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「インサイダー取引がなぜバレるのか分からない」「どこからどこまでがインサイダー取引にあたるか知っておきたい」といった悩みを持っていませんか?
重要な情報を知った上で株の取引をした場合、個人であっても処罰の対象になるので、絶対にやってはなりません。とはいえ、インサイダー取引にあたる行為をうっかりして罰則を受けることは避けたいと考える人もいるでしょう。
本記事では、インサイダー取引がバレる理由やその対象、罰則について詳しく解説します。
インサイダー取引とは、会社の役員や従業員、またはその関係者など、一般にはまだ公開されていない重要な情報を知り得る立場にある人が、その情報を利用して会社の株などを売買し、自己の利益を図る行為です。
例えば、会社の業績が大幅に向上するという未発表の情報を事前に知っている役員が、その発表前に自社の株を買い増し、発表後に株価が上昇した時点で売却することで、不当な利益を得ることが考えられます。
このような行為は、情報の非対称性を利用した不公正な取引であり、一般の投資家との公平性を著しく損なうため、多くの国で法律によって厳しく禁止されています。証券市場に対する信頼性を維持し、公正な価格形成を促すために、インサイダー取引の監視と取り締まりは非常に重要な役割を担っています。
インサイダー取引がバレる理由は、主に以下の6つがあります。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう
証券取引所や金融庁、そして証券会社は、市場の透明性と公正性を維持するために、高度なコンピュータシステムを駆使して日々の取引を厳密に監視しています。
これらのシステムは、過去の膨大な取引データと照らし合わせ、特定の銘柄において株価が急激に変動したり、特定の口座で通常とはかけ離れた大量の取引が行われたりした場合に、異常なパターンとして自動的にアラートを発します。
例えば、ある製薬会社が新薬開発の成功という重要な情報を発表する直前に、その会社の役員や関係者の口座で集中的に株が買い付けられているような場合、インサイダー取引の疑いが強いとして即座に検知される可能性が高いです。また、関連性の薄い複数の口座間で不自然な資金移動が見られた場合も、不正取引と捉えられる可能性があります。
証券取引等監視委員会(SESC)は、インサイダー取引をはじめとする証券市場におけるあらゆる不正行為を取り締まることを専門とする政府機関です。
証券取引等監視委員会は、インサイダー取引の疑いがある事案を徹底的に洗い出しています。
また、証券会社や関係企業への強制的な立ち入り検査を行う権限や、関係者に対して事情聴取を行う強力な権限が付与されており、日々不正の真相解明に努めているのです。
近年では、AI技術を活用した不正取引の分析により巧妙化するインサイダー取引の手口に対応するための監視体制が強化されています。
不正行為や不審な取引に気づいた従業員、取引先、顧問弁護士など会社の内部事情に詳しい関係者からの情報提供がきっかけでインサイダー取引が発覚することもあるので注意が必要です。
さらに、近年では内部告発者の保護を強化する法整備が進んでおり、告発者が不当な扱いを受けることなく安心して情報提供できる環境が整備されつつあります。内部告発によりインサイダー取引が発覚することは珍しくありません。
上場企業の株を一定の割合を超えて大量に保有する投資家には、金融商品取引法に基づき、保有状況を速やかに金融庁に報告する義務があります。大量保有報告書は一般にも公開されるため、市場参加者は誰がどれだけの株を保有しているかを把握できます。
経営統合や新事業の発表など株価に大きな影響を与える可能性のある重要な情報が公表される直前に、特定の個人やグループが大量の株を取得した場合、未公開の重要情報が存在する可能性が強く疑われます。
未公開の重要情報に基づいて特定の株式などを取引した場合、その取引は通常の投資行動とは異なるパターンを示すことがあります。例えば、業績発表前に特定の銘柄が突如として大量に買われたり、重要な提携や買収の発表直前に不自然な価格変動が見られたりするケースです。
このような動きは、市場参加者の間で「何かあるのではないか」という憶測や噂を生み出しやすくなります。また、過去の類似事例や市場の経験則から、情報漏洩やインサイダー取引の可能性が囁かれることがあります。
