重要なお知らせ!
当社では、お客様が当社ウェブサイト上で最高の体験を得られるようにクッキーを使用しています。
お客様は、「同意する」をクリックすることにより、当社の クッキーに関する方針に記載されているクッキーの使用を承諾したことになります。また、EUおよびイギリスに金融サービスを提供しないという当社の方針に基づき、お客様がこれらの地域の居住者でないことを確認したことになります。
日本銀行が17年ぶりに利上げを決定するとともに、8年ぶりにマイナス金利の解除を決めました。マイナス金利解除により金利が上がるため、私たちの生活への影響を不安視している人もいるでしょう。
本記事では、日銀がマイナス金利解除に踏み切った理由、マイナス金利解除のメリット・デメリットなどを解説します。マイナス金利解除後の生活がどうなるか興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
日本銀行がマイナス金利を解除したのは、2024年3月19日に行われた金融政策決定会合における決定によるものです。
日銀が導入していたマイナス金利には、金融機関の当座預金に対してマイナス0.1%の金利を適用し、企業への貸し出しや投資に資金が流れるように促す目的がありました。
2022年以降、ロシア・ウクライナ紛争による原材料価格の高騰や、新型コロナウィルスの影響で落ち込んでいた経済活動の再開により、物価上昇率は2%を超えるようになりました。
とはいえ、賃金の上昇が伴っていなかったために、これまではマイナス金利の解除に動くことはなかったのです。
しかし、2024年の春闘で、平均の賃上げ率が過去33年間で最も高い5.28%になったことで、日銀は経済が自然な形で物価安定の目標に向かっていると判断しました。
このような背景があり、日銀は、2016年1月より約8年間続いていたマイナス金利を解除したのです。
マイナス金利の解除は私たちの生活にも大きな影響があり、以下のようなメリットがあります。
普通預金や定期預金の金利が上がる
個人向け国債の金利が高くなる
生命保険の保険料は安くなる可能性がある
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
マイナス金利が解除されると、普通預金や定期預金の金利が上がります。実際に、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、3月19日の日銀金融政策決定会合の結果を受けたその日に普通預金の金利を0.001%から20倍の0.02%に引き上げることを発表しました。
大手銀行が動いたことでネット銀行や地方銀行など他の金融機関も普通預金や定期預金の金利引き上げに動いています。
銀行普通預金の金利 定期預金の金利(5年の場合)
みずほ銀行 | 0.001%→0.02% | 0.07%→0.2% |
三菱UFJ銀行 | 0.001%→0.02% | 0.07%→0.2% |
三井住友銀行 | 0.001%→0.02% | 0.07%→0.2% |
イオン銀行 | 0.001%→0.02% | 0.3%→0.5% |
仮に三菱UFJ銀行に300万円を定期預金で5年預けた場合、年利が0.2%に上がったことで約3倍の利息を受け取れるようになります。
年利0.07%の場合に受け取れる利息 | 10,505円 |
年利0.2%の場合に受け取れる利息 | 30,016円 |
※税引き前の利息です。
また、個人や企業にお金を貸す銀行側は、金利アップを契機に顧客獲得競争が激化する可能性があるでしょう。
日銀のマイナス金利解除により個人向け国債の金利も高くなりました。
財務省が発表している個人向け国債の発行条件によると、3月の日銀の金融政策決定会合前に募集条件と2024年7月から募集が始まる国債の募集条件では、金利が大きく変わっています。
金利 | 2024年4月発行分 | 2024年8月発行分 |
固定3年の基準金利 | 0.19% | 0.41% |
固定5年の基準金利 | 0.38% | 0.66% |
変動10年の基準金利 | 0.71% | 1.09% |
出典:財務省の発行条件から作成
