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アメリカのCPI(消費者物価指数)は、重要な経済指標です。アメリカのCPIが上昇すると、日常生活や株式、為替相場にも大きな影響があります。
本記事では、アメリカのCPIが上昇するとどうなるか、発表後のドル円の値動きを解説します。CPIをトレード判断の材料として取引したい人は、ぜひ参考にしてください。
アメリカの重要な経済指標の一つ CPIとは、消費者が購入する商品やサービスの価格動向を示す指標で、インフレの重要な指標として広く用いられています。
CPIは、基準年の価格を100として、現在の価格が時間とともにどれだけ変化したかをラスパイレス算式と呼ばれる方法で算出します。
ラスパイレス算式の計算式は以下の通りです。
(比較時の価格×基準時の数量÷基準時の価格×基準時の数量)×100
CPIは、消費者物価指数とも呼ばれており、特に世界経済の中心地であるアメリカのCPIは世界中の投資家から注目されています。
アメリカのCPIは、毎月15日前後の日本時間22時30分(サマータイムは21時30分)に発表されます。
アメリカのCPIには、主に総合CPIとコアCPIの2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
総合CPI | ・すべての調査対象品目を含んだ指数
・食品やエネルギーなど、変動が激しい項目を含む ・消費者の日常生活にかかる費用の変化をより直接的に反映する |
コアCPI | ・総合CPIから食品とエネルギー価格を除外した指数
・変動が激しい項目を除くことで、より安定した物価動向を示す ・中長期的なインフレ傾向を把握 |
FXのトレーダーは、コアCPIの数値を重視して見る傾向があります。
なぜなら、中央銀行が金融政策検討時にコアCPIを重視して見ているのに加えて、長期的なインフレ傾向を把握しやすいことから為替相場の中長期的な方向性も見やすいためです。
アメリカのCPIが上昇する場合、主に以下の原因が考えられます。
物流の遅延や供給不足による問題
エネルギー価格の変動
労働市場の状況
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
1.物流の遅延や供給不足による問題
1つ目は、物流の遅延や供給不足による問題です。
世界的な物流の混乱、商品や原材料の不足が発生すると、需要と供給のバランスが崩れるので、物価が上昇しやすくなります。
また、物流の遅延による輸送コストや商品・原材料の供給不足による調達コストが増加した場合、価格も上がりやすくなります。
2.エネルギー価格の変動
2つ目の理由は、エネルギー価格の変動です。特に原油価格が上昇すると、ガソリンや暖房油といったエネルギー製品の価格が値上がりします。
実際、2022年6月にCPIの上昇率が前年同月比9.1%に達しましたが、そのうちエネルギーの寄与度は3.0%もありました。
出典:みんかぶ
その理由は、新型コロナ禍からの経済回復やロシアのウクライナへの軍事侵攻によりWTI原油価格が120ドル台まで上昇していたからです。
一方、その後アメリカのCPIは下落しつつありますが、原油価格の下落が影響しています。このように、アメリカのCPIはエネルギー価格の変動の影響を受けます。
3つ目の原因は、アメリカの労働市場の逼迫による賃金上昇圧力です。労働者の不足が深刻化すると、企業は人材を確保するために賃金を引き上げざるを得なくなります。
賃金上昇は企業のコスト増加につながり、最終的に商品やサービスの価格に転嫁されるため、CPIの上昇を引き起こします。
例えば、2022年から2023年にかけて米国では、失業率が歴史的な低水準で推移し、求人数が求職者数を大幅に上回る状態が続きました。さらに、平均時給は前年比4%以上の上昇率を維持し、サービス業を中心に賃金上昇圧力が強まりました。
このように、労働市場の逼迫と賃金上昇がCPIの上昇に大きく寄与することがあります。
アメリカのCPI(消費者物価指数)が上がると経済に以下のような影響を与えることがあります。
それぞれの影響について順番に見ていきましょう。
アメリカのCPIが上昇すると、インフレ率も上がります。
CPIはインフレ率を測定する主要な指標であり、消費者が購入する商品やサービスの価格変動を反映します。
CPIの上昇によりインフレ率が高くなると、物価の上昇や金融政策の変更、賃金上昇圧力が増えるといった影響が出るでしょう。
