ポンド/円は主要通貨同士のペアであり、高いボラティリティを持つことから大きな利益を狙える可能性があります。
ただし、その分リスクも大きいため、取引には十分な注意が必要です。
本記事では、ポンド/円の特徴やこれまでの値動きを振り返りつつ、ポンド/円が下落するタイミングや今後の相場見通しについて詳しく解説します。
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ポンド/円とは
ポンド/円とは、英国のポンド(GBP)と日本の円(JPY)を組み合わせた、主要通貨同士の通貨ペアです。
ポンドは大英帝国時代から第二次世界大戦前後まで世界の基軸通貨でした。その後英国経済の衰退と共に米ドルに基軸通貨の役割が取って代わられた歴史があります。しかし、現在でも為替市場ではドル・ユーロ・円に次ぐ世界第4位の取引量を誇っています。
以下、イギリスの基本情報です。
| イギリス | 基本情報 |
|---|---|
| 正式国名 | グレートブリテン・北アイルランド連合王国 |
| 首都 | ロンドン |
| 人口 | 約6,770万人(2023年) |
| 面積 | 24.3万平方キロメートル(日本の約3分の2) |
| 言語 | 英語(ウェールズ語、ゲール語等使用地域あり) |
| 宗教 | 主に英国国教会、他カトリック、ユダヤ教、イスラム教など |
| 通貨 | 英国ポンド(GBP) |
| 政体 | 立憲君主制 |
| 元首 | チャールズ三世国王陛下(2022年9月8日即位) |
イギリスはEUに加盟した後もユーロを導入せずに自国通貨を使い続けました。そのため、イングランド銀行(BOE)が紙幣の発行や政策金利の調整を担当し、欧州中央銀行(ECB)に比べて柔軟で迅速な金融政策を実施できるという特徴があります。
ポンド/円は、ユーロ/円と同様に合成通貨と見なされており、英国の経済情勢や原油価格に加えて、米ドルやユーロの動向も影響を与えやすいです。したがって、ポンド/円を取引する際にはこれらの要因に対する情報収集が欠かせません。
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ポンド/円の特徴

ここでは、ポンド/円の主な特徴について解説します。
ポンドは世界4位の取引量を誇る
ポンド/円は、外国為替市場取引額の通貨別シェアにおいて世界第3位の円と同ランキング第4位のポンドを組み合わせた通貨ペアです。
取引量が多い通貨は流動性が高いという特徴があります。流動性の高さは市場参加者の多さ、言い換えれば売買先の見つけやすさに繋がり、希望の価格で売買できる可能性が高くなります。
以下の表は国際決済銀行(BIS)が3年毎に調査している外国為替市場における通貨別取引高シェアを表したものです。
| 通貨 | 2016年 | 2019年 | 2022年 |
|---|---|---|---|
| 米ドル | 43.8% | 44.2% | 44.2% |
| ユーロ | 15.7% | 16.2% | 15.3% |
| 日本円 | 10.8% | 8.4% | 8.3% |
| 英ポンド | 6.4% | 6.4% | 6.5% |
| 豪ドル | 3.5% | 3.4% | 3.2% |
ボラティリティが高い
ポンド/円の大きな特徴として「暴れ馬」と呼ばれる程のボラティリティの高さが挙げられます。ボラティリティとは、株価や為替の価格変動率を表す言葉であり、急騰と急落を繰り返すような相場で価格の変動率が大きい場合にボラティリティが高いと表現します。
ボラティリティが高い相場では大きな利益を期待できる一方で、大きな損失を出す恐れがあるため、リスク管理が必要です。
しかし、スキャルピングやデイトレードなどの短期トレードを行うトレーダーにとっては、おすすめできる通貨ペアになっています。
ユーロとの相関性が高い
ポンド/円は、EUの多くの国で使用されている共通通貨であるユーロと非常に相関性が高い通貨ペアです。
ポンドとユーロはどちらもヨーロッパの主要通貨として使用されているため、経済的・地政学的にも相互に関連している傾向があります。
もちろん、ポンドとユーロの関で全てに正の相関がある訳ではありませんが、ポンドが強い時はユーロも強く、反対にユーロが弱い時はポンドも弱い場合が多いです。そのため、ポンドの強弱はユーロを確認することで信頼度を上げることができます。
ロンドン時間の値動きが活発
ロンドンは国際的な外国為替市場の主要な中心地であり、ロンドン時間は多くの取引が行われる時間帯として知られています。そのため、ポンド/円の価格においては、ロンドン市場がオープンしたりクローズしたりする際に取引の活気が増すことがあります。
夏時間(3月下旬から10月下旬)では16時から26時、冬時間(11月上旬から3月上旬)では17時から27時が該当します。トレーダーは特にこれらの時間帯に注意を払い、市場の動向を確認することでトレードの機会を逃さないようにする必要があります。
同時に、他の通貨ペアとの相互影響も考慮することが重要です。
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ポンド/円の過去の値動きと要因

