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暗号資産市場のニュースで登場するビットコインドミナンスとは、暗号資産市場全体の時価総額のうちビットコインの割合を示す指標です。
ビットコインドミナンスを確認することで、暗号資産市場におけるビットコインの相対的なシェアを把握できます。アルトコインとの相対的な強弱を考える際の補助的な指標としても利用されています。
本記事では、ビットコインドミナンスの意味や計算方法、チャートをリアルタイムで確認する方法、ドミナンス理論の考え方と限界までを初心者向けに解説します。
暗号資産のニュースでは価格の話題が中心になりがちですが、市場全体のどこに資金が集まっているかは価格だけでは見えてきません。
まずはビットコインドミナンスの意味と計算方法、注目される背景をみていきましょう。
ビットコインドミナンスとは、暗号資産市場全体の時価総額に占めるビットコインの時価総額の割合を示す指標です。
数万種類規模まで増えた暗号資産の中でビットコインが暗号資産市場全体でどの程度のシェアを占めているかを確認できるため、市場の全体像をつかむ手がかりになります。以下の計算式で計算可能です。
ビットコインドミナンス=ビットコインの時価総額÷暗号資産市場全体の時価総額×100
例えば市場全体の時価総額が340兆円、ビットコインの時価総額が190兆円であれば、ビットコインドミナンスは約56%です。
ビットコインドミナンスは価格そのものではなく、市場におけるビットコインのシェアを示す指標である点が特徴です。
ビットコインドミナンスが市場分析で使われる理由の一つは、ビットコインが暗号資産市場で最大の時価総額を持つため、投資家がリスクをどの程度取ろうとしているかがドミナンスの動きに表れやすいとされるからです。
ただし、ビットコインドミナンスの上昇が、必ずビットコイン価格の上昇につながるとは限りません。
アルトコインの下落幅が大きければ、ビットコインの価格が下がっていてもドミナンスが上昇することがあります。
価格の方向性を直接示すものではなく、市場全体の資金の偏りを把握するための指標として捉えることが一つのアプローチとして検討できます。
ビットコインドミナンスは、暗号資産市場の歴史とともに数値が大きく変化しています。現在の数値が高いのか低いのかを判断するには、過去のレンジを知っておくことが手がかりになります。

ビットコインドミナンスは、2014年から2017年3月中旬までは、銘柄数が限られていたこともあり90%を超える水準で推移していました。
しかし、2017年3月後半からICOブームを背景に急落し、2018年1月には30%台まで低下しています。
その後は持ち直して2019年8月に70%まで回復し、2020年9月に57%まで下げたのち同年末には再び70%台を回復しました。
2021年5月から2023年5月までは、DeFiやNFTの活況でアルトコインへ資金が向かいやすい環境が続き、39%前後から48%前後のレンジで推移しました。
2023年半ば以降は上昇基調に転じ、2024年1月の現物ETF開始なども重なって2025年6月には65%前後まで上昇し、2026年7月26日時点では59%前後となっています(いずれもTradingviewによる確認)。
ビットコインドミナンスの数値を眺めるだけでは、その水準が高いのか低いのかを判断するのか難しいでしょう。
ここではビットコインドミナンスの代表的な3つの見方を紹介します
これらの視点を持つことで、市場の状況を整理しやすくなると考えられます。ただし、ビットコインドミナンスは将来の価格を示す指標ではないため、相場環境を把握するための補助的な材料として扱う点に注意が必要です。
ビットコインドミナンスの見方として、まず現在の数値を過去のレンジと比較する視点が役立ちます。
ドミナンスの水準は市場環境や銘柄数の変化によって長期的に移り変わるため、絶対値だけを見ても高いか低いかを判断しにくいからです。
同じ数値でもどの時期と比べるかで意味合いが変わるため、長期チャートで上昇トレンドか低下トレンドかという方向性を確認することが重要です。

ビットコインドミナンスは、ビットコイン価格と組み合わせて4つのパターンで見ると相場環境を整理しやすくなります。
