昨今の国際情勢の中で注目を集めている通貨の一つが「やばい」とも言われる豪ドル(オーストラリアドル)です。
豪ドルは世界第6位の取引量を誇り、数ある通貨の中でも特筆すべき特徴を持つ通貨といえます。
本記事では、2024年4月時点における豪ドルの見通しや今後の立ち回り、いわゆる「やばい」と言われる理由について、詳しく解説します。
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豪ドルとは
豪ドル(オーストラリアドル)は、オーストラリアの法定通貨です。
通貨コードは 「AUD」 で、通貨記号として 「A$」 が使用されます。また、一般的には「オージー」や「オーストラリアドル」と呼ばれることもあります。
オーストラリアの基本情報は以下の通りです。
| オーストラリア | 基本情報 |
|---|---|
| 首都 | キャンベラ |
| 人口 | 約2600万人 |
| 言語 | 英語 |
| 面積 | 約769万2,024km2(日本の約20倍、世界6位) |
| 農地面積 | 4,054,740km2(世界3位) |
| 通貨 | 豪ドル(AUD) |
| 宗教 | キリスト教43%、無宗教38%(2021年国勢調査) |
| 輸出品 | 鉄鉱石(29.8%)石炭(12.2%)天然ガス(9.6%)(外務貿易省統計) |
| 輸入品 | 精製油(6.4%)乗用車(5.9%)貨物輸送サービス(4.3%)(外務貿易省統計) |
| 一人当たりの名目GDP | 62,596(世界12位)(2023年IMF World Economic Outlook) |
| 軍事予算 | 約486億豪ドル(2022~2023年度) |
| 失業率 | 3.6%(2023年) |
オーストラリアは石炭・鉄鉱石・天然ガスなどの豊富な天然資源に恵まれています。世界有数の天然資源の輸出国で、中国をメインに日本などのアジア地域と活発に貿易を行っています。
目立った特徴として、農地面積世界3位、一人当たりの名目GDP世界12位があげられます。
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豪ドルの特徴
数ある通貨の中でも特筆すべき特徴があり、やばいと言われる豪ドルの主な3つの特徴について解説します。
世界第6位の取引量を誇る
やばいと言われる豪ドル(AUD)ですが、2022年では世界第6位の取引量を誇り、世界での為替取引量の約7%のシェア率を誇っています。
豪ドル/日本円の組み合わせは、国内で人気が高いことでも知られています。また、豪ドル/米ドルは世界で4位の取引量を誇る通貨ペアです。
為替取引量のランキングは以下の通りです。
| ランキング | 通貨 | 取引量(10億ドル) |
|---|---|---|
| 1 | 米ドル(USD) | 6,641 |
| 2 | ユーロ(EUR) | 2,293 |
| 3 | 日本円(JPY) | 1,253 |
| 4 | 英ポンド(GBP) | 969 |
| 5 | 中華人民元(CNY) | 526 |
| 6 | 豪ドル(AUD) | 479 |
| 7 | カナダドル(CAD) | 466 |
| 8 | スイスフラン(CHF) | 390 |
| 9 | 香港ドル(HKD) | 194 |
| 10 | シンガポールドル(SGD) | 183 |
参照:国際通貨研レポート
オーストラリアドルはなぜ金利が高いのか
オーストラリアは金利が他国に比べ、高くなる傾向にあります。オーストラリア準備銀行が利上げを行い続けていることや、オーストラリアは世界有数の天然資源の輸出国のため、常に安定した資源を保有しており、金利狙いの資金が集まりやすいからです。
しかし、経済的影響や混乱が生まれると、資金が離散し、豪ドル安になることもあるので不安定性も兼ね備えています。
天然資源は外的環境の変化によって受ける影響が少ないため、豪ドルは高金利かつ安定した通貨だからこそ、日本人からの人気も高いです。

リスクオン通貨の傾向がある
豪ドルはリスクオン通貨の傾向があります。リスクオンとは投資家がハイリスクハイリターンでの投資や取引を行う金融市場の用語です。
世界有数の天然資源の輸出国であるオーストラリアは、天然資源の価格の変動によって豪ドルの価格に動きが生まれやすいことがリスクオンの原因として挙げられます。また、主な貿易相手の中国の景気に通貨価値が左右されるため、自国の景気と同様に中国の景気に左右されるのもリスクオンの原因の一つです。
リスクオンの時、豪ドルは上昇しやすく、リスクオフの時は豪ドルは下落しやすいです。豪ドルで取引するときは天然資源の価格変動や、他国(主に中国)の景気に注意しましょう。
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豪ドルに影響を与える要因

