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「キャリートレードって何?」「円キャリートレードのやり方を知りたい」と考えていませんか?
円キャリートレードは、円安時にニュースで報道されることが多い言葉です。なぜ儲かるのか、逆に危険性はないのか気になる人もいるでしょう。
本記事ではキャリートレードの仕組みややり方、過去の事例を詳しく解説します。
キャリートレードとは、低金利の通貨を借りた資金を使って高金利の通貨に投資することで、両者の金利差から利益を得る投資手法です。
キャリートレードには以下の2種類があります。
ポジティブキャリー | 低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買う |
ネガティブキャリー | 高金利の通貨を売り、低金利の通貨を買う |
一般的にキャリートレードとは、ポジティブキャリーのことを指します。
ネガティブキャリーを行った場合でも利益を得られる可能性はありますが、金利の低い国と高い国の金利が逆転することは少ないので、ポジティブキャリーよりも損をするリスクが高いです。
キャリートレードは、金利差が広がっている市場や経済が安定して成長している場合に活発に行われます。
金利が低い通貨を借りて高金利の通貨に投資する場合、金利差が大きいほど多くの利益を期待できるでしょう。例えば、米国やオーストラリアなどの経済成長が見込まれる国の通貨は、金利が上昇しやすく、キャリートレードに適しています。
また、景気が安定している際の市場はボラティリティが低く、為替変動による損失リスクが少なくなります。
キャリートレードが注目されるのは、以下のようなメリットがあるからです。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1つ目のメリットは、金利差から利息を得られることです。
キャリートレードでは、低金利の通貨を借り、金利の高い通貨に投資するため、投資家は金利差を利息として受け取ることができます。
例えば、FX取引で豪ドル円のロングポジションを持つことは、日本円(低金利)を売って、オーストラリアドル(高金利)を買うことを意味します。
2025年1月末現在で、日本の政策金利は0.5%、オーストラリアの政策金利は4.35%のため、3.85%分のスワップポイントを受け取ることが可能です。
また、金利差が大きいほど、受け取ることができるスワップポイントも増えます。
よって、南アフリカランド(7.50%)やトルコリラ(45.00%)といった高金利通貨を(いずれも2025年1月末時点の政策金利)買って、日本円を売ればさらに多くのスワップポイントを得ることができます。
2つ目のメリットは、為替差益を狙えることもある点です。
キャリートレードでは、両国の金利差が大きいほど、多くの利益を得ることができます。
さらに、売買方向と同じ方向に為替レートが動いた場合は、スワップポイントに加えて、為替差益も得ることが可能です。
例えば、南アフリカランド円のロングポジションを8.3円で保有した後に9円で利確した場合、保有期間のスワップポイントに加えて、0.7円分の為替差益も得られます。
仮に南アフリカランド円の10万通貨あたりのスワップポイントが1日あたり170円のケースで10万通貨分を90日間保有していた場合に得られる利益は8万5,300円です。
スワップ:170円×90日=15,300円
為替差益:(9円-8.3円)×10万通貨=7万円
通貨ペアによっては短期間で大きく動くことも珍しくないため、多くの利益を狙える可能性があります。
キャリートレードをする際は、以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
1つ目のデメリットは、高金利通貨が下落すると損失を被ることです。
一般的に高金利通貨は、経済状況や中央銀行の利下げ、地政学的リスクなどに影響されやすく、その価値が急激に下がることがあります。
また、金利の高い豪ドルやドルと金利の低い日本円など先進国通貨同士でキャリートレードを行う場合も注意が必要です。
オーストラリアや米国が利下げを実施して、日本との金利差が縮小すると、円高方向に価格が進みやすくなります。
その結果、受け取ったスワップポイント以上の損失を被ることもあるので注意しなければなりません。
2つ目のデメリットは、流動性が低い通貨ペアは売買が難しくなることがあることです。
流動性が低い通貨を取引する場合、スプレッドが広がりやすいため、取引コストが高くなります。さらに、地政学リスクや政策の変更などにより情勢が不安定になった結果、急激な価格変動が起きることも多く、値下がりにより大きな損失を被る可能性があります。
特に南アフリカランド円やトルコリラ円といった新興国の通貨を取引する場合は、注意が必要です。
なお、ドル円や豪ドル円などは比較的取引量が多く流動性が高い通貨ペアのため、不安視する必要はありません。ただし、早朝など取引する時間帯によっては流動性が低くなりやすくスプレッドも広がりやすいため、注意が必要です。
3つ目のデメリットは、利益を得られるかは中央銀行の政策次第であることです。
低金利の国の中央銀行が金利を引き上げた場合や高金利の国の中央銀行が金利を引き下げた場合、両国の金利差が縮小します。
そうなれば、キャリートレードから得られるスワップポイントが少なくなるだけでなく、それまでの円安が是正されるでしょう。