| ビットコイン価格 | ビットコインドミナンス | 相場の状況 |
| 上昇 | 上昇 | ビットコインが市場全体に対して相対的に強い可能性 |
| 上昇 | 下落 | アルトコインの時価総額がビットコインを上回るペースで増加している可能性 |
| 下落 | 上昇 | アルトコインの下落がビットコインより大きい可能性 |
| 下落 | 下落 | アルトコインがビットコインより相対的に底堅い可能性 |
ただし、ドミナンスは市場全体に占める相対的な時価総額を示す指標であり、実際の資金移動を直接示すものではありません。資金の流入・流出を判断する場合は、暗号資産市場全体の時価総額や取引量なども併せて確認する必要があります。
ビットコインドミナンスは、関連する指標と併用することで、市場の状況を多角的に捉えやすくなります。
なぜなら、ビットコインドミナンスは相対的な割合にすぎず、単体では資金がアルトコインに向かったのか暗号資産市場以外の市場(株式、債券、商品など)へ逃避したのかを判別しにくいからです。
代表的な組み合わせとしては、テザーなどのステーブルコインの比率を示すステーブルコインドミナンスや、アルトコイン側の資金動向を映すイーサリアムドミナンスが挙げられます。
例えば、ビットコインドミナンスとステーブルコインドミナンスがそろって上昇していれば、アルトコインの相対的なシェアが低下し、ビットコインやステーブルコインのシェアが高まっている可能性があります。
反対に、イーサリアムドミナンスが上昇していれば、アルトコインの中でも主要銘柄に資金が集まっている可能性が読み取れるでしょう。このように複数のドミナンスを組み合わせて確認することが一つのアプローチとして検討できます。
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ビットコインドミナンスは、特別な有料ツールを用意しなくても無料で確認できます。チャートの形で推移を追いたい場合と、現在の数値だけを素早く知りたい場合とで適した手段が異なるため、目的に合わせて使い分けると良いでしょう。
リアルタイムに近いデータで確認する方法と数値がサイトごとに違う理由について解説します。
ビットコインドミナンスのチャートをリアルタイムに近い形で確認する方法として、チャート分析ツールのTradingViewがあります。
TradingViewの特徴は以下の4つです。
TradingViewでは、画面上部の検索窓にBTC.Dと入力し、表示された候補からビットコインドミナンスを選択するだけで、ローソク足のチャートが表示されます。

日足や週足など時間足を切り替えられるほか、移動平均線やRSIといったインジケーターを重ねたりラインを引いてサポートやレジスタンスを確認したりできます。
ドミナンスの数値のみを知りたい場合は、CoinMarketCapやCoinGeckoといったサイトでも確認できます。どちらも世界中の取引所から価格情報を集計しており、ビットコインドミナンスがリアルタイムに近い形で自動計算されて掲載されています。
CoinMarketCapではトップページ上部のダッシュボードからインジケーター内にあるビットコインドミナンスを表示できます。このチャートでは、2013年4月29日以降のビットコインとイーサリアム、その他の暗号資産(イーサリアムのみ2015年10月8日以降)のドミナンスを確認できます。

CoinGeckoでもグローバルチャートのページからビットコイン、イーサリアム、その他の暗号資産のドミナンスを確認可能です。

出典:CoinGecko
時価総額ランキングと併せて見られるため、どの銘柄に資金が集まっているかを俯瞰するのにも役立つかもしれません。
ビットコインドミナンスのチャートを確認する際は、ツールやサイトによって数値が異なることがある点に注意が必要です。
分母となる市場全体の時価総額は、どの銘柄まで含めるかによって変わり、集計基準がサービスごとに違います。
また、TradingViewのように複数のドミナンスを提供しているサイトでは、各シンボルによって計算式が異なる点に注意が必要です。
さらに、新しい銘柄が次々と追加されることで市場全体の時価総額が変化し、ビットコイン自体に動きがなくてもドミナンスが変動することがあります。複数のサイトの数値を比較した場合は混乱する可能性があるので、基本的には同じツールでドミナンスを確認すると良いでしょう。
