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リスクオンとは、投資家が積極的にリスクの高い資産に資金を投入している状況のことです。
好景気になると、投資家は強気になるため、より利益率が高く値動きの大きい商品に好んで投資するようになります。
一方で、リスクオフとは、投資家が金融資産をリスクの高い商品からリスクの低い商品に移動させることです。
不景気になると、多くの投資家は損失を回避しようとします。そのため、期待できる利益は少なくても大きな損失を被る可能性が低い商品に資金を移します。
リスクオンとリスクオフでは、それぞれ買われたり売られたりする商品が変わります。
まず、リスクオン時に投資家から買われることが多いのは、以下の商品です。
買われやすい商品 | 例 |
高金利通貨 | ・南アフリカランド
・メキシコペソ ・トルコリラ
|
新興国通貨 | ・ブラジルレアル
・人民元 ・インドルピー |
資源国通貨 | ・豪ドル
・NZドル |
国内外の株式 | ・日本の株式
・先進国の株式 ・新興国の株式 |
新興国の債券 | ・メキシコの債券
・タイの債券 ・インドネシアの債券 |
コモディティ | ・原油
・小麦 ・砂糖 |
また、リスクオン時には、ドル円が上昇する傾向があります。
というのも、どちらの通貨もリスクオン時には売られる通貨ですが、円はドル以上に売られやすいからです。
加えて、リスクオン時には、キャリートレードも活発になります。キャリートレードとは、低金利通貨で資金を調達して、高金利通貨や新興国通貨を購入することです。
日本円は世界的には低金利通貨のため、キャリートレードに使われることが多く、円が売られやすくなります。
リスクオフになった際に買われることが多いのは、以下のような商品です。
買われやすい商品 | 例 |
避難通貨 | ・ドル
・円 ・ユーロ |
債券 | ・米国の国債
・日本の国債 |
金 | ・金現物
・金先物 ・金ETF |
リスクオフになると、損失のリスクを避ける人が多くなるので、先進国の通貨や国債、金などが買われやすくなるでしょう。
また、リスクオフ時は以下の理由によりドル円の価格は下落しやすくなります。
なお、金利については下がる傾向があります。なぜなら、景気が悪化すると、中央銀行は市場の安定化のために政策金利を引き下げることが多いからです。
金融資産のリターンは、好景気と不景気では大きく変わります。ここからは、リスクオン・リスクオフで金融資産のリターンを比較してみましょう。
リスクオン時は、多くの金融資産のリターンが高くなります。以下は、2020年2月〜2024年6月のリスクオン時の各金融資産ごとのリターンです。
出典:myINDEX
日本株・米国株を始めとして、エマージング債やコモディティなど多くの金融資産が高いリターンを得ていることが分かるでしょう。
次にリスクオフ時の金融資産ごとのリターンを見ていきます。
以下は、世界金融危機(2007年7月-2009年2月)に全資産に投資していた場合のリターンです。
出典:myINDEX
ほとんどの金融資産は大きく下落しました。株の下落率は6割、先進国REITに至っては7割も下落しています。
一方で、日本債券や金といった資産は、逆にわずかながら上昇しています。
このことからも、リスクオフ時は、債券や金など安全性が高いといわれている資産の成績が良くなることが分かるでしょう。
ここからは、リスクオンとリスクオフを判断する方法を紹介します。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
1つ目の方法は、ニュースの報道を見ることです。
相場関連のニュースでは、リスクオンやリスクオフといった語句が使われることが良くあります。
好景気になると、相場関連のニュースでもリスクオンの言葉が出やすくなります。
一方で、不景気になると逆にリスクオフの言葉が出やすくなるでしょう。ただし、ニュースとして報道されるようになった時点では、既にエントリーが遅い可能性があります。
リスクオンとリスクオフで現在の相場状況を把握できますが、エントリーは慎重に検討すべきです。
2つ目の方法は、VIX指数を見ることです。VIX指数とは、シカゴ・オプション取引所が、S&P 500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出している指数です。
VIX指数の数値によって、現在の投資家の感情を理解できます。一般的には以下のように判断します。
数値 | 状況 |
10〜20未満 | 落ち着いている |
20以上 | やや不安定 |
30以上 | 不安定 |
40以上 | パニックに近い状態 |
1990年以降のVIX指数を見ると、以下のように経済が急速に悪化した際に数値が大きく上昇していることが分かります
特に世界金融危機が発生した時期には、VIX指数が89.53まで到達しました。VIX指数はリアルタイムで確認できるので、相場の状況をすぐに把握しやすいでしょう。
3つ目は、リスクオン・リスクオフ指数(ROBO指数)を見る方法です。
リスクオン・リスクオフ指数とは、HSBC社が開発した指数で、株式・債券・商品・通貨といった34の金融資産それぞれの値動きと市場の値動きの相関性を示したものです。
リスクオフになると、リスクオン・リスクオフ指数の数値が上昇しやすくなります。リスクオン・リスクオフ指数は、HSBCグローバルリサーチのデータから確認できます。
過去のリスクオン・リスクオフ相場を見ることで、今後投資をする際に、相場がどのように動くのか予想する材料になるでしょう。