仮に個人向け国債(固定5年)を500万円購入するケースで比較すると、4月発行分の利子が95,052円に対して、8月発行分の利子は16万5,090円に増加します。
個人向け国債での投資を検討している人には、マイナス金利の解除は追い風となるでしょう。
マイナス金利解除により予定利率が上がるため、生命保険の保険料が安くなる可能性があります。予定利率とは、保険会社が契約時に契約者に約束する利率のことです。
予定利率が高くなると、保険会社は資産運用で多くお金を増やせるようになります。その結果、契約者から集める保険料を抑えることができます。
ただし、マイナス金利が解除されてもすぐに保険会社が保険料を安くする可能性は低いでしょう。というのも、生命保険は契約期間が長い商品のため、保険料を安くした後に再び金利が下がれば、損失を被るからです。
したがって、生命保険の保険料が安くなる点については、あまり期待しないほうが良いでしょう。
マイナス金利の解除が私たちの生活に悪い影響を及ぼすことがあります。主なデメリットは2つあります。
順番に詳しく解説します。
住宅ローン金利の上昇により負担が増えることです。
例えば、4,000万円の住宅ローンを35年間かけて返済すると仮定します。変動金利が0.1%〜0.2%上がった場合、毎月の返済額や総返済額の負担が大きくなります。
変動金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
0.38% | 10.2万円 | 4,273万円 |
0.48% | 10.4万 | 4,347万円 |
0.58% | 10.6万 | 4,421万円 |
※期間中金利が変わらない前提です。
※元利均等払いの場合
しかし、マイナス金利を解除してもすぐに住宅ローンの金利が上がるわけではありません。
なぜなら、住宅ローン契約者の7割が利用している変動型金利は短期プライムレートが基準となるからです。
実際に、大手金融機関や地方銀行など多くの銀行は現行の年1.475%から上げていません。
住信SBIネット銀行やイオン銀行など一部のネット銀行は、短期プライムレートを0.1%引き上げていますが、当面は0.1%〜0.2%程度の引き上げに留まるといわれているので、すぐに負担が大きくなることは考えにくいでしょう。
一般的に金利が上がると債券は逆に下がりやすくなります。国内の債券や債券型投資信託に投資をしている場合は、値下がりにより収益が減るかもしれません。
債券のみに投資している人は、株式との分散投資を検討しても良いでしょう。
マイナス金利解除により為替はどうなる? 円高にならない理由H2
口座開設をしている人は、マイナス金利解除により為替がどうなるか気になるかもしれません。
一般的に利上げが実施されると、金利の低い国の通貨を売って金利の高い国の通貨が買われる動きが起きます。
日銀がさらなる利上げを行えば、金利は上昇するので、円を買う動きが活発化して円高傾向になる可能性があります。
実際に、2006年3月9日に量的緩和が解除された際のドル円レートは1ドル118円台でしたが、約2ヶ月で109円台まで下落しています。
ただし、今後日本が利上げを行う可能性は十分あります。加えて、これまで何度も利上げを行っていた米国の政策金利は5.50%とすでにリーマンショック前の水準(5.25%)を超えているため、日本とは逆に利下げを実施する可能性はあるでしょう。
日米の金利差が縮小されれば、ドル円は円高方向へ動く可能性があります。ただし、今回のマイナス金利解除後のドル円レートは、逆に円安傾向が続いています。
その理由は、日米両国間の金利差が大きい状態が続いているからです。
日銀のマイナス金利解除をきっかけに、今後の状況次第では私たちの生活に大きな負担がかかる可能性があるため、投資を考えている人もいるでしょう。
とはいえ、一般的に金利が上がりすぎると、日本株をたくさん購入してきた海外の投資家の利益確定売りにより株価は下がりやすくなります。
普通預金や定期預金は、もともと金利が高くないため大きいリターンは期待できません。
これから投資を考えている人は、FXを検討してはいかがでしょうか。FXは買いだけでなく売りで入ることもできるので、相場が下落局面でも利益を得られる可能性があります。
レバレッジを抑えることで、損失を小さくできるため、初心者にもおすすめの投資です。