FXの証拠金維持率はどれくらいを目安にすれば良いかわからないという方は多くいるでしょう。
当記事ではトレード手法別にFXの証拠金維持率の目安を紹介しています。適切な証拠金維持率の管理によってロスカットの心配のないトレードを目指しましょう。
- FXの証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産額の割合のこと
- 証拠金維持率の目安・安全圏は、トレードスタイルによって様々な考え方がある
- 証拠金維持率を保つ方法は、損切りの徹底や適切なロット数でトレードするなどの方法がある
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FXの証拠金維持率とは？
FXの証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産額の割合のことです。
FXでは証拠金維持率がある一定まで低下すると、ロスカットが起こりポジションが決済されてしまいます。トレーダーを守る仕組みではありますが、想定外のタイミングでポジションを決済されるのは厄介です。これを避けるためには、証拠金維持率が高い状態を保つ必要があります。
FXにおいて重要な指標である証拠金維持率を理解して、取引を優位に進めましょう。
FXの証拠金維持率はロスカットと連動しています。証拠金維持率がロスカット水準を下回るとロスカットされます。ロスカットに合わないためにも証拠金維持率は確認する必要があります。
そのため、ロスカットの原理は理解しておきましょう。
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FXの証拠金維持率の計算方法
FXの証拠金維持率の計算方法は以下の通りです。
・証拠金維持率＝純資産÷必要証拠金×100
・純資産＝総資産ー負債
・必要証拠金＝基準価格×ポジション数×1/n(レバレッジn倍の時
例えばレバレッジ25倍で取引をしている時に25万円を入金し、1ドル100円で1万通貨のポジションを保有したとします。
このとき純資産は25万円、必要証拠金は100×1万通貨×1/10＝10万円です。よって、証拠金維持率は25万円÷10万円×100＝250％となります。
ここで想定通りに為替が値動きし、75万円の含み益が発生したとします。純資産は25万円＋75万円=100万円になります。よって、証拠金維持率は100万円÷10万円×100=1,000％と計算できます。
逆に市場が想定外の動きをして含み損が発生した場合も考えてみましょう。例えば、5万円の含み損を抱えたとき、純資産は25万円−5万円=20万円です。証拠金維持率は、20万円÷10万円×100=200%になります。
このように、含み損益の発生で証拠金維持率は変化します。証拠金維持率が下がるとロスカットの可能性が高まるので注意しなければなりません。ちなみに、この計算は取引プラットフォーム上で確認できるので、自分で計算する必要はありませんが、原理は理解しておきましょう。
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証拠金維持率の目安・安全圏は？
FXにおける証拠金維持率の計算方法は分かりましたが、どの程度の値を保てば良いのでしょうか。トレード手法ごとにおける証拠金維持率の安全圏を解説します。以下の３つのトレード手法について安全圏を解説します。
スキャルピングの安全圏は300％
FXにおける証拠金維持率の目安は、スキャルピングなら300％です。
スキャルピングとは数分の売買で利益を積み重ねる手法です。スキャルピングは一回あたりの取引時間が短いため、安全圏の幅を広く設定する必要があります。
証拠金維持率が300%を下回るとちょっとした急落であっという間にロスカットされるリスクが高まります。
損切りできるためほかの手法と比べて証拠金維持率が低くても機能します。
スキャルピングはこちらの記事で解説しています。
デイトレードの安全圏は500％
FXにおける証拠金維持率の目安は、デイトレードなら500％です。
デイトレードとは数時間から1日かけて取引を完了させる手法です。デイトレードにおける証拠金維持率を、スキャルピングより高い500％とするのは、含み損にも耐えられるようにするためです。
相場が急に変化し思わぬ含み損が発生しても対応できるように、デイトレード時の証拠金維持率は500％とするのが好ましいです。
デイトレードはチャートを見ていない時間が多いから相場の急変動も想定しておこう
スイングトレードの安全圏は800％
