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今週の暗号資産は、ビットコインを中心に大きく値下がりする局面が見られました。
まずはビットコインやイーサリアムの値動きからご紹介します。
7月3日から10日にかけての暗号資産市場は、米国の経済指標を受けたマクロ環境の変化と、米当局による規制緩和の動きを背景に、底堅さを試しつつも上値の重い展開となりました。
先週の3日から5日にかけては、発表された米6月雇用統計において非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げ観測が後退。
これが市場の支えとなり、ビットコイン(BTC)は6万ドルちょうど近辺でのもみ合いからジリ高の推移へ転じ、5日未明には約2週間ぶりとなる63,000ドル台を回復しました。

イーサリアム(ETH)も1,700ドル台を回復するなど主要銘柄が軒並みしっかりとした動きを見せています。

この間、技術面ではイーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が大規模な再設計構想「Lean Ethereum」に言及したほか、ロシアやイランなどによる制裁回避手段としての暗号資産利用規模が2025年に約1,000億ドルに達したとの調査結果が話題となりました。
週半ばの6日から7日にかけては一段と買いが進み、BTCは朝方に一時64,000ドル台半ばまで上昇して約2週間ぶりの高値を付けました。
その後は利益確定売りや戻り売りに押されて伸び悩んだものの、63,000ドル割れの水準では買い戻しが入り下値は限られています。
材料面では、米証券取引委員会(SEC)のアトキンス委員長が2026年の規制アジェンダを公表し、仮想通貨の投資契約を展開する開発者への証券登録一時免除などを盛り込んだ新たなルール案「レギュレーション・クリプト」を今月中に提案する方針を示したことが好感されました。
また、米上院での暗号資産市場構造法「CLARITY法案」の採決が8月上旬になる可能性や、リップル社が欧州の暗号資産市場規制(MiCA)に基づく正式認可を取得したことも市場の安心感に寄与しています。
9日から10日にかけては、BTCが62,000ドル割れの水準から63,000ドル台へと押し目買いを支えに持ち直す動き。
オンチェーン分析企業グラスノードは、現在の価格帯が主要投資家の平均取得単価を下回る割安圏にあり、相場は「底値形成の最終段階」にあるとの分析を公表しています。
しかし、過去の高値圏で購入した長期保有者による損失確定の売りが1日あたり約2億8,000万ドル規模に達して上値を抑えているほか、米現物ビットコインETFからの断続的な資金流出(6月下旬以降の9取引日連続で約17.2億ドル流出)が償還圧力となっており、機関投資家の慎重姿勢が相場の本格的な回復に対する足枷として意識されています。
続いて、ビットコイン(BTCUSD)とイーサリアム(ETHUSD)の価格についてテクニカル分析の観点から分析してみましょう。
まず、ビットコインは7月6日の高値から下落が続いているため、チャネルの上値を超えられなければ本格的な上昇相場に移行しない可能性があります。

その一方で61,000ドル前後では底堅さを示す長い下ヒゲが出現しており、足場を固めることができるかを注視しましょう。
次にイーサリアムは、綺麗なレンジ相場が続いています。6月15日に付けた1,800ドル台を超えることができれば上昇方向への値動きが加速するかもしれません。

他方、これ以上の下落を避けるためには、1,500ドル台を割らないことが求められます。
今週の暗号資産市場では、上場企業による暗号資産の財務準備資産(トレジャリー)戦略において、対照的な二つの動きが大きな注目を集めました。
イーサリアム(ETH)を主軸に据えるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(以下、ビットマイン)は7月6日、直近の1週間で4万2,197ETH(約7,400万ドル相当)を市場から追加取得したと発表。
これにより、同社の総保有量は574万2,237ETHに達し、イーサリアムの総供給量の約4.8%を1社で占める前例のない規模となっています。
同社は総供給量の5%獲得を目指す投資戦略「アルケミー・オブ・5%」を掲げており、開始からわずか1年で目標の95%に到達しました。
ビットマインの戦略で特徴的なのは、保有するETHの約85%に相当する約488万ETHをステーキング運用に回している点です。
年換算で2億ドルを超えるインカムゲイン(利回り報酬)を生み出す構造を確立しており、単なる資産保有にとどまらず、イーサリアム経済圏の主要なバリデータとしての地位を固めています。
同社のトム・リー会長は、米国の暗号資産市場構造法「CLARITY法案」の進展がスマートコントラクト基盤であるイーサリアムの利用拡大を後押しするとの見解を示し、足元のETHの買い増しを正当化。
さらに、同社株がラッセル1000大型株指数に組み入れられたことで、機関投資家からの間接的な資金流入も期待されています。
対照的に、暗号資産トレジャリー企業として世界最大規模を誇るビットコイン(BTC)保有企業のストラテジーは同日、6月下旬から7月上旬にかけて計3,588BTC(約2億1,600万ドル相当)を売却したことを米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかにしました。
これは同社が新設した「デジタル・クレジット資本フレームワーク」に基づく大規模売却の初行使となります。
売却の目的は、発行済みの優先株への配当支払いと米ドル準備金の補充です。これまでストラテジーは、株式や社債の新規発行などレバレッジをかけた資金調達によってBTCを買い増し続けるキャピタルゲイン依存型の戦略をとってきました。
しかし、独自の企業価値指標である「mNAV」が一時1倍を割り込み、優先株の市場価格が基準額を下回るなど資金調達環境が悪化したことから、負債や配当の支払い義務を果たすために保有資産を取り崩さざるを得ない局面を迎えています。
両社の動向は、企業による仮想通貨保有モデルの過渡期を示しています。ビットマインがステーキング報酬という安定したキャッシュフローを組み込み、規制明確化を追い風に攻めの姿勢を崩さないのに対し、ストラテジーは調達環境の冷え込みから資産の現金化を迫られるサイクルに入っています。
トランプ大統領がイランとの停戦について終わったことを示唆する発言をしたことで、再び中東情勢が緊迫化する可能性があります。
そのため、再び米国やイスラエルとイランの間で戦闘が起きれば暗号資産の値動きに大きな影響を与える可能性があるため、警戒が必要です。
本記事は市場動向の解説を目的としたものであり、特定の取引を推奨する投資助言ではありません。レバレッジを伴う取引は、高い収益の可能性がある反面、元本を上回る損失のリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。過去の分析結果は将来の運用成果を確約するものではありません。