やばいと言われる豪ドルはさまざまな要因によって価格が変動しやすい通貨です。豪ドルに影響を与える主な要因について解説していきます。
地政学的リスク
地政学的リスクとはその地域の地理的条件により、政治的、または軍事的問題が発生した際に、その特定地域の経済、通貨の価格、もしくは世界経済全体にリスクを与えることを指します。
オーストラリアは全輸出の50%を天然資源が占める、世界有数の資源国家であることから、豪ドルは資源の価格に依存しやすい通貨です。
資源価格が何らかの要因で変動した際、豪ドルも変動しやすい性質が、豪ドルが地政学的リスクを伴ったリスクオン通貨である所以です。
金融政策
豪ドルで唯一の発券銀行であるRBA(オーストラリア準備銀行)の金融政策も豪ドルの価格に影響を与えます。RBAの利上げ政策は豪ドルにとってプラスに、利下げ政策は豪ドルにとってマイナスに働きます。
現在、RBAは2022年5月から9回連続の利上げを行っており、過去10年間での最高を更新するほど高いインフレ水準を保っています。利上げを行い、安定的に価格が上昇していく見通しがある通貨であることが「やばい」と呼ばれる所以の一つです。
経済指標
オーストラリアは中国をメインに輸出を行っているため、豪ドルは中国の経済指標の影響を受けやすい傾向にあります。豪ドルの変動を理解するためにもオーストラリアだけでなく、中国の経済指標にも注意が必要です。
オーストラリアや中国の経済指標が良ければ買いで、悪ければ売りでエントリーすると、根拠のある勝ちやすいトレードをすることができます。
資源価格
資源国家であるオーストラリアは、資源の価値が上がれば豪ドルの価格も上がり、逆に資源の価値が下がれば豪ドルも下がる傾向にあります。鉄鉱石や石炭などの資源価格の変動に注意が必要です。
また、豪ドルは原油価格とも相関関係があります。
下の二つのチャートは、豪ドル/日本円と原油の週足チャートです。どちらも上昇傾向が似ていることが確認できます。


このように豪ドル/日本円と原油価格が相関関係があるように豪ドルは資源価格と相関関係のある通貨です。
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これまでの豪ドルの動向

やばいと言われる豪ドルのこれまでの動向について、高値が過去20年で最高となる107.82円を記録した2007年から2022年のウクライナ戦争の動きまでを順に解説していきます。
【2007年】高金利通貨として注目され始める
2000年には安値55.23円であった豪ドルは、オーストラリアの財政収支の黒字、失業率の低下などの国内状況と共に上昇傾向を見せました。
2007年には政策金利が96年以来約11年ぶりとなる、高水準である6.75%を記録し、豪ドルは高値107.82円まで上昇しました。
2007年5月からリーマンショックまでは豪ドル/日本円の相場は100円台が定着しました。

【2008年】リーマンショックにより下落
2008年、アメリカの大手投資銀行だった「リーマンブラザーズ」が破綻したことで起こった世界的な世界的不況である「リーマンショック」により、豪ドルの価格は100円台から50円台までに暴落しました。

リーマンショック後、 下降を続けると思われた豪ドルでしたが、中国の景気対策が功を奏し、オーストラリアの資源輸出も相まって豪ドル価格は回復傾向にありました。
豪ドルは緩やかに上昇を続け、2010年以降は高値80円台後半から安値70円台までに回復しました。
【2013年】アベノミクスにより上昇
2013年、アベノミクスによって豪ドルは上昇傾向になりました。
アベノミクスは日本のインフレを目指す金融政策で、量的緩和を行うと共に円が経済に流通する量を増やす金融政策です。

アベノミクスにより株価、経済成長率、企業業績、雇用などが改善され、円安を達成したことにより相対的に豪ドルも上昇を続けました。
【2015年】中国経済の失速により下落
上昇傾向を見せていた豪ドルも2015年に一時的に10円以上の下落をしました。その大きな要因は中国経済の悪化です。
中国は2014年から景気が悪化傾向となり、2015年は「チャイナ・ショック」と呼ばれる程の景気の悪化をみせました。国内の資源の需要が減っていました。

オーストラリアにとって最大の貿易相手である中国の景気の悪化は豪ドルの価格にも影響を与えました。
【2016年】アメリカの利上げにより下落
2016年、アメリカの新政権、トランプ政権によってインフレ対策のための政策金利の利上げが行われました。
トランプ政権移行後、失業率の低下、経済の成長が顕著に表れました。

しかし、トランプ政権移行後すぐにドル高になり、豪ドルとの金利差も縮まることで相対的に豪ドル安になったことで下落をみせました。
【2017年】中国経済の回復により上昇
2017年、中国経済は7年ぶりに成長率が増えるなど大きな成長を見せました。中国の景気の回復により豪ドルの価格は上昇傾向を見せます。
中国の景気が回復し、工業の資源である鉄鉱石需要が増えたことにより、資源に影響されやすい通貨である豪ドルの価格は上昇しました。

