。
そして、スイスフランについては、ダイヤモンドZaiにおいて、FXアナリストの西原宏一氏が2026年のスイスフラン円について220円前後を視野に入れるとの見方を示しています。
これらが想定どおりに推移した場合、スイスフラン安が進む可能性があり、スイスフランが高すぎるという見方が変化するシナリオも考えられます。
(なお、これらは各機関・アナリストの見解であり、将来の為替レートを保証するものではありません。)
スイスフラン円やユーロスイスなどを取引する際、以下の点に注意が必要です。
それぞれのリスクについて順番に見ていきましょう。
スイスの政策金利は現在0%で、日本の1%を下回っています。そのためスイスフラン円のロングポジションを保有し続けると、マイナススワップが毎日差し引かれます。さらにスイス国立銀行が今後マイナス金利を導入した場合は、マイナススワップの負担がさらに大きくなる可能性があります。
スイスフランを長期保有する際は、事前にどの程度のマイナススワップが発生するか確認しておくことが一つの方法として考えられます。
スイス国立銀行の為替介入があると、スイスフランが急変動するリスクがあります。
2015年1月15日にはスイスフランショックと呼ばれる出来事が発生したことがあります。
スイスフランショックが起きた理由は、SNB(スイス国立銀行)が維持していた為替政策を突然撤廃したためです。
スイス国立銀行は2011年9月にユーロスイスの下限を1.20から割り込まないよう無制限に介入する方針を維持していました。

ところが2015年1月15日にスイス国立銀行が突然この下限を撤廃した結果、ユーロスイスは数十分のうちに約30%超急落し、スイスフラン円も115円前後から短時間で138円前後まで急伸しました。

この急変動は、世界中のFX業者と投資家に損失をもたらし、英国の大手FX業者アルパリLimitedは即日破綻、米国のFXCMは顧客のマイナス残高が約2億2500万ドルに膨らみ、緊急融資を受けて存続するなど、金融機関にまで影響が及びました。
こうした歴史を踏まえると、スイス国立銀行が必要と判断すれば突然大規模な介入に踏み切る可能性がある点には注意が必要です。
また、2026年6月3日午前9時48分のロイターの報道によると、スイス国立銀行のシュレーゲル総裁は2日の声明で『為替介入への用意が高まっている』と明言しました。
今後為替介入が実施された場合、ユーロスイスやスイスフラン円の為替レートに影響が及ぶ可能性があります。
スイスフランは主要通貨のひとつではありますが、米ドルやユーロと比べると取引量は少なく、スプレッドが日本時間の深夜から早朝にかけて広がりやすい傾向があります。
約定価格が意図した水準からずれるスリッページが起きやすい時間帯を避けるには、流動性の高い東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間などに取引することが重要です。
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スイスフラン高は軟化する可能性がある
スイスフランが高すぎると言われる背景には、中東情勢など地政学リスクを背景とした安全資産需要、ドル資産からの資金シフトによるフランへの資金流入などがあります。また、近年は日本円が円安傾向となっているため、スイスフラン円は他のクロス円よりも上昇傾向にある状況です。
2026年のスイスフラン円については、専門家によって見方は分かれていますが、スイスフランが軟化する可能性を指摘する専門家もいます。
さらにスイス国立銀行が為替介入を実施するかも注視する必要があります。
スイスフランを取引する際は、スイス国立銀行の会合に注意しつつ慎重な判断が求められるでしょう。
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