アメリカのCPIが上昇すると、インフレを抑制するために米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げる政策を取ることがあります。
FRBが金利を引き上げる理由は、経済活動を抑制して、インフレによる圧力を軽減する狙いがあるからです。
具体的には、以下のような効果をもたらします。
2022年から2023年にかけてインフレ率が40年ぶりの高水準に達したことを受けて、FRBは2022年3月から2023年7月までの間に、政策金利の誘導目標を0.00-0.25%から5.25-5.50%まで11回も引き上げました。
アメリカのCPIの上昇は、為替市場においてドル高円安の傾向を引き起こす可能性があります。
その理由としては以下の3つがあります。
実際、アメリカのCPIが2020年5月の0.1%から2022年6月に9.1%まで上昇した際のドル円相場を見ると、30円以上もドル高円安が進んでいます。
日本がこの期間に金融政策を変更していなかったために日米の金利差が開いたことが主な原因ではありますが、CPIの上昇が為替レートに影響を与えることがあります。
4.株式市場への影響
アメリカのCPIが大きく上昇すると、株式市場が下落することがあります。
なぜなら、CPIの上昇がFRBの金利引き上げを促すためです。金利が引き上げられると、企業の借り入れコストが増加するので収益性の悪化を招きます。
また、金融引締により経済成長の鈍化を招く可能性もあります。
実際、2022年にインフレ抑制のためFRBが積極的な利上げを実施した際には、NASDAQ指数は大きく下落しました。
このことからもCPIの上昇は株式市場に影響を与えることが分かるでしょう。
5.消費者購買力への影響
CPIの上昇によりインフレが加速すると、消費者の購買力を低下させる傾向があります。
インフレにより同じ金額で購入できる商品やサービスの量が減少したり、賃金上昇率がインフレ率に追いつかない場合は実質的な所得が目減りしたりします。そのため、生活費以外の支出に回せるお金が減少するでしょう。
日本のCPIが上昇すると、一般的にドル円相場は円高ドル安方向に動く傾向があります。
その理由は、日本銀行の金融緩和政策の修正や引き締めやインフレ抑制のための金利引き上げ期待が高まるからです。
ただし、CPIが上昇したからといって、即円高になるとは限りません。米国の金融政策や経済指標、地政学的リスクなど、他の要因も大きく影響します。
ここからは、過去のCPI発表時のドル円相場について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2022年11月10日にアメリカの10月CPI発表後、ドル円は最大で約6円も急落しました。
この「CPIショック」は、10月まで続いていた「止まらない円安」の様相を一変させるきっかけとなりました。
結果 | 予想 | 前回結果 | |
総合指数 | 7.7% | 7.9% | 8.2% |
コアCPI | 6.3% | 6.5% | 6.6% |
総合指数、コアCPIともに予想を下回ったことで、ドル円も急落しています。
2.2024年7月11日:弱いCPIを受けて4円以上の急落
2024年7月11日に米国の6月CPIが弱い結果となったことを受けて、ドル円は一時157.343円まで急落しました。
結果 | 予想 | 前回結果 | |
総合指数 | 3.0% | 3.1% | 3.3% |
コアCPI | 0.1% | 0.2% | 0.2% |
3か月連続で上昇率が低下したことに加えて、この結果によりFRBが9月のFOMCで利下げに踏み切るとの見方が強くなったことで、ドル安円高が進行しました。
アメリカのCPI(消費者物価指数)が上がると、インフレ率、金利政策、為替市場、株式市場、消費者の購買力などに大きな影響を与えます。特に、FRBの金融政策決定に大きく影響して、為替相場や株価の変動につながるので、FXや株式トレーダーにとっては重要視する経済指標の一つです。実際に、過去の相場では、CPIの予想外の結果がドル円相場に大きな変動をもたらしたこともあります。
FXの取引をする場合は、雇用統計やGDPと同じくCPIの結果を注意して見るようにしましょう。
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