米中貿易摩擦までの2年間、豪ドル/日本円は70円代後半~80円代後半を維持し続けました。
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【2019年】米中貿易摩擦により下落
2019年、アメリカと中国との貿易摩擦による対立関係により国際的リスクが高まったことにより、リスクオン通貨である豪ドルは下落しました。
トランプ政権が中国からの輸入品818品目に対し、25%の関税率をかけたことに始まり、中国も関税を引き上げることによって貿易摩擦は発展していきました。領国の貿易摩擦は他国の通貨にも影響を与えました。
中国の景気が悪化したことによって1ヶ月の間に83円台から77円台という下落を見せました。

【2020年】新型コロナウイルスの世界的な流行により大暴落
2020年に発生した新型コロナウイルスの影響によって上昇傾向にあった豪ドルも大ダメージを受けます。
新型コロナウイルスが流行した3月は一時安値59.90円と大暴落を見せました。

しかしその後は上昇傾向を見せ、三か月後には暴落前の価格帯に戻りました。
【2022年】ウクライナ情勢の影響により上昇
2022年のウクライナ侵攻が起きた際、ユーロはウクライナと地理的に近いことから地政学的リスクが高まり、価値が下落しました。一方、オーストラリアは地理的に遠く、供給懸念から石炭やLNGなどの資源価格が高騰したことで、資源国通貨である豪ドルの価値は相対的に上昇しました。

ウクライナ戦争は東欧〜東ヨーロッパで発生したことでユーロの危険性が高まり、逆に発端となった場所のほぼ反対側に位置するオーストラリアの豪ドルの価値は上昇しました。
また、戦争によって資源価格が高騰したことも豪ドルの相対的な価値が上昇した理由の一つです。

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これからの豪ドルの見通し

やばいと呼ばれる豪ドルのこれからの見通しについて解説します。豪ドルは他国の影響を受けやすいリスクオン通貨であるため今後の動きを完璧に分析するのは難しいですが、豪ドルの特徴や傾向を踏まえた上で今後の見通しについて解説します。
テクニカル分析での見通し
ここからは、テクニカル分析を含めた豪ドル/円の相場分析を解説します。ここではテクニカルの基本的なライントレード、ロールリバーサルを狙った分析を行います。
ライントレードは特定の銘柄だけでなく、様々な銘柄で応用できます。是非今後の相場考察に役立ててください!
今回は豪ドル円を2023年12月現在の週足で考察をしていきます。早速チャートを見てみましょう。

現在豪ドル円は、週足の実態で100.9円付近で反発しており、99.9〜100.9円のゾーンでラインを引けます。また、86.0円付近も週足ベースで反発があるため水平線が引けます。今後も98.5〜99.1円付近の価格帯と86.0円付近が意識されそうです。
それらを踏まえた買いパターン、売りパターンは以下の通りです。
99.9〜100.9円のゾーンをロールリバーサルを確認後買いエントリー。利確は2014年の最高値である102.8円付近。損切りはラインの下割れ定着したところ。
99.9〜100.9円付近の反発を確認後売りエントリー。利確は92.7〜92.5円付近。損切りは99.1円を上抜け定着。
ここに記載されている内容は筆者個人の見解であり、売買を推奨するものではありません。実際の取引は、ご自身の判断と責任において行ってください。
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2024年はどのように立ち回れば良いのか
2020年、豪ドルは新型コロナウイルス後の大暴落からの回復以降、上昇傾向を見せました。また、2022年に豪ドルはウクライナ戦争などによってさらに上昇傾向を見せました。

オーストラリアの景気も長期的に安定しており、景気後退リスクの少なさ、失業率の低さからも豪ドルは2024年も上昇傾向が続く可能性があります。
しかし、豪ドルはリスクオン通貨であり資源価格や世界情勢、特に東アジア影響を受けやすいので価格が変動しやすいので注意が必要です。
また、豪ドルは中国の経済状況の影響も受けやすいので中国の経済状況も注意深く見ていきましょう。
現在中国の実質GDP成長率は第2四半期(4〜6月)は6.4%で証券アナリストは中国の経済成長は一時的なものと見ている人が多いですが、多くの投資家の人は中国の経済成長に期待を持っていることがXのつぶやきなどからわかります。
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豪ドルに将来性はある?慎重に見極めよう!

ここまで、やばいと呼ばれている豪ドルについて解説しました。豪ドルはリスクオン通貨であり、資源価格に影響される通貨であるものの、安定的な上昇傾向が続いている通貨でもあります。
オーストラリアの安定的な経済成長や政策金利の利上げが続いていることからも分かる通り豪ドルは将来性のある通貨であると言えます。
豪ドルは中国を中心とした他国や資源価格に大きく影響されるという点での「やばい」要素と、安定的な価格の上昇を見せるという点での「やばい」要素のある通貨です。
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