証券取引監視委員会などの規制当局は、このような風評や噂を端緒として調査を開始することがあるので注意が必要です。不自然な取引の背後に、未公開情報を知り得る関係者(役員、社員、取引先など)の関与が疑われ、取引の経緯や情報伝達の経路が詳細に調べられます。
風評や噂は直接的な証拠とはなりませんが、当局がインサイダー取引の疑いを持つきっかけとなり、その後の徹底的な調査によって不正が明るみに出ることがあるので注意しましょう。
証券会社は、顧客の氏名、住所、取引日時、銘柄、数量、価格など、全ての取引に関する詳細な記録を長期間にわたって保管する義務があります。証券取引監視委員会は、インサイダー取引の疑いがある事案について調査を行う際、これらの取引記録を詳細に分析し、誰が、いつ、どのような銘柄を、どれくらいの数量で取引したのかを正確に把握することが可能です。
特に、通常は取引を行わない人物が、重要な情報公開の直前に突如として特定の銘柄を大量に購入したり、あるいは保有株を処分したりするなどした場合、インサイダー取引の有力な証拠となることがあります。
さらに、関連する銀行口座の資金の流れを追跡することで、不正な利益の移動や隠蔽工作を突き止めることも可能です。
インサイダー取引として法律で禁止されている行為は、単に未公開情報を利用して株を売買するだけでなく、より広範な行為を対象としています。
ここでは、インサイダー取引の対象となる行為を詳しく解説します。
会社の役員、従業員、主要株主など、会社の内部情報にアクセスしやすい立場にある者が、一般にはまだ公開されていない会社の経営、財務、業務に関する重要な情報を知っているとします。
このような立場にある者が、その情報が公になる前に自社株や関連会社の株、さらには転換社債などの有価証券を売買する行為が典型的なインサイダー取引です。
ここでいう「重要な情報」とは、業績予想の修正、新製品の開発計画、合併・買収の計画、株式分割、災害の発生など、投資者の投資判断に著しい影響を与える可能性のある情報を指します。
自身が得た未公開の重要な会社情報を、直接株取引を行わない家族、親族、友人、知人などに意図的に伝えた場合、その情報提供者もインサイダー取引に関与したとみなされる可能性があります。
そして、その情報に基づいて他者が当該会社の株や関連する有価証券を売買した場合、情報を伝えた者と実際に取引を行った者の双方にインサイダー取引が成立する可能性があります。
自ら取引をしていない場合でもインサイダー取引の罪として問われる理由は、たとえ取引を行っていなくても、未公開情報の漏洩を通じて不公正な取引を助長したとみなされるからです。
ある会社が別の会社を買収するために行う公開買付け(TOB)は、対象となる会社の株価に大きな影響を与える可能性があります。
公開買付けの実施決定や買付条件などの情報は、公表前に特定の関係者が知り得ることがあります。
これらの情報を、公開買付けが正式に発表される前に知りながら、買収対象となる会社の株などを売買することは、インサイダー取引として厳しく禁止されている行為です。
根拠のない虚偽の情報や噂を意図的に流布させたり、巧妙な手段(偽計)を用いて市場を欺いたりすることで、特定の有価証券の価格を不当に変動させる行為は違法です。
そして、そのような価格変動を利用して自己の利益を図る行為も、市場の公正性を著しく損なう違法行為とみなされます。
例えば、ある会社の業績が実際には悪化しているにもかかわらず、意図的に好調であるという虚偽の情報を流布させて株価を上昇させ、高値で売り抜けるといった行為が該当します。
インサイダー取引は、市場の公正性に対する重大な侵害行為であり、発覚した場合には極めて重い罰則が科せられます。
それぞれの罰則について詳しく見ていきましょう。
インサイダー取引は犯罪行為として、金融商品取引法によって厳しく処罰されます。具体的には、5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があるので注意が必要です。
法人の場合、より重い罰金刑(5億円以下)が科されることもあります。刑事罰は、行為の悪質性や得た利益の額などを考慮して判断されます。
刑事罰とは別に、課徴金納付命令が下されることもあるので注意が必要です。
課徴金納付命令とは、インサイダー取引によって不当に得た利益相当額、または回避した損失額を国に納付することを命じられる行政処分です。
課徴金は、刑事罰と合わせて科されることもあり、不正行為によって得た経済的な利益を剥奪することを目的としています。課徴金の額は、得た利益や回避した損失額に一定の倍率を乗じて算出されるため、高額になることも珍しくありません。
