オルタナティブ投資とは？ メリット・デメリット、投資戦略を解説 

とはいえ、一般的な投資先と比べて何が違うのか分からないのではないでしょうか？

本記事では、オルタナティブ投資のメリット・デメリットや始めるポイントを紹介します。株や債券以外に投資先を探している人は、ぜひ参考にしてください。

オルタナティブ投資とは、伝統的な投資先である株式や債券以外の投資手法を指します。

オルタナティブ投資を行う目的は、ポートフォリオの多様化を図り、市場の変動に対するリスクを軽減することです。

オルタナティブ投資の例を挙げると、以下の通りです。

オルタナティブ投資は、高いリターンを狙えることに加えて、ITバブル崩壊・リーマンショックなどの金融危機時に伝統的な株式・債券投資だけでは十分なリスク分散ができなかったことで、投資家から注目されるようになりました。

また、実はオルタナティブ資産の運用は、海外だけでなく日本国内の年金基金であるGPIFにおいても行われています。

以下の表は、GPIFにおけるオルタナティブ資産の時価推移です。

出典：GPIF

2014年の時点ではオルタナティブ資産の時価はわずか2億円でしたが、2020年度から始まったGPIFの第4期中期計画により、資産全体の5%を上限にオルタナティブ資産（インフラストラクチャー、プライベート･エクイティ、不動産）で運用するようになりました。

その結果、2024年3月には時価総額が3兆6,9672億円まで増加しています。

このようにオルタナティブ投資は、機関投資家を中心に注目されている投資方法です。

オルタナティブ投資には、以下のメリットがあります。

1. 分散効果がある
2. 大きなリターンを狙える
3. インフレのヘッジとして活用できる
4. 株式市場の下落時でも利益を得られる可能性がある

それぞれのメリットについて順番に見ていきましょう。

1.分散効果がある

1つ目のメリットは、オルタナティブ投資には分散効果があることです。というのも、投資先の金融商品は、伝統的な株式や債券市場とは異なる動きをする傾向があるためです。

例えば、金や原油などのコモディティは経済不安時に安全資産として注目されるので、株式市場の下落時に逆相関的な動きをすることがあります。

世界的な金融危機が起きても、資産の一部をオルタナティブ投資で運用することで、株や債券の損失分をカバーできるかもしれません。

2.大きなリターンを狙える

2つ目は大きなリターンを狙えることです。

オルタナティブ投資では、伝統的な投資方法よりも大きなリターンを狙える可能性があります。

新興国の不動産市場では、現地の事情に詳しい投資家が、他の投資家よりも早く割安な物件を見つけられる可能性があります。

また、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産は、法定通貨よりも値動きが大きいため、短期間で大きな利益を得られる可能性があるでしょう。ドージコインのように大企業のCEOやインフルエンサーの影響により知名度が上がり、価格が短期間で150倍以上に高騰したアルトコインもあります。

オルタナティブ投資なら、市場で広く売買されている株や債券よりも大きなリターンを狙えるかもしれません。

3.インフレのヘッジとして活用できる

3つ目は、インフレのヘッジとして活用できることです。インフレが進行すると、金・原油などのコモディティの価格は上昇しやすくなります。

不動産投資をしている場合も、インフレにより不動産価値の上昇や毎月安定的に賃料収入を得ることができます。

インフレが発生してもこれらの金融商品の収入により株や債券の値下がりをカバーできるでしょう。

4.株式市場の下落時でも利益を得られる可能性がある

4つ目は、株式市場の下落時でも利益を得られる可能性があることです。

なぜなら、株式市場の値動きの影響を受けにくい点や先物・オプション取引のように売りからでも入ることができる金融商品もあるからです。

オルタナティブ投資なら株式市場の下落時においても、積極的に利益を追求できます。

オルタナティブ投資には、以下のようなデメリットがあります。

1. 良い投資先を探すのが難しい
2. 自由に解約できない
3. 商品内容が複雑で分かりにくい
4. まとまった資金を用意しなければ始めることができない

順番にデメリットを見ていきましょう。

1.良い投資先を探すのが難しい
1つ目は、オルタナティブ投資は良い投資先を探すのが難しいことです。なぜなら、情報がほとんど公開されていないことも多いためです。

例えば、上場されていない企業に投資をする際、詳細な財務情報や事業計画を入手するのは簡単ではありません。加えて、将来的に成長するかを判断するには、専門的な知識や経験も必要です。