ここからは、リスクオンとリスクオフの事例に分けて、ドル円やNYダウなどの値動きを解説します。
リスクオンの事例では、信用バブルとアベノミクスのときに相場がどうなったか見ていきましょう。
世界金融危機前に世界的な超低金利政策に伴ってサブプライムローンの信用バブルが発生しました。
この時期は典型的なリスクオン相場と言える状況でした。
まず、ドル円相場を見ると、2006年4月の109円台から2007年6月には124円台まで上昇しています。
次に同時期のNYダウの相場においても、10,600ドル台から14,000ドル台まで伸びています。
続いて、ゴールドの相場を見てみましょう。
ゴールドについては、ドル円やNYダウほど長期間の上昇にはつながっていません。500ドル台から720ドルの範囲でレンジ相場に移行しました。
最後に、日本国債10年物の相場を見ると、1.5%〜2.0%の範囲で推移しています。
2006年3月から5月にかけて0.5%上がった後は、レンジ相場に移行しています。
次に紹介するリスクオン相場は2013年から2014年にかけて発生したアベノミクス相場です。
アベノミクスは2012年12月に発足した第2次安倍内閣で安倍首相が掲げた3本の矢による経済政策のことです。
アベノミクスのなかでも最もインパクトが大きかった出来事は、2013年4月4日に日銀が発表した異次元の金融緩和施策です。
ここでは4月4日の発表後の各相場の値動きを見ていきましょう。
まず、ドル円相場は日銀の発表後に大きく円安方向へ動き出しました。その後も円安ドル高の流れは続いて、2014年末には122円台まで上昇しています。
続いて日経平均株価の値動きを見ると、大きく上昇しました。2014年末までの間に12,000円から18,000円と約1.5倍も株価が上昇しています。
次に日本国債10年物の相場を見ていきましょう。日銀の発表直後は上下に大きく金利が動き、5月には1%に到達します。
しかし、その後は長期にわたって下落が続き、2014年末には0.2%台まで下落しました。
このように、リスクオン時は、株やドル円は大きく上昇する一方で、金や債券はあまり上昇しないか下落する傾向があるといえるでしょう。
ここからは、リスクオフの事例として、米同時多発テロ、世界金融危機、コロナショックの3つを取り上げます。
各商品の値動きについて見ていきましょう。
2001年9月11日に米同時多発テロが発生した際、相場は一挙にリスクオフになりました。
まずは当時のドル円の値動きから見ていきましょう。当時のドル円は121円〜122円前後で推移していました。
しかし、米国同時多発テロが起きて以降、たった8日間で115円台まで円高に進みました。
次にNYダウの相場を見てみましょう。NYダウについても、米同時多発テロが発生直後から大きく下落して、たった5日間で1,500ドル以上も下落しました。
続いて、ゴールドの相場を見ると、ドル円やNYダウとは逆に、米国同時多発テロの発生直後から急上昇しました。
特に9月11日は、271ドル台から291ドル台まで20ドルも上昇しています。
世界金融危機(2007年7月-2009年2月)とは、サブプライローン問題を発端として起きたリーマンショックと一連の国際的な金融危機のことです。
ドル円相場を見ると、2007年7月に124円台だったドル円は2008年の3月までに28円も下落しました。
その後、一旦は反発するものの、9月のリーマンショック前後から87円台まで下落しています。
2度にわたって大きな下落をするほどの、大きな出来事といえるでしょう。
次にNYダウの相場を見ると、1年9か月で14,000ドル台から7,300ドル台まで暴落しました。特にリーマンショック発生時は大きく急落しています。
続いて、ゴールドの相場を見ると、2007年9月頃から大きく上昇しました。その後はほぼ全戻しで下落したものの、2008年11月以降は反発して再度1,000ドル台まで到達しています。
世界金融危機においても、ゴールドは株やドル円とは逆方向に動いていることが分かります。
最後に日本国債10年ものの相場を見ていきましょう。
2007年7月以降、2008年3月までに日本国債の金利は1.96%台から1.21%台まで下落しました。
そして、7月からは再度1.16%台まで大きく下落しています。
日本国債10年ものの金利は、株式と似たような動きをしていました。
ここからは、2020年2月に発生したコロナショック時の各相場の値動きを見ていきましょう。
まず、ドル円は、コロナショック後に10円以上、円高方向に傾いています。
NYダウについても29,000ドル台から18,000ドル台まで大きく下落しました。底値からの回復は、ドル円よりもやや遅かったようです。
続いて、ゴールドの相場を見ると、逆に上昇はしたものの3月前半からは下落に転じました。
株やドル円とは逆方向に動いているといえます。
最後に日本国債10年ものの相場を見ると、当初は下落していましたが、ドル円と同じく3月前半頃から上昇しました。
このように、リスクオフ時は株とドル円は下落しやすい一方で、ゴールドは逆に上昇しやすいといえるでしょう。
現在の相場がリスクオン・リスクオフのどっちか理解しておこう!
これから投資を始める人は、現在の相場がリスクオン・リスクオンのどっちに当てはまるか理解しておきましょう。
現在の相場状況の判断を誤ってしまうと、大きな損失を被る可能性があります。
リスクオン・リスクオフで買われやすい銘柄を理解しておくことで、慌てずに対処できるでしょう。
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