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「株トレーダーだけど開業届を提出するべきか分からない」「株の利益を事業所得にしたい」と考えていませんか?
株の利益を事業所得で申告するために開業届を出そうとしているなら、あまりおすすめしません。なぜなら、株によって得た所得が事業所得として認められることはほとんどないためです。
本記事では、株トレーダーが開業届を提出する必要がない理由や根拠、個人でもできる税金対策について詳しく解説します。
専業トレーダーのように株の取引のみをしている人や会社員だけど株で毎年多くの収入を得ている人は、ぜひ参考にしてください。
個人事業主として株取引を行うトレーダーは開業届を提出すべき? H2
結論、株トレーダーが個人事業主として開業届を提出する義務はありません。
というのも、株取引による所得は、一般的に「雑所得」または「譲渡所得」として分類されるからです。そもそも、個人事業主として認められるためには、所得が「事業所得」として認定される必要があります。
ところが、株取引による利益が事業所得として認められることはほとんどありません。
国税庁の見解によると、個人で行う株式の売買は資産運用と見なされ、商品やサービスの提供とは異なるため、事業所得として認められにくいとされています。
また、開業届を提出しても、株取引による所得を自動的に事業所得に変更できるわけではありません。
開業届はあくまでも「事業を始めた」という意思表示に過ぎないので、課税する所得の区分は、税務署が実情を見て判断します。
よって、開業届を提出しても、トレードによる利益が事業所得として認められない限り、青色申告特別控除などの税制上の優遇措置も受けられないので注意しましょう。
事業所得として認められる基準
ここからは、そもそも事業所得として認められる基準について紹介します。
まず、株トレードによる利益が事業所得として認められるためには、事業としての社会的客観性を見られます。
例えば、取引が継続的であり、営利目的で行われていることが必要です。
株取引が事業所得として認められるためには、安定した収益を得るために相当な期間にわたり取引を行っている必要があります。つまり、短期間の取引やたまたま取引をして得た利益ではなく、明確なビジネスモデルに基づいた取引であると認定されなければ事業所得として認められることはないでしょう。
取引の頻度と取引金額の規模も重要な点です。株取引が事業所得として認められるためには、頻繁に取引を行いかつ取引金額の規模が大きい必要があります。一方で、単発の取引や取引金額が小さい取引では、事業所得として認められることはないでしょう。
株取引に関する過去の判例
株取引で得た利益について原告が事業所得であることを求めて裁判を起こしたことがありますが、いずれも原告側の敗訴に終わっています。
いくつか判例を挙げると、以下の通りです。
有価証券の売買による所得を雑所得とした事例 裁決事例集 No.1 – 9頁
有価証券の売買は、継続的に行われているが、売買の実態を総合的に勘案すると、その所得は事業所得ではなく雑所得とすることが相当である。
昭和45年9月30日裁決
出典:国税不服審判所
有価証券の売買による所得が事業所得ではなく雑所得であるとした事例 裁決事例集 No.21 – 19頁
株式の取引が事業に当たるか否かは、一般社会通念に照らして判断するほかはないが、そのためには事業としての社会的客観性が問われるべきであり、この観点からすれば、その取引の種類、取引におけるその者の役割、取引のための人的、物的設備の有無、資金の調達方法その他諸般の状況等を総合勘案して判断すべきものであり、単に所得税法施行令第26条第2項各号に規定する株式の売買回数及び売買株数を充足しているだけでは足りず、株式のために投下若しくは動員された資金の額及び人的物的設備等が相当程度の規模によっていることを要すると解されるところ、請求人の株式取引のために費やした精神的、肉体的労力の程度、取引のための資金調達の方法、その人的、物的設備の組織的な利用状況、請求人の社会的地位等から判断して、本件の株式取引は事業に当たるとする社会的客観性を有しているものとは認められないので、当該株式取引から生じた損失の額を、雑所得を生ずべき営利を目的とした継続的行為から生じた損失の額と認定した原処分は適法である。
昭和55年11月3日裁決
出典:国税不服審判所
ここで挙げた事例以外も含めて裁判所の判断をまとめると、以下の通りです。
そのため、株の所得を事業所得として認定してもらうのはかなり厳しいといわざるを得ないでしょう。

株トレーダーは開業届を出すことはできても、収入を事業所得として認めてもらうことは困難です。
しかし、いくつかの方法により税金を抑えることはできます。
それぞれの税金対策について詳しく見ていきましょう。
1.経費を計上する
どんな株トレーダーでもできる税金対策は経費を計上することです。
経費とは、以下のように株取引をするのにかかった費用を指します。
| 取引手数料 | 証券会社に支払う手数料 |
| 通信費 | インターネット利用料や電話代の一部 |