ビットコインドミナンスが話題になる場面の多くは、アルトコインの動向と結び付けて語られる時です。
過去の相場ではドミナンスの低下とアルトコインの上昇が重なる局面が繰り返し確認されてきました。
ここではアルトシーズンの定義から、シグナルとされる理由、直近の水準までを整理します。
アルトシーズンとは、市場の主役がビットコインからアルトコインへ移り、アルトコインがビットコインを上回るパフォーマンスを示す局面を指す言葉です。
暗号資産市場の資金は常に一方向へ流れるわけではなく、ビットコインとアルトコインの間を循環する傾向があるとされます。
過去のサイクルでは、半減期などを背景にビットコインが先行して上昇し、その後にイーサリアムをはじめとするアルトコインへ資金が波及する流れが見られました。
判定の目安として知られるのがアルトコインシーズンインデックスで、時価総額上位の銘柄が過去90日間でビットコインの成績を上回った割合を0から100で数値化し、75以上で成立とする基準が用いられています。
2017年後半から2018年初めや2021年前半は、多くのアルトコインが急伸した時期として知られていますが、すべてのアルトコインが一様に上昇するわけではなく、銘柄ごとの値動きの差が大きい点には注意が必要です。
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ビットコインドミナンスの低下は、アルトコインがビットコインに対して相対的に強くなる局面で見られることがあります。(ただし、ドミナンスの低下だけでアルトシーズンを判定することはできません。)
アルトコインが買われてもビットコイン価格だけを見ていては変化に気づきにくいですが、ビットコインドミナンスを見ることで市場内のシェアの移り変わりを直接確認できるからです。
実際に2017年のICOブーム期や2020年から2021年のDeFiとNFTの活況時には、新規のトークンやイーサリアム、ソラナなどへ投機資金が向かい、ビットコインドミナンスが大きく低下しました。
ただし、ビットコインドミナンスが低下し始めてから本格的なアルトシーズンに至るまでには時間差が生じることも多く、市場全体が下落する中でアルトコインの下げ幅が相対的に小さいために低下するケースもあります。
価格動向やほかの指標と併せて総合的に判断する姿勢が求められます。
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2026年7月時点のビットコインドミナンスは、58%〜59%台(7月26日時点)で推移しています。
2026年7月上旬から7月26日にかけて、ビットコイン、イーサリアム、ステーブルコインを除いた暗号資産の合計シェアは19.39%から24.68%へ拡大しました。
ビットコインドミナンスが低下した場合は、アルトコインの相対的なシェア拡大が意識される可能性があります。一方、高水準で推移する場合は、ビットコインの市場シェアが引き続き大きい状態と捉えられます。

「ビットコインドミナンス理論」と呼ばれる考え方では、ドミナンスの推移から市場サイクルを読み解こうとします。
ただし前提となる市場環境は年々変化しており、過去のパターンをそのまま当てはめられるとは限りません。理論の基本的な枠組みと、押さえておきたい注意点を見ていきます。
ドミナンス理論とは、ドミナンスの推移から市場サイクルの現在地を推測する分析の考え方です。
ビットコインは暗号資産市場の入り口として選ばれやすく、利益が出た資金の一部がより値動きの大きいアルトコインへ向かう傾向が過去のサイクルで確認されています。
ドミナンス理論の中心にある見方が資金ローテーションです。この考え方は、資金ローテーションの一つの仮説として、法定通貨などからビットコインへ資金が流入し、その後に主要アルトコインや中小型銘柄へ資金が波及する流れが語られることがあります。
この考え方では、過去の市場サイクルにおいて、ビットコインドミナンスの上昇局面をサイクル前半、低下局面を後半のアルトコイン優位の局面と関連付けて考えることがあります。
ドミナンス理論を使っても過去のパターンがそのまま通用しないこともあります。