FXにおける証拠金維持率の目安は、スイングトレードなら800％です。
スイングトレードとは1日から数週間にわたってポジションを保有する手法です。スイングトレードを用いる際に証拠金維持率を800％とするのは、中期的なトレードは高い証拠金維持率でなければロスカットする可能性が高いからです。
十分な資金がない方は中期ではなく、短期のトレードを繰り返しましょう。
スイングトレードについてはこちらをご覧ください。
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証拠金維持率を保つ方法
FXにおいて証拠金維持率が非常に重要な指標であることは分かりましたが、どのようにして証拠金維持率を保てば良いのでしょうか。
FXで証拠金維持率を保つ方法を、実際に2つ見ていきましょう。
損切りの徹底
FXで証拠金維持率を保つ方法の1つ目は、損切りを徹底することです。
損切りを徹底することで損失の拡大を防ぎ、純資産の減少を防げます。純資産が減少してしまうと、それに伴い証拠金維持率も低下するため、純資産の減少を防ぐことは非常に有効です。
含み損のポジションが含み益に変わることを期待してしまうかもしれませんが、大きな損失を生まないために早めに損切りしてしまいましょう。損切りを徹底するために、あらかじめ明確に損切りする基準を決めておくことをおすすめします。
損切りの基準を決める際の指標の一つとして、マイトレードルールを決めるというてもあります。以下の記事でトレンドルールの作り方を実例を交えて紹介しているのでご覧ください。
適切なロット数でトレード
FXで証拠金維持率を保つ方法の2つ目は、適切なロット数でトレードすることです。
仮に多すぎるロット数でトレードを行ったとします、この場合は保有するポジションが過剰に増えてしまうことで、必要証拠金がその分増加してしまいます。必要証拠金の増加は証拠金維持率の減少の一因です。
また、ロットを上げすぎたり持ちすぎたりすると、価格が少し逆行しただけで証拠金維持率も著しく低下します。現在のロット数やポジション数でどのくらい価格が下がるといくらの損失が発生するのかを把握しておく必要があるでしょう。
FXではいきなり大きく勝とうと焦らずに、資金にみあった適切なロット数でトレードするようにしましょう。
以下の記事で適正なロット数の計算方法を紹介しているのでご覧ください。
証拠金を追加する
FXで証拠金維持率を保つ方法の3つ目は、証拠金を追加することです。
証拠金維持率が一時的に減少したとしても、証拠金を追加することで証拠金維持率を増加させて一定の値に保てます。
証拠金を追加する手法は損失が膨らむ可能性があるためおすすめはできませんが、リスクを考慮した上で行うのであれば有効な手法になり得ます。
仮に、純資産15万円、含み損10万円、必要証拠金10万円だったとします。この時証拠金維持率は(15万円−10万円)÷10万円×100=50%です。証拠金維持率は20%を下回るとロスカットされるので、このままではいつロスカットされてもおかしくありません。
そのため、15万円証拠金を追加してみましょう。すると、純資産が元の15万円からさらに15万円増えて30万円になります。よって、証拠金維持率は(30万円−10万円)÷10万円×100=200%です。まだ安心できる状況ではありませんが、50%よりはロスカットされるリスクが低減されました。
証拠金を追加する前に、損切りが徹底できているかや、適切なロット数でトレードできているかを確認するようにしましょう。
証拠金を追加すれば証拠金維持率は担保可能
マージンコール・セロカットシステムがあるFX業者を活用
FX取引を行う場合はマージンコールやゼロカットシステムがあるFX業者を活用しましょう。
マージンコールとは、ロスカットが発生する前に業者からトレーダーに届く通知です。目を離している間に相場が急変し証拠金維持率が下がっても、マージンコールに気づけばロスカット前に対策を講じられます。
とは言え、相場が短時間で激変し、マージンコールの通知が来る前に証拠金維持率がロスカットの水準に落ちてしまうことがあります。また、ロスカットも間に合わず資金以上に損失が出る場合もあります。
そうした際に有効なのがゼロカットシステムです。
ゼロカットシステムは、資金以上に損失が出た際に海外FX業者が損失額を負担し、資金をゼロにしてくれるシステムのことです。負債を抱えずに済むので安心です。
FXGT.comではマージンコール・ゼロカットシステム共に採用しています！
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FX業者ごとのロスカット水準