ヘッジファンドに投資する場合も運用戦略や過去のパフォーマンスに関する情報が少ないため、優秀なファンドマネージャーを見極めるのは簡単ではありません。

このように、株や債券のように情報が一般的に公開されていないことが大半のため、十分な調査と分析を行う必要があります。

2.自由に解約できない
2つ目は、自由に解約できないことです。

オルタナティブ投資の多くは、流動性が低く、投資資金を自由に引き出すことができません。

なぜなら、以下のような理由があるからです。

• 頻繁な資金の出入りを制限して長期的な視点で投資戦略を実行するため
• 売却相手を見つけるのに時間がかかるため

例えば、プライベートエクイティファンドに投資する場合、通常5〜10年程度の投資期間が設定されており、その間は原則として資金を引き出すことができません。

長期的な視点を持ち、自由に売却できない点を受け入れた上で検討しましょう。

3.商品内容が複雑で分かりにくい
3つ目は、商品内容が複雑で分かりにくいことです。

その理由は、主に3つあります。

• 収益機会を捉えるために複雑な戦略や手法を使っているから
• リスクを抑えて収益を狙うために高度な金融工学や数学的モデルを活用するから
• 複数の投資手法を組み合わせて運用を行うから

例えば、高度な統計分析を用いた市場予測モデルやヘッジファンドの活用するロング・ショート戦略といった手法は、高度な専門知識が必要です。

その結果、商品内容を複雑にせざるを得ません。

オルタナティブ投資は、専門家の意見も聞きつつ、納得した上で始める必要があります。

4.まとまった資金を用意しなければ始めることができない
4つ目は、まとまった資金を用意しなければ始めることができないことです。

オルタナティブ投資では、一般的に最低投資額が高めに設定されているので、個人投資家には参入障壁が高くなります。

例えば、ヘッジファンドの多くは最低投資額が100万ドル（約1億円）以上、プライベートエクイティファンドでは最低投資額が数百万ドル以上となることが多くなります。

したがって、オルタナティブ投資は、誰でも始められるわけではありません。

オルタナティブ投資を始める際は、以下のような販売先から購入を行います。

上の方法での投資が難しい場合は、以下のように比較的少額かつ自由に売却しやすい方法での運用をおすすめします。

• 証券会社やFX業者で関連する投資信託やCFD、不動産投資信託（REIT）を購入
• 暗号資産取引所で暗号資産を購入
• NFTマーケットプレイスでNFT（非代替性トークン）を購入

これらの投資方法なら数百万円単位のお金を用意することなくオルタナティブ投資を始めることができます。

オルタナティブ投資で利益を得るには、以下のポイントが重要です。

• 流動性が高い資産と組み合わせる
• 始めるなら分散投資を目的とするのがおすすめ

オルタナティブ投資の割合は少なめにする

各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

1.流動性が高い資産と組み合わせる

オルタナティブ投資は流動性が高い資産と組み合わせるようにしましょう。

なぜなら、資産のほとんどをオルタナティブ投資で保有すると、急遽お金が必要になったときに資産を売却できないからです。

一般的に生活費の半年〜1年分を流動性の高い資産で確保しつつ、当面必要ない資金のみをオルタナティブ投資に回しましょう。

2.始めるなら分散投資を目的とするのがおすすめ

オルタナティブ投資を始める際は、分散投資を目的とすることがおすすめです。その理由は、投資先の金融商品が株式や債券といった伝統的な資産とは異なる値動きをする傾向があるからです。

オルタナティブ投資をポートフォリオに組み入れることで、株や債券などの資産価値の減少を抑えられる可能性があります。

3.オルタナティブ投資の割合は少なめにする

リスクを抑えるためにオルタナティブ投資の割合は少なめにしましょう。一般的には、ポートフォリオ全体の10%〜20%程度をオルタナティブ投資に配分することが推奨されています。

その理由は、株や債券など一般的な伝統的資産よりも損失を被る可能性が高いためです。

実際、日本の年金積立金管理運用独立行政法人（GPIF）では、オルタナティブ資産の上限を5%に設定していますが、実際には1.46%（2024年3月時点）しか保有していません。

オルタナティブ投資の割合を上げすぎないようにしましょう。

オルタナティブ投資は、初心者にはおすすめできない投資方法です。なぜなら、最低投資金額が高く、商品内容や仕組みが複雑だからです。加えて、株や投資信託のように自由に資産を売却できません。

どうしてもオルタナティブ投資を始めたい場合は、関連する投資信託やCFD商品をおすすめします。これらの商品であれば、少額から投資可能でいつでも出金できます。

FXGT.comでは、貴金属・原油・暗号資産といった投資先にレバレッジをかけて取引ができます。ほかのオルタナティブ投資よりも少額から大きなリターンを狙いやすいため、初心者でもおすすめの投資方法です。ぜひ、この機会に口座開設してみてください。