ここでは、ポンド/円の過去の値動きとその要因について解説します。
1992年ポンド危機

1992年、ジョージ・ソロス率いるヘッジファンドがポンドを売り、イギリスの通貨政策に対して賭けを行ったことが「ブラック・ウェンズデー」として知られる出来事を引き起こしました。
イギリス政府はポンドを守るために高金利政策を実施しましたが、最終的には持続不可能と判断され、結局イギリスは欧州通貨協定(ERM)から離脱しました。この出来事により、ポンドの価値は大幅に下落してしまいました。この取引によってソロスは9億5800万ドルの利益を上げたと言われています。
2008年リーマンショック

リーマンショックとは、2008年9月15日に米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが約600億ドルの負債を抱えて経営破綻した際、それを契機に発生した世界規模の金融危機を指します。
リーマン・ブラザーズの破綻はアメリカ史上最大規模であり、金融市場に激震をもたらしました。その結果、金融機関同士の信用を大きく損なわれ、世界中の銀行が互いに資金の貸し借りを控える状況に陥りました。これにより金融機関間の資金流動性が悪化して経済活動が鈍化し、最終的には世界規模における景気後退の原因となりました。
リーマンショックの影響でポンド/円は、2007年6月に約247円で推移していたのが、2008年12月には約130円まで下落しています。
2012年アベノミクス

2012年~2015年にかけて当時、円高が進んでいたことを受けて安倍元首相によるデフレからの早期脱却を掲げたアベノミクス(大胆な金融緩和・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)よって大きく円安が進みました。
2012年1月に約120円で推移していたのが、2015年7月には約193円まで上昇しています。
2016年EU離脱による国民投票

ポンド円は2015年6月からEU離脱の懸念が高まり、195円をピークに大きく下落しました。
2016年6月に国民投票が行われ、イギリスが主権回復や移民問題などを理由にEUからの離脱が決定するとポンド円は120円台まで大きく下落しました。
2020年コロナショック

2020年~2021年にかけて世界中を襲った新型コロナウイルスのパンデミックがポンド/円にも大きな影響を与えました。
EU離脱の影響から為替相場が復調を見せていましたが、新型コロナウイルス発生当初の2020年3月には1ポンド=140円から130円へ急落してしまいました。規制緩和で一時的に高騰しましたが、ロックダウンに入ると再び大きく下落し、値動きが複雑な期間でした。
2020年末には140円台に回復し、2021年の6月には155円まで上昇しました。
2022年円安

2022年の日本の金融政策や経済状況がポンド円の価格に直接的に影響しました。また、各国の中央銀行の金融緩和政策や新型コロナウイルス後の景気を刺激する政策もポンド/円の価格変動に影響しました。
2022年4月には、円安市場により相対的に円安ポンド高になりましたが、ジョンソン元首相への不安感や不信感に次いでロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、エネルギー不足や物価高騰などが起こりました。
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これからのポンド/円の見通し

ポンド/円のテクニカル分析
ここからは、テクニカル分析を含めたポンド/円の相場分析を解説します。ここではテクニカル分析の基本的なライントレード、ロールリバーサルを狙った分析を行います。
ライントレードは特定の銘柄だけでなく、様々な銘柄で応用できます。是非今後の相場考察に役立ててください!
今回はポンド円を2023年12月現在の日足で考察をしていきます。早速チャートを見てみましょう。

