天然ガスCFDの取引方法とは？特徴や価格に影響を与える要因を解説

天然ガスは、将来的に需要が見込まれる商品です。天然ガスの取引をするならCFD取引をおすすめします。

本記事では、天然ガスのCFD取引をおすすめする理由や価格に影響を与える要因について解説します。天然ガスの取引に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

天然ガスは、メタンを主成分とする化石燃料で、地下から噴出する可燃性のガスを指します。

最大の特徴は、石炭や石油と比較して二酸化炭素の排出量が少ないため、地球温暖化の抑制に寄与する点です。また、窒素酸化物や硫黄酸化物、ばいじんの発生量も少ないことから、クリーンエネルギーとしても注目されています。

さらに、天然ガスは電力や熱供給においても重要なエネルギー源として利用されています。具体的には、ガスタービン発電や火力発電の燃料として使用され、一般家庭に普及する都市ガスとしても重要です。

また、コージェネレーションシステムにおいては、電力と熱を同時に供給することで効率的なエネルギー利用を実現しています。

天然ガスは再生可能エネルギーへの移行を目指す過程における代替エネルギーとしても注目されているため、今後さらに需要が増加すると予想されています。

天然ガスの取引をしたい場合、CFD・ETFやETN・関連銘柄（株式）へ投資する方法がありますが、おすすめはCFDです。

なぜなら、以下のような理由があるからです。

1. レバレッジが高い
2. 少額から始めることができる
3. 下落局面でも利益を狙える
4. 取引時間が長い
5. 長期保有ができる

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
1.レバレッジが高い
1つ目の理由は、レバレッジが高いことです。CFD取引なら天然ガスのETFや関連銘柄（株式）よりも高いレバレッジで取引ができます。

例えば、FXGT.comの天然ガスCFDでは最大100倍のレバレッジが利用可能です。

天然ガス価格が2.26ドル（2024年8月23日時点）の場合、1ロット(10万通貨)の取引に必要な証拠金は以下のように計算できます。

2.26ドル×10万通貨×1ロット÷100倍=2,260円

CFD取引なら証拠金が多く必要ないため、大きいロットでの取引がしやすくなります。

つまり、ETFや関連銘柄よりもたくさんの利益を狙うことが可能です。

2.少額から始めることができる

2つ目の理由は、少額から始めることができる点です。

天然ガスのCFD取引は、ほかの取引方法と比較して少額から始めることが可能です。なぜなら、CFD取引は高いレバレッジで取引できるため、ポジションを保有するのに必要な証拠金を抑えることができるからです。

※いずれも2024年8月23日時点の価格や為替レートを参考に算出

例えば、FXGT.comで天然ガスのCFDをレバレッジ100倍で1,000通貨保有する場合、必要な証拠金はわずか22円です。

ETFや株式と比べると、CFD取引は少ない資金で取引を開始できます。

3.下落局面でも利益を狙える

3つ目の理由は、下落局面でも利益を狙えることです。

天然ガスCFDは、売りから入ることができるので、下落局面でも利益を狙うことができます。

例えば、2019年以降〜2024年8月の相場を例に挙げると、2020年2月から3月、2022年8月から2023年2月、そして2023年10月から2024年2月の3回にわたって、天然ガスは大きく暴落しました。

さらに、下落時のスピードは上昇時よりも速いため、CFDなら短期間に大きな利益を狙うことも可能でした。

一方、株式の場合、基本的に買いからしか取引できない（信用取引を除く）ため、相場が上昇しているときでないと利益を得ることができません。

相場状況にかかわらず、利益を狙いたい人は、CFDで取引しましょう。

4.取引時間が長い

4つ目の理由は、取引時間が長いことです。

天然ガスのCFDは、平日ほぼ24時間取引が可能であるため、朝から夜までライフスタイルに合わせて取引を行うことができます。

日中働く会社員であれば、帰宅後の3時間をトレードの時間に充てることで、利益を得るチャンスがあるでしょう。

一方で、国内の天然ガス関連銘柄やETFの取引時間は午前9時～11時30分と午後12時30分～15時に限られています。

昼間に仕事や家事で忙しい人が、リアルタイムで取引するのは簡単ではありません。

投資と日常生活を両立させたい人には、CFDでの取引をおすすめします。

5.長期保有ができる

5つ目の理由は、長期保有ができることです。

天然ガスCFDは、先物取引よりも長期保有が可能です。というのも、CFDには期限が設定されていないため、投資家が望む限りポジションを持ち続けることができるからです。