実際、日本銀行が金利を引き上げたことで、円キャリートレードを行っている投資家が急いでロングポジションを解消した結果、円高が進むことがあります。
キャリートレードで利益を得たい場合は、投資対象の国の政策金利について注視しておく必要があります。
ここからは、過去のキャリートレードの事例をいくつか見ていきましょう。
キャリートレードが行われた際の値動きについて詳しく解説します。
円キャリートレードは、低金利の日本円を借りて高金利の通貨(主にドルや豪ドル)を買うトレード手法です。
日本は長年低金利政策を維持しており、金利の高いアメリカやオーストラリアとの金利差が非常に大きくなっているため、キャリートレードを行う投資家が多くいました。
過去に円キャリートレードが活発に行われた時期は、1990年代後半、2000年〜2004年、2005年〜2007年、2021年以降があります。
1990年代後半はヘッジファンドを中心に円キャリートレードが活発に行われていました。
その後、円キャリートレードの巻き戻しが起こって円高が進みましたが、2000年から2004年頃には、クロス円を中心に円キャリートレードが活発に行われています。
例えば、ユーロ円は2000年10月は90円台でしたが、2004年12月には141年代まで円安が進行しました。
その理由は、日本銀行が2001年3月に量的金融緩和政策を導入してゼロ金利が復活したのに対して、ユーロやポンド、カナダドル、豪ドルなどは金利が高かったためです。
そして、円キャリートレードが全盛期を迎えたのは、2005年〜2007年頃です。日本銀行の政策金利は2006年3月に0.25%、2007年2月には0.5%まで利上げされました。
一方で、米国の政策金利は5.25%(2006年末時点)、英国は5.50%、豪州は6.75%(いずれも2007年末時点)と日本よりも金利が非常に高くなっています。
さらに2005年からは、日本国内でFX取引が流行したことも相まって、円キャリートレードが活発に行われました。
ただし、2007年後半にパリバショック、2008年9月にはリーマンブラザーズの破綻によるリーマンショックが発生したことで、日本以外の先進国の政策金利が軒並み低下しました。その結果、円キャリートレードの巻き戻しが進んでいます。
そして、直近で円キャリートレードが活発化したのは2021年以降です。2021年以降米国は断続的に利上げを行ったことで、日米間の金利差が拡大し、円キャリートレードが活発化しました。
ただし、2023年以降は、米国の利上げが一段落したため、キャリートレードの動きは落ち着いています。
スイスフランも豪ドルやNZDドルとキャリートレードが行われることがあります。その理由は、スイスは低金利の一方で、豪ドルやNZDドルは金利が高いためです。
実際、2003年〜2007年にかけて、スイスは低い金利を維持していたため、豪ドルやNZDドルとのキャリートレードが行われていました。
また、2010年代中盤もスイス国立銀行の金利が低かったことで、スイスフランとユーロでキャリートレードが行われています。
ただし、2015年1月にスイス国立銀行が突如としてスイスフランとユーロの為替相場の上限を撤廃しました。
スイスフランは急騰し、キャリートレードを行っていた投資家は、大きな損失を被っています。
ヘッジファンドも積極的にキャリートレードを行うことがあります。
その理由は、金利差を利用して安定的な収益を得る目的があるためです。さらに、ヘッジファンドはレバレッジも活用して取引を行う傾向があります。
例えば、2000年代初頭から2007年にかけて、日本円を借りて、豪ドルやNZDドルに投資することでキャリートレードを行っていました。
実際、豪ドル円は56円から108円まで円安が進行しています。
また、金融危機後には、低金利のスイスフランを利用したキャリートレードを行うヘッジファンドもありました。
ここからは、キャリートレードに関する質問に回答します。
キャリートレードの主なリスクは為替レートの変動、金利の変動、市場の流動性低下、そして経済・地政学的要因です。急激な市場変動で大きな損失を被る可能性があり、レバレッジの利用でリスクが増大します。また、特定の国の政策変更も戦略に影響を与えるため、十分なリスク管理が不可欠です。
円キャリートレードの巻き戻しとは、低金利の日本円を借りて高金利通貨に投資する取引を行った後に、急激な巻き戻し(解消)が起こる現象のことです。
円キャリートレードの解消とは、低金利の円を借りて高金利通貨に投資する取引を終了させることです。つまり、投資家が円を買い戻し、高金利通貨を売却する動きを指します。円キャリートレードを解消する要因は、日本の金利上昇や世界的な経済不安などが挙げられます。
キャリートレードは世界経済が好景気になったときに起きやすい
キャリートレードは、世界経済が好景気になったときに起きやすい現象です。というのも、金利の低い国はなかなか政策金利を上げようとしない一方で、景気が良くなると金利を積極的に上げる国もあるので、両国の金利差が拡大するからです。
キャリートレードをする際は、主要国の政策金利を注視する必要があります。一方で、これまで金利を上げていた国が逆に利下げを行った場合は、キャリートレードの巻き戻しが起きる可能性があるため、ポジションを解消したほうが良いでしょう。
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