現在ポンド円は上画像のオレンジ色のトレンドラインと183.7〜184.4あたりのゾーンが意識されています。今後数週間はこのトレンドラインとゾーンが意識されそうです。
それらを踏まえた買いパターン、売りパターンは以下の通りです。
【買いパターン】
・上図のオレンジ色のトレンドラインの反発を確認して買いエントリー。損切りはトレンドラインを下に抜けて定着したら。利確は188.2付近の水平線。
・183.7〜184.4あたりのゾーンの反発を確認して買いエントリー。損切りはゾーンを下抜け定着したら。利確は188.2付近の水平線。
【売りパターン】
・上図のオレンジ色のトレンドラインを下にブレイク後、ロールリバーサルを確認して売りエントリー。損切りはトレンドラインを上に抜けて定着したら。利確は181.1付近の水平線。
・183.7〜184.4あたりのゾーンを下にブレイク後、ロールリバーサルを確認して売りエントリー。損切りはゾーンを上抜けして定着したら
記事では、筆者ならこうしますというのを解説しているだけですので、自己責任で取引してください。売買を”推奨”するものではございません。
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ポンド/円のファンダメンタル分析
市場の見通し、特に長期的な見通しを立てる上でファンダメンタル分析は非常に重要になります。ファンダメンタル分析には雇用統計、GDP、小売売上高などの経済指標から各国の中央銀行が行う金融政策まで幅広い情報が関係してきます。
ここからは、ポンド/円の見通しについてファンダメンタル的な観点から解説します。

英国の経済成長率の鈍化
2023年のポンド相場は、イギリスの経済成長鈍化を反映して売り圧力にさらされる可能性が高いです。
IMFの予測によると、イギリスの経済成長率は主要国で最も低い水準になると予想されており、実際に2023年第2四半期のGDP成長率は前期比0.2%と低迷している状況です。
経済成長が鈍化すると、物価上昇による家計の支出抑制や、高金利による投資の冷え込みなど、ポンドの下落要因となります。
また、IMFは2023年に世界の3割が景気後退に入ると予測しており、世界経済の減速もポンドの下落につながる可能性があります。
日英の金融政策と日米金利差の縮小
2023年11月時点において、イギリスの金利は5.25%と高水準で推移しており、日本は低金利政策を継続しているため、円安ポンド高の流れが進展しています。
一方で、米国の物価上昇がピークを打ったとの見方や、世界の金融政策の利上げの終了が懸念されていることから、円高・ポンド安が緩やかに進む可能性も見込まれます。
また、イギリスの利上げは段階的に実施されており、利上げのサプライズ感がなくなっていることから、通貨の買い圧力が弱くなる可能性もあります。
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ポンド/円はいつ下がるのか

ここでは、ポンド/円が下がるタイミングについて解説します。通貨の価値が下がる際には特徴があり、その特徴を理解することで事象が発生した際に即座に対応することができます。
為替市場において通貨の価値は基本的に金利で決まります。金利の高い通貨では、その通貨で預金や投資をすることで高い利息を得られるため、企業や投資家は金利の高い通貨を欲しがります。そのため、金利の高い通貨は為替市場において需要が高まり、結果的に通貨の価値が高まります。
イギリスの政策金利が下がる時
政策金利が下がると様々なローンの金利にも引き下げ圧力がかかります。その結果、ローンを組んで自動車や家などが買いやすくなり、消費行動が促進されます。
国民の消費活動が増加するとインフレーションが加速し、通貨の供給量が増える傾向があります。一方で、物価が上昇し、物やサービスの購買力が減少するため、需要が抑制されます。
従って、イギリスの経済指標などで景気が悪い指標が出た場合、景気を良くするためにトレーダーたちが金利が下がると予想しポンドを売るポジションを持とうとして通貨の価値が下がってしまうのです。
供給が増えて需要が低下すると通貨の価値は低下してしまうのです。
イギリスの政策金利が事前予想よりも上がらなかった時
政策金利の引き上げや引き下げは、事前に予想された数値があり、基本的に概ねその予想通りに引き上げ引き下げが行われますが、引き上げの際にその予想を下回る引き上げ率だった場合、失望から売りに出す投資家が多い傾向があります。
通常、中央銀行が政策金利を引き上げると、その通貨の利回りが上がり、外国為替市場での需要が高まります。逆に、政策金利が予想よりも上がらなかった場合、市場参加者はその通貨に対する利回りの期待が下がると考え、その通貨への需要が低下し、価値は下がってしまいます。
イギリスの政策金利が日本に比べて上がらなかった時
FXでは、金利の低い国の通貨を売って、金利の高い国の通貨を買うことでスワップポイントと呼ばれる通貨間の金利差をポジションを決済するまで毎日得ることができます。逆に、低金利の国の通貨を買い、高金利の国の通貨を売る場合、金利差分のスワップポイントの支払いが発生してしまいます。
そのため、ポンドと比較して円の方が金利が上がった場合、買いポジションを保有しているだけでスワップポイントの支払いが発生してしまうため、ポンドを売る動きが増え、結果的に通貨の価値が下がってしまうのです。
金融緩和が起きた時
金融緩和を行うと、金利が低下して企業や個人は借金をしやすくなり、投資や消費が活発になり、物価が上昇する傾向があります。
また、金融緩和では、中央銀行が国債などの資産を民間銀行などから買い取ることで、通貨供給量を増やします。通貨供給量が増えると、同じ量の貨幣で買える商品やサービスの量は減少します。そのため、通貨の価値は下落してしまうのです。
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ポンド/円を取引するメリット

