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今週の暗号資産は、米CPIの高止まりと約3年ぶりの利上げを受け、上値の重い展開でした。
まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。
9月11日から17日にかけての暗号資産市場は、米国のインフレ指標の底堅さと、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)による約3年ぶりの利上げを警戒する展開となり、ビットコイン(BTC)は概ね76,000ドルから80,000ドルのレンジで上値の重い動きが続きました。

日本時間11日夜に発表された8月の米CPI(消費者物価指数)は、前月比0.4%上昇、前年同月比3.4%と高止まりし、 食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.3%と市場予想の0.2%をやや上回りました。
利上げ観測が強まり、CMEフェドウォッチ(金利先物から利上げ確率を算出するツール)が示す25ベーシスポイントの利上げ確率は87%前後まで上昇。
ビットコインはいったん76,000ドル台前半へ下落した後、買い戻しで80,000ドル近辺まで戻すも、50週移動平均線付近で伸び悩みました。
週末の13日はビットコインが76,800ドル前後で推移し、CMEフェドウォッチが示す利上げ確率は90%程度まで上昇。
15日(日本時間16日)は米10年債利回りが2007年以来となる5%台に乗せ、原油相場(ブレント)も中東の供給懸念から108ドルを上回るなど、 リスク資産に逆風となりました。
同日には米上院で暗号資産の規制枠組みを定めるクラリティ法案が議事手続き投票を通過できず(賛成49・反対50)、規制の先行き不透明感も重なってビットコインは75,900ドル前後まで下押し。
米現物ビットコインETFは同日に4億5,000万ドル超の流出となり、6月下旬以来の大きさを記録しています。
日本時間17日未明のFOMCは、政策金利を0.25%引き上げ3.75〜4.00%とし、2023年7月以来の利上げに全会一致で踏み切りました。
ウォーシュ議長がインフレ警戒を強調したことで、ビットコインは一時75,000ドル近辺まで振れ、イーサリアム(ETH)も2,370ドル台まで下落。

ただし利上げは織り込み済みとの見方から、17日にかけてビットコインは76,000ドル台、イーサリアムは2,450ドル前後へ持ち直しました。
イーサリアムETFも米16日に2億2,400万ドルの流出となりましたが、週前半には流入もあり、週を通じては底堅さが見られています。
次にビットコイン(BTCUSD)とイーサリアム(ETHUSD)についてテクニカル分析の観点からみていきましょう。
ビットコインは、75,000ドル前後から82,300ドル台のレンジを形成しています。上下どちらかを抜けるまでは慎重な判断が求められます。
また、70,400ドル台には200日移動平均線があるため、値下がりしてもこの水準では底堅いかもしれません。

イーサリアムも同様にレンジ相場となりつつあります。上方向へのダマシが発生したこともあり、一時的にレンジを上へ抜けても慎重な判断が求められます。

その一方でレンジを下方向に抜けた場合は、200日移動平均線や2,000ドル割れまで到達するかもしれません。
日本円連動型ステーブルコインのJPYCが17日、韓国大手暗号資産取引所Upbitへの上場直後に急騰し、1JPYC=1円という想定水準から大きく乖離しました。
分散型取引所では一時3倍を超える価格差が生じ、発行元のJPYC株式会社はイーサリアムとポリゴンの各ネットワークで発行予約を一時停止し、いずれも18日未明までに復旧しています。
JPYCは資金決済法上の電子決済手段にあたり、日本円と1対1の比率で発行と償還ができる設計です。
ただし、取引所やDEXでの価格は投資家の需要と供給で決まります。
Upbitは17日18時にウォン、ビットコイン、テザーの3市場で取引を開始しましたが、入出金に対応していたネットワークはイーサリアムのみで、当時のイーサリアム上のJPYCは全流通量の約7%にとどまっていました。
買い注文に対して供給が追いつきにくい状態だったことが、乖離の一因とみられています。
上場前の提示価格は1JPYCあたり8.81ウォンでしたが、17日18時42分時点では35.7ウォンで取引され、同時間帯のグローバル価格の3倍以上に達していました。

coingeckoでJPYC(円建て)の値動きを確認すると、19時に突如急騰し、20時30分に1ドル155.7円換算で約3.1円の高値をつけたことがわかります。
X上では、1円で発行したJPYCをUniswapなどのDEXでUSDCへ交換し、1回の操作で100万円以上の利益を得たとの報告が相次ぎました。
価格は20時台のピークから1時間ほどで約2.26円まで下落し、18日3時には約1.07円と想定水準付近へ戻りました。
発行予約の停止はいずれも数時間で解除され、総流通量は約42.6億JPYCまで増加しています。
乖離がすでに縮小していることから、今から同じことをしても同様の価格差が再現される保証はありません。
今週はFRBの利上げやクラリティ法案の否決といった暗号資産にネガティブな報道が相次いだ割にビットコインやイーサリアムは底堅い動きで推移しました。
ただし、来週以降の報道により遅れて下落する可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。