バリュー平均法のメリット・デメリット、ドルコスト平均法との違いを解説

「バリュー平均法にはデメリットはあるの？」「バリュー平均法とドルコスト平均法の違いを知りたい」と考えていませんか？

バリュー平均法を活用すれば、目標額を達成しやすい投資方法ですが、その反面、注意しなければならない点もあります。

本記事では、バリュー平均法のメリット・デメリット、ドルコスト平均法との違いを解説します。

バリュー平均法とは？

バリュー平均法とは、特定の目標額に基づいて投資金額を調整する投資方法です。

投資金額を調整するのは、投資対象の価値が変動する中で、最終的に設定した目標額に達する狙いがあります。

バリュー投資をする場合は、以下の手順に沿って行います。

1. 最終的な目標額を決める
2. 各投資期間ごとに投資対象の目標額を決める
3. 投資を行う

投資を行った結果、目標額を上回っている場合と目標額を下回っている場合では、対応が変わるので注意が必要です。

目標額を上回っている場合は、投資額自体を減らすか上回っている金額分の売却を行います。

バリュー平均法のメリット

バリュー平均法を使うメリットは、主に2つあります。

1. 目標額に必要な投資額を調整できる
2. 下落時に多くの資金を投資できるのでリターンが大きい

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

1.目標額に必要な投資額を調整できる

バリュー平均法では、パフォーマンスによって投資額を変えることで、目標額を確実に達成できるでしょう。

相場が上昇した場合は投資額を減らし、相場が下落した場合には投資額を増やすことで、投資額が目標額に近づくように調整します。

投資額が定まっていることで、感情に流されることなく、計画的に資産を増やすことが可能です。

2.下落時に多くの資金を投資できるのでリターンが大きい

バリュー平均法は、下落時に多くの資金を投資できるのでリターンが大きくなりやすいです。

資産の評価額が下がっていて目標額に達していない場合は、より多くの資金を投入する必要があります。

例えば、ある投資家が毎月10万円を目標額として設定した場合、その月の資産の評価額が8万円に下がった際には、追加で2万円を投資します。

つまり安い価格で多くの量を取引することで平均取得単価を引き下げられるので、将来的に市場が回復すれば、多くのリターンを得られるでしょう。

バリュー平均法のデメリット

バリュー平均法をする上では、デメリットも知っておく必要があります。

1. 定期的に追加購入や売却の判断をしなければならない
2. 毎月の投資額が一定ではない
3. 複利効果を活用しにくい

バリュー平均法を検討している人は、デメリットも確認した上で始めるようにしましょう。

1.定期的に追加購入や売却の判断をしなければならない

バリュー平均法を使う場合は相場の変動に応じて資産の追加購入や一部売却を検討する必要があります。

毎回、判断に時間や手間がかかるため、投資初心者にとっては苦痛に感じるかもしれません。

2.毎月の投資額が一定ではない

バリュー平均法は、毎月の投資額が一定ではないので注意しましょう。

特に相場が長期間下落している場合、資産の評価額が目標額を毎回下回ることが予想されます。そうなれば、毎回追加で多くの資金を投入しなければならないので、資金繰りに苦労する可能性があります。

3.複利効果を活用しにくい

バリュー投資では、複利効果を十分に活用しにくいです。 

複利効果とは、投資によって得られた利益が再投資され、その利益がさらに利益を生むという現象です。長期的な投資においては、複利効果が資産を大きく増やす要因となります。

バリュー平均法では、資産の評価額が目標額を超えた場合、超過分を売却する必要があります。このため、上昇相場では、得られた利益を再投資する機会が減少し、複利効果を享受しにくくなります。

例えば、資産が急激に増加した場合、バリュー平均法に従って一部を売却することで、次回の投資額が減少します。これにより、次回の投資に回す資金が少なくなり、長期的な資産形成において複利効果が薄れる可能性があります。

バリュー平均法とドルコスト平均法の違いを比較

バリュー平均法とよく比較されるのがドルコスト平均法です。両者の違いは主に3つあります。

1. アプローチ方法
2. 投資金額
3. リスクの大きさ

特にどちらの方法で資産運用するか迷っている場合は、両者の違いを確認しておきましょう。

1.アプローチ方法

1つ目は、アプローチ方法の違いです。

バリュー平均法では、投資の目標額を設定し、その目標額に達するように月々の投資額を調整します。投資額が目標額を上回っている売却などをする、下回っている場合は、購入量を増やすといったアプローチ方法です。