ここでは、ポンド/円の取引する上でのメリットについて解説します。
ボラティリティが高く利益を得やすい
ポンド/円の特徴の項目で解説したように、ポンド/円のボラティリティの高さは大きなメリットの一つです。
価格の急騰と急落が頻繫に発生するため、上手くタイミングを見極めれれば、大きな利益を上げることができる可能性があります。しかし、同時に大きな損失を出してしまうリスクもあるため、損切り額を決めておくなどのリスク管理が必要になります。
多くのユーザーがいるため情報を集めやすい
ポンド/円は、通貨取引量で世界第3位の円と第4位のポンドを合わせた通貨ペアということもあり、多くのユーザーが取引に参加しているため情報を集めやすいです。
経済指標や金融機関の発言、政治的な出来事などをキャッチしやすく、またそれらの情報が相場にどのような影響を及ぼすのかを発信している媒体も多く存在し、それらはトレード戦略を立てる上で有益な情報になります。
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ポンド/円に関するよくある質問
ポンド/円に関するよくある質問について解説します。
ポンド/円の値動きが激しいのはなぜですか?
ポンド/円はクロス通貨であるため、ポンド/ドルとドル/円の掛け合わせで作られています。そのため、自然と価格変動が大きくなる傾向があるのです。また、値動きが激しい要因の一つとして、投機目的で取引されることが多いことが挙げられます。
ポンド/円の特徴は何ですか?
ポンド/円の大きな特徴はボラティリティの高さにあります。ボラティリティの高さは、大きな利益を期待できる一方で、リスク管理を怠ると大きな損失を出してしまうことに繋がりかねません。しかし、ポンド/円はユーロとの相関性や流動性が高いため、安定した取引が可能な通貨ペアになっています。
ポンド/円はいつ下がりますか?
ポンド/円が下がるタイミングとしては、「イギリスの政策金利が下がる時」、「イギリスの政策金利が事前予想よりも上がらなかった時」、「イギリスの政策金利が日本に比べて上がらなかった時」が挙げられます。ただし、通貨価値は複数の要因の影響を受けるため、上記のタイミングで必ず下がるという訳ではありません。
ポンド/円の今後の見通しは?
ポンド/円は英国の経済成長率の鈍化の影響で売り圧力が強くなる可能性があります。また、イギリスの金利は高水準で推移しており、日本は低金利政策を維持しているため、円安ポンド高の流れが進展しています。一方で、米国の物価上昇がピークを打ったとの見方や、世界の金融政策の利上げの終了が懸念されていることから、円高・ポンド安が緩やかに進む可能性も見込まれます。
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売り時を見極めてポンド/円で利益を出そう!

ここまで、ポンド/円の特徴や過去のポンド/円の値動き、ポンド/円が下がるタイミングから今後の見通しまで解説してきました。
日英両国の金融政策などのファンダメンタル的な分析や、インジケータを使用したトレンド判定などのテクニカル的な分析を複合的に判断することでポンド/円の取引で大きな利益を出すことができます。
- ポンド/円の特徴は「世界4位の取引量を誇る」、「ボラティリティが高い」、「ユーロとの相関性が高い」「ロンドン時間の値動きが活発」
- ポンド/円が下がるタイミングは「イギリスの政策金利が下がる時」、「イギリスの政策金利が事前予想よりも上がらなかった時」、「イギリスの政策金利が日本に比べて上がらなかった時」、「金融緩和が起きた時」
- ポンド/円を取引するメリットは「ボラティリティが高い」、「多くのユーザーがいるため情報を集めやすい」
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