インサイダー取引を行ったことで、社会的な制裁を受けることもあります。なぜなら、インサイダー取引は、社会的な信用を著しく失墜させる行為だからです。
個人であれば、勤務先からの懲戒解雇や、その後の就職活動が難しくなります。
加えて、実名報道によって、社会的な非難を浴び、その後の社会生活に大きな影響を与える可能性があります。
企業の場合、株価の急落、取引先からの契約解除、金融機関からの融資停止など、経営に深刻な影響が生じる可能性があるでしょう。企業のブランドイメージも低下するため、売上不振に陥る可能性があります。
インサイダー取引によって損害を被った投資家は、行為者に対して民事訴訟を起こし、損害賠償を請求できる場合があります。インサイダー取引は、市場の公正性を損ない、一般投資家に不利益をもたらす行為であるため、法律は被害を受けた投資家を保護する仕組みを設けています。
実際に某証券会社の執行役員がTOB(株式公開買い付け)の未公開情報を知人に漏らし、株式を購入させた事例では、1,500万円の支払いが命じられました。
ある行為がインサイダー取引に該当するかどうかを判断するには、いくつかの重要な要素を慎重に検討する必要があります。
ここでは、判断するポイントを詳しく解説します。

1つ目のポイントは、入手した情報が未公開であることです。未公開とは、一般の投資家が入手することができない、会社の内部でしか知り得ない情報を指します。
すでに新聞、テレビ、インターネットのニュース、会社の公式ウェブサイト、適時開示情報などを通じて広く一般に公開されている情報は、「未公開」情報には該当しません。ただし、情報の公開方法やタイミングによっては、一時的に「未公開」とみなされる場合もあります。
2つ目のポイントは、入手した情報が重要事実に該当することです。
金融商品取引法では、「重要事実」として具体的に様々な情報が定められています。例えば、会社の業績予想の大幅な修正、新たな事業の開始や撤退、合併や買収の計画、株式分割、新製品や新技術の開発成功、訴訟の提起や判決などがこれに該当します。些細な情報や個人的な意見などは「重要事実」には含まれません。
また、未公開の情報であっても、株価や投資判断に重要な影響を与える可能性のある情報でなければ、インサイダー取引には該当しません。
3つ目のポイントは、未公開の重要事実を知ってから売買したかです。
インサイダー取引が成立するためには、「未公開の重要事実を知った後」に、その情報に基づいて有価証券の取引(売買やその他の有償譲渡・譲受)を行う必要があります。
もし、未公開の重要事実を知る前に既に取引を行っていた場合や、その情報を知らずに偶然取引を行った場合は、インサイダー取引には該当しません。
4つ目のポイントは、有価証券を取引したかです。
インサイダー取引規制の対象となるのは、金融商品取引法に定められた「有価証券(上場株式、債券、投資信託、株価指数先物取引、オプション取引など)の取引です。
未公開の重要情報を知っていても、不動産や貴金属など有価証券以外のものを取引した場合は、原則としてインサイダー取引には該当しません。
5つ目のポイントは、会社関係者または第一次情報受領者かです。
インサイダー取引規制の対象となるのは、会社の役員、従業員、主要株主、顧問弁護士、会計士など、会社の内部情報に容易にアクセスできる「会社関係者」と、これらの会社関係者から直接未公開の重要情報を伝えられた「第一次情報受領者」です。
単なる噂話や、第三者から間接的に聞いた情報に基づいて取引を行った場合は、原則としてインサイダー取引には該当しません。
ただし、「第一次情報受領者」からさらに情報を伝えられた「第二次情報受領者」以降の者であっても、情報の伝達経路や内容によっては例外的に規制の対象になる場合があります。
インサイダー取引に該当するかは、ここまで挙げた5つのポイントを総合的に考慮する必要があります。
インサイダー取引に抵触する行為をすると重い罰則を科されるので絶対にやらないようにしましょう。十分に注意してインサイダー取引を行っても、思わぬ理由でバレることもあります。
また、会社の内部情報を知ることが多い人は、冤罪を避けるために、どのような取引をすると疑いをかけられることがあるのか知っておくことが重要です。
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