FX業者ごとにロスカットの水準は異なります。5つの海外FX業者のマージンコール、ロスカットが起きる証拠金維持率の違いは以下の通りです。
| 海外FX業者 | マージンコール | ロスカット水準 |
|---|---|---|
| FXGT | 50% | 20% |
| XM | 50% | 20% |
| TitanFX | 90% | 20% |
| Tradeview | なし | 100% |
表のようにFX業者ごとにマージンコール、ロスカットの水準はまちまちです。証拠金維持率が100％を下回るタイミングでロスカットするFX業者もいれば、FXGTのように20％を下回らないとロスカットしない業者もあります。
ロスカットの基準が低ければ低いほど、含み損が多くても長くポジションの保有が可能です。そのため、大きな含み損を抱えた状態からでも逆転する可能性があります。
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FXの証拠金維持率に関してよくある質問
FXの証拠金維持率に関してよくある質問を紹介します。
証拠金維持率の目安や安全圏は何のためにありますか？ロスカットされる前に証拠金を追加入金する形ではダメですか？
証拠金維持率の目安・安全圏は、ロスカットを避けるためにあります。
もちろん、ロスカットされる前に証拠金を追加できれば良いですが、追加入金処理が間に合うという保証はありません。相場は秒単位で変動するのでいつどんな不測の事態が起こるかわからないことを念頭に、リスク管理は徹底しましょう。
FXの証拠金維持率が200%を切ってしまいました。どのくらいまずいですか？
結論から言うと、レバレッジの倍率によります。
「証拠金維持率の目安・安全圏は？」の項目で説明した通り、スキャルピングでも300%、スイングトレードなら800%を下回らないようにするのが一番です。しかし、同じ証拠金維持率でもレバレッジによってロスカットまでの距離が変わります。なぜなら、証拠金維持率は純資産を必要証拠金で割るからです。
仮に、純資産2万円、1ドル100円で１万通貨をレバレッジ100倍で保持している人がいたとします。この人の証拠金維持率は2万円÷(100円×1万×1/100)×100=200%です。
他に、同じ証拠金維持率200%でも、1ドル100円で1万通貨をレバレッジ1倍で保持している人がいたとします。この人の純資産は200%÷100×(100円×1万×1/1)=200万円です。
もし為替が1ドル=99円になった場合、両者ともに1円×1万円で1万円の含み損が発生したことになります。
証拠金維持率は、前者が(2万円−1万円)÷(99円×1万×1/100)×100=101.01010101%、後者は(200万円−1万円)÷(99円×1万×1/1)×100=201.01010101%になります。
低レバレッジであればあるほど安全に取引を行えるという側面があります。ご自身のレバレッジと合わせて、証拠金を追加するか決めましょう。
FXの証拠金維持率が1000%あればポジションの週跨ぎをしても大丈夫ですか？
何倍のレバレッジをかけているかにもよりますが、大丈夫なことがほとんどでしょう。ただし、FXの世界では何が起こるかわかりません。
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FXのトレードで利益を上げるために証拠金維持率の安全圏内で取引しよう
必要証拠金に対する純資産額の割合を示す証拠金維持率は、FXにおいて非常に重要な指標です。証拠金維持率を意識したトレードを行うことで、FXの勝率は高くなります。
証拠金維持率がある一定の値を下回るとロスカットが発生して、強制的にポジションが決済されてしまいます。大きな損失を出してしまうロスカットを避けるためには、損切りを徹底することや適切なロット数で取引することが大切です。
FXの証拠金維持率の目安はスキャルピングなら300％、デイトレードなら500％、スイングなら800％以上です。トレードの手法に応じた適切な証拠金維持率を維持するようにしましょう。
- FXの証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産額の割合のこと
- 証拠金維持率の目安・安全圏は、トレードスタイルによって様々な考え方がある
- 証拠金維持率を保つ方法は、損切りの徹底や適切なロット数でトレードするなどの方法がある
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