| パソコンやモニターの購入費用 | 取引に使用するために購入したパソコンやモニター |
| セミナーや書籍 | 株式投資のセミナーへの参加費や交通費、懇親会費、書籍や情報商材の購入費 |
| 株取引を行う事務所の家賃 | 株取引を行う部屋の面積や使用時間に基づいて経費にできる金額が決まる |
ただし、通信費や事務所の家賃は、株取引のみに使用した費用しか認められません。事務所の家賃を例に説明すると、株取引を行う部屋の面積を自宅の総面積で割って使用割合を求めます。
仮に家の総面積が100平方メートルで株取引を行っている部屋の面積が30平方メートル、家賃が20万円の場合は、以下のように計上します。
按分割合を計算する:20平方メートル÷100平方メートル=20%
家賃に按分割合をかける:20万円×20%=4万円
よって4万円のみを経費にすることが可能です。
また、経費を計上する際には、必ず領収書や支払いの証拠となる書類を保管する必要があります。
2.損益通算や繰越控除を利用する
損益通算や繰越控除を利用すれば、税金の算出に用いる課税所得を減らせるので、支払う税金を抑えることが可能です。
損益通算とは、同一年度内で発生した利益と損失を相殺することです。例えば、証券会社A社で70万円の利益を上げ、証券会社B社で20万円の損失を出した場合、損益通算により合算できるので、課税対象となる所得を50万円に減らせます。
70万円(A社の利益)-20万円(B社の損失)=50万円(課税所得)
次に繰越控除とは、特定の年に発生した損失を翌年以降に繰り越し、将来の利益から控除できる制度です。
個人の場合は、最大3年間にわたり損失の繰越が可能です。
例えば、2024年の株取引による所得が500万円、2023年の株取引による所得が-300万円のケースで考えてみましょう。
損失繰越をしなかった場合、500万円の所得に対して課税されるため、101万5,750円の税金を支払う必要があります。
500万円×20.315%=101.575万円
一方、損失繰越をした場合は、課税所得を500万円から200万円に減らせます。
500万円(2024年の利益)-300万円(2023年の損失)=200万円(課税所得)
課税所得が減ることで支払う税金を抑えられるのです。
200万円×20.315%=40.63万円
3.各種控除をする
各種控除を活用すれば、課税所得から一定額を差し引くことができるため、税金を抑えられます。
例えば、以下のような控除を活用できるか検討しましょう。
| 配偶者控除 | 納税者の配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合に適用 |
| 扶養控除 | 納税者の扶養家族(子供や親など)がいる場合に人数に応じて控除される |
| 医療費控除 | 年間の医療費が一定額を超えた場合に適用される控除 |
| 住宅ローン控除 | 住宅を購入するために借り入れたローンの利息分を控除できる制度 |
ただし、株取引による所得が大きい場合は、控除を受けられなくなることがあるので、事前に適用できるか確認しておきましょう。
4.新NISAを活用する
新NISAの成長投資枠では株の取引ができます。年間240万円、最大1,200万円分までは運用益や分配金が非課税となります。
国内株だけでなく外国株の取引もできるので、税金を抑えたい場合はNISAを利用したほうが良いでしょう。
ただし、新NISAでは信用取引ができないため、下落相場で利益を得ることは難しい点に注意が必要です。
個人や個人事業主であれば、税金対策も重要ですが、まずは利益を増やすことが重要です。
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それぞれにメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.レバレッジが高い
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レバレッジとは、預け入れた証拠金の何倍もの金額を取引できる仕組みのことです。
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3.下落局面でも利益を狙える
株式CFDは、売りからでも入ることができるので、下落局面でも利益を狙えます。
例えば、株価が10,000円の時に売りポジションを持ち、その後9,000円で買い戻すことで1,000円の利益を得ることが可能です。
加えて、信用取引のように逆日歩(空売り時の手数料)が発生しないため、取引コストも抑えられます。

株の利益にかかる税金を抑えるために開業届を提出して個人事業主になれば税金を抑えられると考える人は少なくありません。しかし、国税庁がホームページで見解を出しているように、原則譲渡所得として課税されるため、事業所得として認めてもらうのは難しいでしょう。
個人や個人事業主で株取引をする場合は、税金対策よりも利益を増やすことに集中したほうが手元に残るお金を増やせるかもしれません。
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