このようなアプローチ方法により、確実に目標資産額を達成できるように投資します。

一方で、ドルコスト平均法とは、相場の値動きにかかわらず定期的に一定額を投資する方法です。毎月の投資額が決まっている以上、価格が高いときには購入量が少なくなり、価格が安いときには購入量を増やします。

ドルコスト平均法では、投資時期を分散することで、相場の変動によるリスクをある程度抑えられます。よって、長期的な資産形成に向いている方法です。

2.投資金額

2つ目は投資金額の違いです。

バリュー平均法の場合、目標額を達成するために必要な投資額を調整するため、相場が大きく下落した場合は、追加投資の負担が大きくなることがあります。

一方で、ドルコスト平均法は毎月の投資金額が固定されているので、投資金額を調整する手間がかかりません。

投資額の計算の手間や追加購入時の負担を考えると、ドルコスト平均法のほうが初心者向けの投資方法といえるでしょう。

3.リスクの大きさ

3つ目はリスクの大きさの違いです。

バリュー平均法では、相場が下落すると多くの追加投資が必要になる可能性があります。相場が長期間下落すると、毎月の負担額が大きくなるので、投資を継続できなくなるリスクがあるでしょう。

一方、ドルコスト平均法においても長期間相場の下落が続いた場合、価格が上向かない限り損失が拡大するリスクがあります。

バリュー平均法・ドルコスト平均法のどちらにもリスクがあることは理解しておくべきです。

バリュー平均法・ドルコスト平均法をおすすめする人

バリュー平均法は、以下のような人におすすめです。

• 目標額を決めて資産を増やしたい人
• 価格変動リスクを抑えたい人

バリュー平均法は、あらかじめ設定した目標額に基づいて投資を行うため、具体的な資産形成の目標を持っている人に向いています。老後の資産形成や子供の教育資金などの目的で資産運用を始めたい人にもおすすめです。

加えて、相場の動きに応じて投資額を調整することで、リスクを分散できるため、価格変動リスクに不安がある人も利用しやすいでしょう。

一方で、ドルコスト平均法は以下のような人におすすめです。

• 初心者
• 短期的な値動きに惑わされたくない人
• 長期的な資産形成をする人

ドルコスト平均法は、一定の周期で投資を行うため、投資のタイミングが分からない初心者でも安心して利用できる投資方法です。

また、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入するため、平均購入単価を抑えることができます。一定額を購入していくだけなので、短期的な値動きに惑わされることはありません。

さらに毎月の積立により時間をかけるほど複利効果により資産を増やせるでしょう。

バリュー平均法についてよくある質問

ここからは、バリュー平均法についてよくある質問に回答します。

バリュー平均法をエクセルでどのようにやりますか？

まず、バリュー平均法を実行するために最終目標額、投資期間、バリュー経路（資産の増加パターン）などをエクセルのシートに入力します。次に、設定したバリュー経路に基づいて、各期間ごとの目標評価額を計算します。続いて、定期的に実際の資産評価額をエクセルに入力します。最後に、実際の評価額に基づいて、次回の投資額を調整します。目標評価額に達するために必要な投資額の計算はエクセルの数式を使って自動的に算出できます。

ノーセルバリュー平均法とは何ですか？

ノーセルバリュー平均法とは特定の年利を設定し、その年利を超えた場合には何もせず（売らない）、年利を下回った場合に追加投資を行う方法です。相場の下落時に追加投資を行うことで平均購入単価を下げることができます。一方で、急騰時には資金を投入しないためドルコスト平均法よりも利益が減る可能性があります。

バリュー平均法は毎日投資することもできますか？

バリュー平均法は一般的には毎月や1年ごとに投資を行う方法ですが、毎日投資するときも利用できます。毎月投資する場合と比べると短期間の値動きに対応しやすい反面、購入や売却の手間がかかるのでおすすめしません。

バリュー平均法の改良版はありますか？

従来のバリュー平均法の問題点は、下落相場が続くと購入金額の負担が大きくなることです。修正バリュー平均法では、固定金額に基づいて調整を行うことで、投資額の変動を抑えることができます。

バリュー平均法は目標資産の達成はしやすいが負担も大きい

バリュー平均法は基本的に毎月目標額を達成できるように調整するので、老後資産の形成や子どもの教育ローンのためなど目的がある場合におすすめの投資方法です。しかし、目標額に達していない場合は足りない分を購入する必要があるため、負担が大きくなる可能性があります。

加えて、毎月投資額を調整する手間がかかります。初心者の場合は、毎月一定額を購入するドルコスト平均法のほうが継続しやすいでしょう。

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