なぜなら、理論の前提となる過去のサイクルと現在とでは、市場参加者や銘柄構成が異なるからです。
かつて暗号資産は数百種類しかありませんでしたが、2026年現在では数万種類に増え、価格が動きにくいステーブルコインの存在感も高まったことで、過去のドミナンス水準と単純に比較しにくくなっています。
また、2024年1月12日午前3時53分配信の日本経済新聞の報道によると、2024年1月に米国で始まったビットコイン現物ETFは初日の取引高は約46億ドルに達しました。
Tradingviewのドミナンスは現物ETFの承認時に52%前後でしたが、2025年2月には60%台まで上昇しました。
加えて、ETF経由の資金が流出することもあるため、ドミナンス理論だけで将来のビットコイン価格を予測することは難しいかもしれません。
ビットコインetfはどこで買える?日本で買えるのか、メリットを解説
ビットコインドミナンスは市場全体の資金の流れを映す指標ですが、そのまま売買のタイミングを示すものではありません。
どのような位置づけで使い、リスク管理にどう反映させるかを整理しておくことで、指標の性質に合った使い方がしやすくなります。
ビットコインドミナンスは、売買の判断材料ではなく、基本的に相場環境を認識するための補助的な指標として活用します。
ビットコインドミナンスから分かる情報は、現在の暗号資産市場がビットコイン優位かアルトコイン優位かという大きな流れのみであり、将来のビットコインの値動きまで予測するのは難しいでしょう。
実際の活用例としては、ドミナンスの方向性で市場全体の資金の流れを把握し、そのうえで個別銘柄のチャート分析やファンダメンタルズの確認を行うという流れが一つのアプローチとして検討できます。
ビットコインドミナンスを分析に用いる場合も、暗号資産特有の価格変動リスクを考慮する必要があります。
相場に絶対はないので、根拠のある判断であっても想定と異なる方向に相場が動く可能性を排除できません。
具体的には、投入する資金は失っても生活に支障が出ない余剰資金にとどめ、一つの銘柄や一度の取引に資金を集中させすぎないことです。
また、暗号資産は価格変動が大きい資産であり、レバレッジをかけるほど損失も同じ割合で拡大しやすくなる点を理解しておく必要があります。
あらかじめ許容できる損失の範囲を決めておくことや、取引のために借り入れを行わないことも一つの考え方です。
ビットコインドミナンスは、数値の解釈や確認方法で迷いやすい指標です。ここでは疑問を持たれやすい点を整理します。
ビットコインドミナンスの水準だけで判定する共通の基準はありません。目安として使われるのはアルトコインシーズンインデックスで、75以上で成立とする基準が知られています。ドミナンスについては特定の数値よりも、低下が続いているのか高止まりしているのかという方向性を確認する使い方が一つのアプローチとして検討できます。
必ずしも一致しません。ドミナンスは市場全体に対する割合を示す指標のため、アルトコインの下落幅が大きければ、ビットコイン価格が下がっていてもドミナンスは上昇します。価格の方向は、ドミナンス単体ではなく価格チャートや他の指標と併せて確認する必要があると考えられます。
一般的にはテザーなどのステーブルコインも含めて計算されます。ただし集計対象はサービスごとに異なり、ステーブルコインを除いたシンボルを提供するツールもあります。数値を比較する際は、同じツールの同じシンボルで推移を追うと混乱を避けやすくなります。
目的によって変わります。市場サイクルの大きな流れを把握したい場合は週足や月足、直近の資金の動きを追いたい場合は日足を併用する方法が考えられます。短い時間足では一時的な値動きの影響を受けやすい点には注意が必要です。
ビットコインドミナンスは市場におけるBTCの相対的なシェアを把握する指標です。
ビットコイン価格の方向やステーブルコインドミナンス、アルトコインシーズンインデックスなどと組み合わせて確認することが一つのアプローチとして検討できます。
数値そのものよりも、トレンドの方向を確認する材料として活用することが一つのアプローチとして検討できます。
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