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今週の暗号資産は、週初の高値から水準を切り下げています。
まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。
9月4日から10日にかけての暗号資産市場は、米国の堅調な雇用統計と中東情勢の緊迫化を受けて、週初の高値から水準を切り下げる展開となりました。
4日夜に発表された8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が16万2,000人増と市場予想の53,000人増を大きく上回りました。
失業率は4.1%で横ばい、6月と7月の分も合わせて5万5,000人上方修正され、7月は2万3,000人の減少から2万1,000人の増加へ改められています。
労働市場の底堅さが確認されたことで利上げ観測が強まり、米2年債利回りは4.37%前後、10年債利回りは4.78%前後まで上昇し、ドル指数も99.2前後へ水準を上げました。
CMEのフェドウォッチにおける9月会合の利上げ確率は、発表前の50%程度から59%程度へ上昇。
ビットコインは前日のウォラー理事の発言を受けて一時81,000ドル台と5月12日以来の高値を付けていましたが、統計発表後は上値が重くなりました。

週末にかけては調整が進み、6日にはビットコインが79,600ドル前後、イーサリアムが2,455ドル前後まで下落。

7日は80,000ドル台を回復する場面もありましたが定着せず、79,300ドル前後で推移。イーサリアムは2,500ドル前後を挟んだもみ合いが続いています。
8日には米軍がホルムズ海峡とオマーン湾でイランの石油タンカー5隻を攻撃したと伝わり、供給不安が意識されました。ビットコインは78,400ドル前後、イーサリアムは2,470ドル前後まで下押ししています。
同日の米現物ビットコインETFは4,660万ドルの流出となって3営業日続いた流入が途切れ、イーサリアムETFも8月11日以来となる2,429万ドルの流出を記録しました。
9日はブレント原油が7月以来初めて100ドルを突破し、終値は101.21ドル。米10年債利回りは4.85%前後と2023年11月以来の高水準まで上昇。
原油高がインフレの再燃につながるとの見方から、現物ビットコインETFからは1億2,000万ドルが流出しています。
10日は米8月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回ったことで米利上げ観測が高まり売りが優勢。ビットコインは77,000ドルを割れました。
ここからはビットコイン(BTCUSD)とイーサリアム(ETHUSD)の値動きについてテクニカル分析の観点からみていきましょう。
ビットコインは76,000ドル台をキープできるかが焦点となります。

また、82,000ドルの高値がレジスタンスとなっており、この水準を超えれば中期的に高値更新する可能性があります。
イーサリアムは2,500ドル台がレジスタンスとして機能しており、その水準を超えられるかに注目です。

その一方で、2,300ドル台のサポートラインを割れれば、2,200ドル台や2,000ドル台割れする可能性があります。
今週の暗号資産市場で大きく注目されたのは、Robinhood Chain上のトークンPONSです。
7月17日に約0.0033ドルの安値をつけた後、9月5日には約0.97ドルの最高値を記録し、約7週間で約290倍の上昇となりました。時価総額も一時5億ドル前後まで拡大しています。
そもそもPONSは、Robinhood社の公式トークンではありません。
Robinhood Chainは誰でも自由にアプリやトークンを作成できる仕組みであるため、チェーン上に存在しているからといって必ずしも同社の承認を得ているとは限らない点に注意が必要です。
実際の運営は第三者であるPons-Labs, LLCが行っており、PONSは、名前や記号、画像を設定するだけでトークンを発行できるアプリの基軸トークンという位置付けになっています。
PONSの上昇の要因は、アプリが実際に使われていることです。
9月3日のPonsの1日あたり手数料は約595万ドルに達し、DefiLlamaが集計する暗号資産プロトコルの中で4位に入る水準となりました。
手数料収入の約8割が買い戻しと焼却に充てられ、供給量の約29%がすでに焼却済みという設計も、需給面での注目材料になったとみられます。
加えて9月2日にBinance WalletがAlpha枠へ追加し、翌3日にはUniswap Labsによる保有が伝えられたことも関心を高めました。
さらに上昇したのはPONSだけではありません。
8月6日にRobinhoodのアプリとRobinhood Legendで取扱いが始まったCASHCATは9月2日に0.30ドル近辺の高値を更新し、トークン化されたNVIDIA株と組み合わせて発行されたArtificial Inu(AI)も24時間で20%以上上昇し、時価総額は2.8億ドル前後まで拡大。
株式トークンとミーム銘柄を結び付ける手法が広がり、チェーン全体の取引が押し上げられた形です。
その一方でこれらの銘柄に投資するリスクは小さくありません。
PONSは8月上旬に約75%下落する場面があり、1日で17%程度動くこともあります。
運営主体の実名は公開されていない点も不安があるかもしれません。
取引には元本割れのリスクが伴うため、中長期的な視点と余剰資金の範囲での判断が重要になると考えられます。
来週は15日に予定される上院の暗号資産市場構造法案(CLARITY法案)の採決手続きが注目されます。可決には60票が必要ですが、倫理条項などを巡る与野党の対立が続いており、予測市場では年内成立の確率が17%程度にとどまっています。否決なら失望売り、可決なら規制の明確化への期待から買いが入る展開が考えられます。同じ週には15日から16日にかけてFOMCも開催され、利上げの有無が判断材料となります。ビットコインは複数のシナリオを想定した対応が求められそうです。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。