一方、先物取引には各月ごとに限月と呼ばれる期限があり、期限を迎えると自動的に決済されます。

IG証券など一部の業者では、ロールオーバー手続きを行うことでポジションを継続して保有できますが、この手続きは手間がかかる上、忘れるリスクもあるでしょう。

数ヵ月以上にわたって天然ガスのポジションを保有したい場合は、CFDでの取引をおすすめします。

天然ガスの価格に影響を与える要因は、主に以下の3つがあります。

夏季・冬季の需要増加

産出国や輸送ルートに位置する国の政情不安

天然ガスの貯蔵量の変動

それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。

1.夏季・冬季の需要増加

夏季には冷房、冬季には暖房を使用する人が増えるため、天然ガスの需要も高くなります。

また、需要の増加に伴い、火力発煙所の稼働率も上がるため、天然ガスの消費量が増加するでしょう。

特に夏季に猛暑が予想される場合や冬季に厳冬となれば、冷房および暖房の需要が大きく高まるため、価格が上昇しやすくなります。

2.産出国や輸送ルートに位置する国の政情不安

産出国や輸送ルートに位置する国で紛争が起きたり緊張状態になったりすると、天然ガスの価格に大きな影響を与えることがあります。

なぜなら、天然ガスの主要産出国や輸送ルートが政治的不安定にさらされると、供給がストップする可能性があるからです。

特に、ロシアや中東地域は天然ガスの主要な供給源であるため注意が必要です。

また、ホルムズ海峡やマラッカ海峡、スエズ運河なども海上交通の要衝であるため、この地域での政情不安にも注意しなければなりません。

加えて、ある国が戦争を起こした際に、その制裁措置として、天然ガスの供給の停止が行われることもあります。

一般的に政情不安が起きると、天然ガスは不足しやすいため、価格は上昇する傾向があるでしょう。

3.天然ガスの貯蔵量の変動

季節的な需要の変動や貯蔵施設の容量に制限がある問題など、天然ガスの貯蔵量が原因で、価格に影響を与えることがあります。

天然ガスの貯蔵量が少ないと供給に対する不安から価格は上昇しやすくなります。反対に、貯蔵量が多いと価格は下落しやすいでしょう。

また、定期的に発表される天然ガスの貯蔵量のデータが予想と乖離した場合、投資家が反応して価格が変動することがあります。

代表的なものは、毎週木曜日に米国エネルギー情報局（EIA）が毎週木曜日に発表する「天然ガス在庫統計」です。

ここからは、過去の相場で天然ガスが大きく動いたときの相場について解説します。

1. 1. 2008年前半：LNG需要の拡大による高騰
   2. 2008年：世界金融危機による下落
   3. 2021年〜2022年：経済回復とロシアの軍事侵攻による高騰

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.2008年前半：LNG需要の拡大による高騰

2008年前半、天然ガスは約半年で7ドルから13.5ドルまで高騰しました。

その原因は、原油価格の高騰やLNG需要の拡大です。日本、韓国、中国、台湾といったアジアの国では、LNG需要が拡大し、さらにサハリン2を始めとする新規プロジェクトが遅延したことで、天然ガスの価格が高騰しました。

2.2008年：世界金融危機による下落

エネルギー需要の急激な減少が天然ガス価格の下落を促進。

続いて紹介するのは、2008年後半の世界金融危機による下落です。

2008年9月のリーマンショックにより、世界的な金融危機が発生したことで、経済活動が停滞しました。エネルギー需要の大幅な減少は、工業生産や消費活動の縮小につながります。

さらに、原油市場における投機資金の流出と需要減少も天然ガスの価格に影響を与えました。

3.2021年〜2022年：経済回復とロシアの軍事侵攻による高騰

次に紹介するのは、2021年の経済回復と2022年以降のロシアによるウクライナへの軍事侵攻による高騰です。

2021年になると、新型コロナウイルスからの世界経済の回復に伴って、天然ガスの需要が大幅に増加しました。

加えて、LNGプラントでのトラブルや計画外の停止により、供給が制限されたことで、天然ガスの価格上昇につながります。

そして、2022年2月になると、ロシアによるウクライナ侵攻が実施されて、欧州のエネルギー安全保障に対する懸念が高まりました。

ロシアとヨーロッパの関係が悪化したことで、パイプラインを通じた天然ガス供給の不確実性が高くなり、価格が高騰しました。

ここからは、天然ガスを取引する際のポイントを解説します。

1.天然ガスの値動きと関係性があるFX通貨ペアもある

FX通貨ペアには、天然ガスと値動きに関連性がある銘柄もあります。

例えば、以下のような通貨ペアです。

• ロシアルーブル
• 豪ドル
• カナダドル
• 米ドル

ロシアルーブルは、天然ガスの主要な輸出国です。2022年3月にロシアのプーチン大統領が非友好国に対して天然ガスの代金をルーブルで支払うよう要求した直後、ルーブルの対ドル相場が9%も上昇しました。

なぜなら、天然ガスの決済をルーブル建てで行うことは、ルーブル相場の押し上げ要因になる可能性があるからです。

また、豪ドルやカナダドルといった資源国通貨も天然ガスの価格の影響を受けることがあります。

天然ガス価格が上昇した場合、自国の豊富な資源を輸出して収入を得ている豪ドルやカナダドルの価値は上がりやすくなります。

また、天然ガスの関連プロジェクトが好調だった場合も、両国の経済に良い影響を与えるでしょう。

そして、米ドルは、天然ガスと負の相関関係があります。

米ドルと天然ガスの価格に負の相関関係がある理由は、一般的に天然ガスを初めとした資源価格の決済に米ドルが使われることが多いためです。

したがって、米ドルが上昇すると天然ガスは下落、米ドルが下落すると天然ガスは上昇する傾向があります。

なお、天然ガスは、ユーロドルとも逆相関の関係になりやすいです。天然ガスとユーロドルは、直接影響を与える関係ではありません。しかし、ユーロドルの値動きが米ドルと逆相関の関係にあるため、結果的に天然ガスとユーロドルは逆に動きやすいといわれています。

2.天然ガスはボラティリティが高いので資金管理に注意する

天然ガスはFXよりもボラティリティが高いため、上にも下にも大きく動きやすい商品です。

なぜなら、以下のような理由があるからです。

• 季節によって需要が大きく変動する
• 貯蔵が難しい
• 地政学リスクによる影響が大きい
• 投機的な取引を行う投資家がいる

以下のチャートは、天然ガスドル建ての1時間足チャートですが、数日ごとにわずかな時間で5％以上の値動きが何度も発生しています。

2024年8月12日～2024年8月16日のポンド円の変動率が2.6％であることを考えると、天然ガスはFXよりもボラティリティが高いといえるでしょう。

したがって、ロットを大きくしすぎた場合、大きな損失を被る可能性が高くなります。FXよりも小さいロットで取引することをおすすめします。

3.トレンド相場に乗れる人なら利益を得やすい

天然ガスは、トレンド相場に乗れる人なら利益を得やすいでしょう。

ボラティリティが高いため、数日の取引で証拠金を大きく増やすことも不可能ではありません。

例えば、以下のように約半年間天然ガスの売りポジションを持ち続けていれば、7.5ドル分の値幅を取れていたでしょう。

天然ガスは、クリーンエネルギーとして注目されているので、今後も需要の増加が予想されます。

また、天然ガスを取引するなら、レバレッジがある点や売りから入れる点などのメリットがあるCFD取引をおすすめします。

ただし、天然ガスはボラティリティの高い金融商品です。大きな損失を被らないためには、小さいロットで取引しましょう。

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